ウェルニッケ（この病気をみつけた人名）脳症は、
アルコール関達疾患のなかでも最高に重篤な病態だ。

現在では、サイアミン（ビタミンＢ１）の欠乏で、
特有の精神神経症状と病理所見を示す１つの独立した、
疾患単位だ。

ウェルニッケ脳症は症候学的には急速、
に進行する意識障害、眼球運動障害、失調性歩行が３徴候だ。

ウェルニッケ脳症では脳味噌、自体もボロボロになるので、ここまでしたら、社会復帰はとうてい無理だ。

ウェルニッケ脳症の病理学的所見には脳内の乳頭体、
第三脳室、中脳水道、第四脳室周囲の、
灰白質に出血巣ながある。

つまり、脳内のアチコチに多発性の脳出血が起こるから、恐ろしいよ。

ウェルニッケ脳症が疑わしい症状が一つ見られたら、
迷うことなく、すぐさまサイアミン（ビタミンＢ１）の、
静脈注射をする。

意識障害が改善するか、症状が固定するまで、
ビタミンＢ１の、静脈注射を続け、
その後も、ビタミンＢ１の内服を、
１〜２ケ月間は継続するのがよい。

最近ではウェルニッケ脳症の早期診断、早期治療により、
後遺症を残す患者は減少する傾向しているが、
それでもまだ、50〜80％の症例で、コルサコフ症候群に移行する例がある。

慢性アルコール中毒も、ウェルニッケ脳症にまで到達したら、
患者自身、家庭、社会、会社に多大な悪影響を及ぼす。

ウェルニッケ脳症みたいな惨めな状況になる前に、
家人や友人が忠告してあげようね！！！