2009年05月13日
職場不適応症はメンタルか?
職場不適応症とは?
現代社会では、ノルマの達成や対人関係など、
職場におけるストレスは増えるばかりである。
職場不適応症とは、職場における心理的ストレスに
関連した適応障害の総称だ。
個人の性格や特性(図太い人、繊細な人、個人の能力)と
職場環境の諸条件(仕事の内容、量、人間関係など)が、
適合しないため、様々な心身の不調を生じてくるものだ。
転勤や昇進、過労、新しい業務への配置換え、
人間関係の変化などからくるストレスが発症のきっかけになる。
多くは環境が変化してから1〜6か月後に発症する。
症状としては、軽症〜中等症の不安抑うつ状態がみられる。
典型例では、”頑張ろうとしても、朝起きられない”、
”出勤しようとすると動悸、冷や汗、体のこわばり”、
”手足のシビレ”などの不安、緊張感、焦燥感がみられる。
これらが高じると、やがて遅刻、無断欠勤、出社拒否へと
発展する場合も稀ではない。
また、”週末は気分がよいが、
月曜の朝は、ひどく憂うつな気分になる(月曜病)”、
”仕事以外の趣味には熱中できる”
というように抑うつ状態は仕事がらみでなければ体調もよい。
精神的には、大部分がうつ病、時にパニックと診断される。
その他、全般性不安障害、パニック障害、アルコール依存症、
双極性障害、統合失調症などの精神障害が含まれる場合もあるので、
安易に職場不適応症と診断するのは避けた方がよい。
最初は軽症うつ病であっても、適切な対応がされないと、
長引いたり、重症化することがあり、自殺に至る例もあるので、
たかが職場不適応症といって軽視してはいけない。
患者に対する対応は、うつ病の治療に準じて行う。
同時に職場の上司や同僚、
人事担当者とも対策を話し合う必要がある。
うつ病以外の精神障害が基礎にある場合は、
その病気の治療を優先する。
いずれにしても、精神科医、または心療内科医の介入が必要だ。
軽症者では、まず過剰なストレスにさらされているいることを
自覚してもらい、仕事を含めた自身のライフスタイルを点検させる。
より重症の者では、休職と薬物療法が絶対に必要だ。
休養中に疲労感や抑うつ感はかなり改善されても、
再度、復職しようとすると再び不安になることが多い。
職場不適応症は、職場における早期発見が重要だ。
最近では産業医が、職場のメンタルヘルス管理体制改善に、
配慮している会社も多い。
職場不適応症患者が出た場合、職場側の要因についても、
十分な検討する必要がある。
大企業では、社内の診療所または医務室に、
精神科医を置いている所もある。
私が最近、経験した何人かは職場不適応症から、
出社拒否になった人達であったが、いずれもプログラマーで、
ソフトの納期とバグの恐怖が原因であった。
彼らは、結局元の職場には復帰できなかったが、そのスキルを生かして、
特許事務所などに転勤して、スッカリ元気を取り戻した。
個人的な体験では、出社拒否症になる人はほとんどが、
有能な技能の持ち主である。
従って、再就職の機会は多い。
元の会社に復帰するより、思い切って転職した方が、立ち直りやすい。
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