2018年10月02日
呪われた中古車【怖い話】
車の免許を取れたのは良いけれど、車を買うお金が無い。
休みの度に、安い車を探して彷徨っていたら、
10回目ほど訪問していた中古屋さんに良い車があると言われました。
D社のM○Xという軽自動車で、
オーナーが10人くらい代わっているけれど、
凄く綺麗な状態。
走行距離も1万`以下で、求めていたMT車。
無事故との説明ではあったけれど、
お値段は車検1年+保険で7万円とのこと。
なんでこんなに安いのか聞くと、社長さん曰く
「オークションで数台車を買って、
展示スペースが無いから処分したい」
そんな事もあるのかと思い、自分の幸運を喜びながら即契約。
1週間後に取りに来るように、何度も何度も念を押されて、
2つ返事で了承しながら帰宅しました。
ところが、車を取りに行く直前、
先輩達の唐突な誘いで2泊3日の合宿が決定してしまい、
取りに行けないので納車して欲しいと伝えると、即答で拒否。
少しムッとしたけれど、忙しいのだろうと納得して、
3万円出すので納車して頂けないかと頼み込み、
何とか了承してもらった。
なぜかイヤイヤなのが、受話器越しにも良くわかりました。
合宿も終わり、
「帰ったら、ドライブしよう」
と約束して友人と駅で別れ、
弾む足取りで我が家へ、愛車の元へ。
家の前の駐車スペースに車が無い。
何処にも赤いM○Xが見当たらない。
(さては、弟が勝手に乗り回しているのでは?)
と無性に腹が立ってきて、
家に入るなり母親に車の所在を聞くと、凄く複雑な顔。
「警察も来たけれど、社長さん、
あんたの買った車の中で死んでいたそうだよ」
「帰ったら、警察に連絡するように言われてるから、連絡しな」
警察に連絡すると、出頭要請。で、出頭。
購入の詳しい経緯と、
社長さん死亡時のアリバイ等を何度も何度もしつこく聞いてくる。
さすがに不安になって来て『殺人』なのかと聞くと、
少し言いよどんでから『変死』との答。
結局、それ以上は聞きだせずに追い返されました。
人が死んだ車に乗る気は、さすがにしなかったので、
中古屋さんに連絡。解約手続きにいく。
事務所に着くと、喪服姿の女性が先にいて、
私の名前を聞くと、
「あんたが…」
と呟き、凄い目で私をジッとにらんでから、出て行った。
社長の奥さんだそうで…。
解約手続き中も、事務の人達がチラチラと私を見ている。
すごく嫌な感じ。
「では、外で新しい車を選びましょう。
いえ、同程度の車を、同じ値段で良いですよ」
と、事務の男性が唐突に言い、展示場に連れ出されました。
80万円以上の新古車が並ぶスペースまで来ると、
好きなのを選んで欲しいと言う。
戸惑っていると、男性は悲痛な顔で、
「ごめんなさい…本当にごめんなさい。
止め様としたのですが出来なかった」
先ほどから訳が解らずイライラしていたので、
車の陰に引き込んで、問い詰めるとトンデモない事を言い出した。
「あの車の所有者は、全員不幸になっているんです。
死んだのは今回で3人目と聞いています。
社長がどこから買ってきたのか解りませんが、
あの車がこの店に来て貴方を含め4人に売りました。
以前の3人は、病気と入院と自殺で、
車だけがココ戻ってきているんです」
「あの車、整備の為移動させようと乗り込むと、
私も凄く不安で気分が悪くなりました。
最初は、排気やクーラーガス、車内にやエンジン内に
薬物でも付いているのかと疑いましたが、全て正常でした。
社員達が何度も社長に『潰す』様に言ったのですが、
社長は聞き入れませんでした。
この不景気に首にされるわけにもいかず、
我々も強い事が言えなかったのです」
「あの車は、廃車手続きが終わりました。
警察の許可が出次第、我々の立会いの下、スクラップにします。
社長がいなくなって、やっと潰す事が出来るようになりました」
「さあ、社員一同からのお詫びの意味もありますので、
遠慮無しに好きな車を選んでください。
これなんかどうです?フル装備、新車同然。
ナビとカーステもサービスしますよ」
あまりに勝手な言い草に腹が立ちましたが、
展示車のM○Xにオプション装備でなんとか機嫌が直りました。
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