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2015年09月21日

湯神くんには友達がいない (少年サンデーコミックス)  佐倉 準

連休ということでTSUTAYAのレンタルコミックで大人借りしました。
30冊で1300円は安いですよね!

さて、この「湯神くんには友達がいない」は、主人公もヒロインも最近はやりの「コミュ障」という画期的な(?)漫画です。

お一人様コメディというキャッチコピーで人気になっているこの漫画、主人公の高校生「湯神くん」は合理主義・完璧主義的な考え方で行動し、そのせいで周囲とは噛み合わずに浮いている・・・という話です。
野球部のエースという少年漫画の王道な設定もあるのですが、それがあっても彼の性格ゆえに周囲からは白い目で見られ、「扱いづらい」「面倒くさい」ということで敬遠されています。

わ、分かる…
湯神の気持ちが分かる。

言っていることはとても真っ当なんですよね。
でも、それが周囲の「なんとなくそうだ」という空気とは全く噛み合わないため、周囲からは浮いてしまう。
でも正しい。

ちょっと自分のことを振り返れば、同じように、周囲の人間が考えることがよく分からずに「なんであんな話で盛り上がってるのかわからないなあ…」と人の和に溶け込めないことがよくありました。
そんなとき、湯神はあっさりと「人間関係は切り捨てている」と言い放ち、とても楽しそうにしている。
完璧な1日を過ごせたとニヤリて笑う表情が堪らない。


そうか、こういう生き方もあるんだなろうなという面白さ。
自分の悩みはなんてつまらないものだったんだ!という一つのモデルを見せてくれる新鮮さがあります。

それにしても主人公の湯神がよく作りこまれているなあ、と思います。
一歩間違えたらただの自己中心的な嫌なやつというレッテルを貼られかねないキャラですが、冒頭のシーンでヒロインに対する優しさを見せることで「優しい人」という第一印象を植え付けておき、後から「実はちょっと変わったやつ」という見せ方を付け加えていきます。

優しい人という印象とのギャップに引き込まれるとともに、根っこでは嫌なやつじゃないということが分かっているから、読者も腹を立てずに読むことが出来るのではないでしょうか。

また、落語が好きだというのもキャラとして幅が出ています。
何より「何にでも一生懸命」という姿はやっぱり基本的に共感してしまいますよね。これは少年漫画の王道だと思います。

嵌まったなあ。
これは面白いです!

あれ、待てよ。
最近嵌まった漫画で、週間少年サンデーの漫画が続いている・・・。
posted by 霧島もとみ at 2015年09月21日 | Comment(0) | TrackBack(0) | コミック
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他人との距離感をいつも遠く感じながら生きてきました。高校の体育祭のフィナーレでは、肩を抱き合って大はしゃぎする光景に「何でこんなに盛り上がれるんだろう・・・?」と全く共感できませんでした。共感できない自分が理解できず、いつも悩んでいます。そんな私でも面白いと思うことはこの世界に一杯あります。それが私の生きる糧でした。面白いことが増えていけば、よりたくさんの人が楽しく生きられるはず。そんな世界を夢見ています。
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