私たちが、認知症の症状と思っているのは、実は、行動・心理症状なのです。
そのもととなる中核症状とは、脳が病気になることが原因で、人間のもつ知的機能が低下し、自立した生活が困難となることです。
具体的な症状は。記憶力の低下、失語、実行機能の低下、理解力の低下などで、認知症の発症により、程度の差こそあれ、すべての人に起こる症状です。
この中核的な症状に、不安感、不快感、身体不調、ストレスなどが重なって、周辺の症状が出てきます。
具体的には、俳諧、暴言・暴力、幻覚症状などで、かつて介護者が、問題行動・迷惑行為と呼んでいたものです。
介護者にとっては問題で迷惑な行為なのですが、本人にとっては、意味があって行っている行動であり、言語にならないメッセージを伝える行動であるというように認識が変わっており、今では、行動・心理症状と言われています。
中核症状は、介護の力では軽減することはできません。進行を止める薬が開発されたとの話もありますが、そちらに期待するしかありません。
しかし、行動・心理症状は、心理的負担を与えず介護することで、おさえられると考えられています。
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