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2022年12月05日

渡辺徹さんの訃報で思い出すインタビュー記事

W杯の熱いニュースが日本を駆け巡っている中、先週悲しいニュースが流れた。
文学座の渡辺徹さんの訃報だ。

共演とまでは言えないけれど、
2012年TBSラジオ『ラジオドラマ 下町ロケット』で同じ作品に出演する機会があり、スタジオですれ違った事がある。
出番が終わり、ちょうど帰られるところだったから遠くからご挨拶する程度だったけれど、はつらつとした雰囲気をスタジオに残されていたのをよく覚えている。

もう一度、今度はちゃんと共演したかったけれど、その夢はもう叶わない。


僕は日頃、芸事のためになると思う言葉を見つけたらメモする。ネットニュースとかのインタビュー記事からメモする事も多いのだけれど、以前渡辺さんのインタビュー記事をメモっていた事を思い出した。
それは昨年書かれた下記の記事だ。

『デビュー40周年の渡辺徹 「自分は何者なのか」悩んだ過去』
https://www.news-postseven.com/archives/20210918_1691422.html?DETAIL

以下、インタビュー記事にあった一部分。


スランプに陥った渡辺は、文学座創立メンバーである杉村春子の元を訪ねた。自分の「柱」がわからなくなった、という悩みを打ち明けると、穏やかに話を聞いていた杉村は静かに「徹ちゃんは何がおやりになりたいの?」と問うた。渡辺が「舞台、俳優をやっていきたいです」と答えたところ、杉村はこう言ったという。「じゃあなんでもおやりなさい」――。
「すべて血となり肉となりますから、と。そのかわり、歌でもコントでも、自分は役者で“門外漢”だからこの程度、なんていうんだったらやめなさい。血にも肉にもならない。やるんだったら、上手でも下手でもいいから、100%の汗をかいて、一生懸命やってごらんなさい。そうしたら、全部自分に返ってくるからという言葉をいただいて。その時すぐ納得できたわけではないんだけど、杉村先生がそうおっしゃるならと、とりあえず一生懸命やれることをやろうという思いでやってきた、という感じです」
 杉村の言葉を「ああ、こういうことだったんだ」とわかるようになったのは、もしかするとつい最近かもしれない、と渡辺は言う。
「人って、自分の上手い・下手、向いている・向いてないで壁にぶつかるんだけど、そうじゃない。まずは一生懸命やってみると、おのずと道が拓けるんだなあと。
 人間の一生って、本当に一瞬。その一瞬をどう生きるか、という時、人の評判ばかり気にして生きるんじゃなくて、自分がやりたいように動いてみたい。人生100年時代っていいながら、実質使える人生は短いんだよね。だって、このご時世、本当に何があるかわからないでしょう? 死ぬ時に、まだまだ足りないかもしれないけど、『やりたいことやったなあ』と思って死にたい」

以上


僕は当時、この記事にとても勇気を頂いて「自分がやっている事は間違っていない」「やるしかない」「やり続けよう」と強く思う事が出来ました。

その当時は後半の「人間の一生って〜」からはメモしておらず、途中までしかメモしていなかったのだけれど、改めて読み返すと、この部分が今、とても心に響く。

だらだら過ごしている訳ではないけれど、他の多くの先人達も志半ばだった事を肝に銘じて活動していきたい。


心よりご冥福をお祈り申し上げます。

(埋もれてはいけない記事だと思い、リンクとコピペを貼らせて頂きました。ご了承の程、宜しくお願い申し上げます。)

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