ギターをやり始めたら、途端にベースの音が聞こえるようになったりする。
上京して役者を志してからというもの「アクセント」を凄く気にするようになった。
僕は比較的苦労する事なく所謂「標準語」を話せた。
だけれども細かくは分からなかったので、その都度先輩に注意して頂いたり、アクセント辞典を引いたりしていた。そのアクセント辞典に衝撃の変更があったというのが今回のお話。
辞典によって色んな表記がありますが、このブログでは下記の表記にして説明します。
雨は
__
アメ
飴は
__
アメ
日本語は高低アクセント。高いところに棒線を引きます。(次の音が下がるなどもありますが割愛します。)
以前、芝居で「熊」というセリフがあった。
この時、ちゃんと調べていた俳優が下記で発話した。
__
クマ
演出家から違うのではないかと指摘があったが、僕や他の俳優も調べた経験があり、上記が正しいとお答えした事がある。
ニュースでもアナウンサーは上記で発話していたりする。(個人差があります。)
この当時、殆どの方が頼りにしていたのは
「NHK日本語発音アクセント辞典新版」
改めて1998年版を調べると、
「熊、隈、暈」は
__
クマ
とある。
最近、ボイスレッスンをオンラインで受講し始めた事で日本語の仕組みへの勉強熱が再加熱した僕。図書館でアクセント辞典2冊と朗読に関する本を数冊借りた。
そして読み進めると衝撃の事実があったのでした!
「新明解日本語アクセント辞典 第2版」 (2014)
「隈、暈」は
__
クマ
「熊」は
__
クマ __
《新しいアクセントや名前はクマ》
とあり、
「NHK日本語発音アクセント新辞典」(2016)
「熊」も「隈」も目の下のくまも
__
クマ
とある。どちらも書いてある場合もあるけれど、これに至っては書かれていない。
今まで
______
「クマのプーさん」
が正しいと力説していた僕は何だったのか…。
新明解によるとまだ間違いにはなっていないけれども、ちょっと恥ずい。
以前先輩が「なんでも平板化している日本語はけしからん!」とよく言っていたけれど、気持ちがちょっと分かる。
しかし、言葉は変化し進化するもの。特に日本語はその時代に寄り添ってきた歴史がある。
「あたぼう」だって「小田急」だって昔は長い言葉だった。「恥ずい」も「恥ずかしい」を略しての現代語。略語の文化に沿った言葉なのかも。
尻上がりのアクセントも江戸っ子の名残なのかもしれない。
ただ役者として注意しないといけないのは、その芝居の時代はいつか?という事。
その時代に生きた役の人物がどのアクセントで話すのかをしっかり考えないといけない。
って事は昔のアクセント辞典と最新版のアクセント辞典を持っていないといけないのかもしれない。
役者稼業はやはり大変らしい。
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