仕込んで頂いた舞台に立ち、照明が入ると妙に居心地が良かった。いつもは空間が変わるとやりづらくなるのだけど、ソワソワする事なく、逆に落ち着いて演技する事が出来た。
色んな雑念が全くなくなる感覚。
これは劇場という空間がもたらすものだと思う。
そして僕が育った場所である、という事だと思った。
昨年末に立たせて頂いた下北沢楽園は目の前に二方向の客席がある小劇場。初体験で刺激的でその空間に馴染むのに時間がかかったが、今回のように舞台と客席が分かれた劇場空間は育った環境だからか妙に居心地が良い。
野外劇を主にされている女優さんに聞くと本番前にビールなどを販売して、お客様と触れあった後、団扇をあおいでいる観客の前で芝居をするのに慣れているのだと言う。
やはり育った場所というのは大きく関係するようだ。
劇団時代には旅公演で全国様々な劇場に立った。芝居専用の劇場は少なく大体は市民会館という公共施設。市民の発表の場として作られているから音楽には良くてもセリフに特化しているところはほぼない。そういうところでどうセリフを言うかどう動くかを勉強してきたのだけれど、座・高円寺の『1』という今回立っている空間は横幅があり、高さもある箱型の劇場。その空間でどう動くか、どう発話するかがとても鍵になる。
場当たり(照明、音響との絡みの確認)、ゲネプロ(舞台稽古、本番同様のリハーサル)をやりつつ微調整をしていった。
その調整もやっていて楽しく幸せな時間だった。
芝居の醍醐味とはこういうところにもあると思う。
公演は23日(日)まであります。
緊急事態宣言中ではありますが、感染予防対策をしておりますので、是非ご検討ください。
劇場でお待ちしております。
☆☆☆☆☆
座・高円寺 春の劇場03
日本劇作家協会プログラム
劇団チャリT企画 #33
「うちのばあちゃん、アクセルとブレーキ踏み間違えた」
作・演出:楢原拓(chari-T)
https://www.chari-t.com/pc/information.html
2021.5.16.(日)〜23(日)
座・高円寺1
▼チケット取扱い(梶野扱い)
https://ticket.corich.jp/apply/111246/007/
(開演3h前〜は劇団TEL 070-6450-4167)
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