5月23日(日)無事千穐楽を迎える事が出来ました。
緊急事態宣言延長の中、ご観劇頂いた皆様、本当にありがとうございました!
主宰の楢原さん、キャスト、スタッフ、公演に関わられた皆様、大変お世話になりました。ありがとうございました!
オーディションを経ての今回。
初めての父親役。そして初めての第一声でした。
野球で言うところの先発完投投手。僕が投げないと始まらない。そしてその最初の一球が今後を左右する。
今までは中継ぎ投手。それはそれで難しく野球同様違う技術が必要になる。
ピッチャーの例えばかりだけれど、気持ち的にはキャッチャーでした。自分がミスした時もあったけど、誰かがミスした時はカバーしようと、扇の要だと思って舞台上に立っていた。この重要なポジションをオーディションからのお付き合いで任せて頂き、とても光栄で、その期待になんとか応えようと思う日々でした。
共演者に聞くと僕が以前共演した方でオーディションに参加して出演に至らなかった方がいらしたそうで、他にも残念ながら今回ご縁がなかった方もいらっしゃるわけだから、この状況下で出演出来るこの幸福を忘れないようにした。
稽古期間に3度目の緊急事態宣言があり、予定していた稽古場が使えなくなるというアクシデントがあったけれど、劇団員さんが違うところを見つけて下さり、転々としながら稽古を続ける事が出来ました。
今回気付いたのは若い方の気持ちが手に取るように分かったという事。
古今亭志ん朝が父の志ん生に「おまえの考えてる事なんか手に取るように分かるヨ」と言われ「自分の通った道だから分かるンすな」とマクラで言っていたが僕もそうでどこに悩んでいるのか、何を思っているのか僕も分かるようになった。
キャストの皆さんとは同じ立場であり、演出家がダメ出しする事だから、気になっても言わないようにしているけれど、今回お節介がはみ出たのか本の読み方、声の出し方などアドバイスする機会が多かった。
普段は出来るだけ言わないようにしている。
長年の経験上正しいとは思うけれど間違いの可能性があるし、責任もとれない。
そして自分で悩み考える事であり、自分で答えを見つけるべき事であり、そこに大きな意義がある。出来なくて恥をかくというのも大切な経験。その後どう考えて克服するかがとても大切で残酷なようだが、傍観する事も大事だと思っている。
そしてプロの現場だから、各々が勉強してから来る場所である、という大前提があると思う。
だけど今回、父親役という事もあり色々共演者にお伝えした。しかし考える糸口を伝えるようにして全部を言わないよう気をつけた。全部「こうやったら?」とやってしまうと、それをなぞろうとするし、その人の個性が無くなる。言い方を教えるのも教わる方も楽だけど、その人の為にならない。
そして伝えた後に思いました。自分は出来ているのかと。だから言った後は大抵ミスった。
やはり落語界で言われる通り「教えるは教わる」らしい。
今回、芝居の構成上、僕の家族チームとネット民、ユーチューバーチームの二班に分かれての稽古が多かったが、家族の皆さんと色々アイディアを出し合って芝居を構築した。
僕は「自分がやりたい」事を作らないようにしているが、今回は特に本に書かれている事と演出の意向、要望、みんなの芝居の中でどうすれば成立するのかを考えて演技を構築していった。スタイルとしては受け身になるのかもしれない。父親役でセリフ量もあり、受けのセリフが多かったのもあったと思う。
やりたい事をやろうとすると自分の趣味に固執し、ダメ出しがあっても柔軟に対応出来ない。育ってきた経歴が目立つようになり自己主張が目につく演技になる可能性もある。
今回、妻役の石本径代さん、みっちょさんの存在がとても大きかった。
最終通し稽古の前に夫婦のあり方について、提案があり大幅に設定を見直してやった。結果殆どの言い方が変わった訳だけど、お互いの真剣勝負、新しい土台での演技のし易さを感じた。
どうやるか決めたところでやる芝居に長年慣れてきた僕にはとても大きな収穫だった。
今回上演した座・高円寺1という劇場は横幅と高さがある空間。そこでどう動けばいいか、どう声を出せばいいか課題になった訳だけど、公演中にもう少し空間を意識して発声する必要が出てきた。今までのリズム、テンポが変わる訳だけど、これまで劇団時代に旅公演先の様々な劇場でその空間を意識して声を出してきた経験がとても役に立った。
当時先輩に「劇場で声を出さなければダメだ」と教わり、新人に一度は僕も伝えていた。その中でロビーとかではなく劇場の舞台で声を出したのは数人だったけれど、僕はいつか役に立つと信じてやり続けた。
その経験値がどのくらい活きて客席に届いたのか分からないけれど、僕は地方の市民会館で育った役者なんだと今更ながら痛感し、以前呼んで頂いた全国の演劇鑑賞団体の皆様に感謝した。
芝居で分かるものだけど、改めてキャストの皆さんの声を聞くと声にも履歴経歴育ちが表れているように思った。
僕はこれからどんな声になっていくんだろう。
まだ千穐楽から数日で2週間経っていないから慎重に過ごさなければいけないが、千穐楽まで誰一人欠けることなく終わり本当に良かった。
様々な事があり生意気ながら色々言わせて頂いた事があったり、ご迷惑をおかけした事もありました。
受け止めて下さりました劇団チャリT企画様には感謝の思いでいっぱいです。
大変お世話になりました。
本当にありがとうございました。
今回のこの公演、なんと29日土曜日から配信でご覧頂く事が出来ます!
遠方でご覧頂けなかった皆様、是非この機会に僕の父親役を、僕の家族を、カンパニーの皆さんをご覧ください!
下記リンク先でお買い求め出来ます。
「うちのばあちゃん、アクセルとブレーキ踏み間違えた」☆配信チケット
https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=61380
支払方法選択後に「席種・券種 視聴券 梶野稔」がページ中央にあるので、そこで予約枚数を1にして次にお進みください。
是非とも、いや必ずお選びください♪
[視聴券販売期間]5月20日(木)19:00〜6月13日(日)22:00まで
※セブンーイレブン決済時の支払締切は6月13日(日)23:00です。
[配信期間]2021年5月29日(土)00:00〜6月27日(日)23:59
※上記配信期間中、お好きなタイミングでログイン後30日間(24時間×30日間)ご視聴いただけます。
視聴券:2,200円(税込)
※別途、サービス利用料198円がかかります。セブンイレブン決済の場合はさらに別途220円発券手数料がかかりますのでご注意ください。
ご検討の程、宜しくお願い申し上げます!
先日、NHKラジオでこの公演を紹介して下さり、ご観劇された篠井英介さんがInstagramにチラシをアップされていたので、御礼のコメントをさせて頂いたら「いいね」して下さり、フォローもして下さりました(涙)勿論速攻でフォローバックいたしましたm(_ _)m
このエールを胸にこれからも気を引き締めて頑張ります。いつか同じ現場でお会いする日を夢見て…。
今後ともご声援の程、宜しくお願い申し上げます!!
(スチール:鈴木 淳)
【次回出演情報】
永山健康ランド 竹取の湯
http://www.taketorinoyu.com
※追記(5/27)緊急事態宣言再延長の為、中止となりました。
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