なんとなく眺めていたら「ごめんなさいね〜」と割って入ってきたご婦人。
入念に賞味期限をチェックし手前の牛乳パックを脇によけて、一番奥の牛乳パックを引っ張り出し2本カゴに入れました。
期限が長い方がいいのは分かるけれど、ここまでくると入念というより執念を感じました。
その後レジに進むそのご婦人が店員さんに発した言葉に更に驚いた。
「重いから一本、戻しておいてくださる?」
皆さんならこの一連の流れをどう心の中で処理しますか?
身勝手、独りよがり、自分の事しか考えていない、他者の事を考えていない…などなど、そんな言葉が心に浮かびますでしょうか。(当然でしょ!という方もいらっしゃるかもしれませんが…。)
「人を変える事は出来ない」というのは大人社会を生きる上で必要な考え方だけれども、エンターテイメントというのは「人を変える」可能性を秘めていると思っています。
「食で身体の栄養は取れるけれど、心の栄養は取れない。だから芸術が必要」だと(そのような事を)美輪明宏さんが仰っていますが、(何かの本で読んだと思っていますが)だとしたらこのご婦人は心のビタミン剤不足、栄養不足なのかもしれません。
このご婦人が心震わす芝居を観ていたら、感動する絵画を観ていたら、圧巻のオーケストラや素晴らしい音楽を聴いていたら、こんな行動はなかったかもしれない。(いや、それはそれであったのかもしれないけれど…。)
ではビタミン剤を提供する側の演劇人、役者が自分勝手じゃないかと言うとそうではない人もいらっしゃるから、みんな心の栄養不足なのかも知れない。
僕が大リスペクトしている玉置浩二さんは「音楽、歌は愛だと思っているから」と仰っています。その発言に嘘がなく感じられて、このくらい純粋に普段から生きて芸事をやらないといけないんだと強く感じます。
やはり「愛こそはすべて」「All You Need Is Love」なのではないかと思うコロナ禍です。
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