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2021年01月18日

YOASOBI『夜に駆ける』を分析してみた。

昨年、紅白歌合戦に出演してから注目が集まっている男女ユニット、YOASOBI。
『夜に駆ける』が流行っている事は知っていたけど、ちゃんとは聴いていなくて紅白でパフォーマンスを見て、YouTubeでフルコーラス聴いてみました。

一言で言うと「中毒性のある楽曲」ではないでしょうか。
現代のJ-POPの王道を総まとめにしたような楽曲で聴く人を飽きさせない展開になっている。
どうなっているか僕が分析したのを言葉にすると…。

・サビ始まりだけど、ワンフレーズにして余韻を残してスタート。
・イントロは機会的で印象的な高速ピアノフレーズ。
・Aメロの伴奏はRチャンネルでエレキギターのバッキング、ベース、ドラムで始まり、Lチャンネルでエレキギターバッキング、ピアノ、コーラスと徐々に音数を増やしていく。
・バスドラムの4つ打ちビート。
・途中から2,4拍にハンドクラップでライブ感。
・サビ前や数カ所でブレイク。(伴奏をなくす)
・コード進行が|FM7 E7 |Am7 Gm7 C7|を中心に置いた超王道パターン。
・ラストは一度、調を半音下げて音数を減らしてスピード感を落とし切なくさせて、調を全音上げて音数最大にしてフィナーレ。
・LRに音を分散させたアレンジ。
・全体を通して切なくも口ずさみたくなる韻を踏んだ歌詞。
・それをラップのように早口に歌うフレーズ。
・2番は1番と同じ展開にせずに違うメロディーをどんどん足していく。
・ピアノ伴奏はアルペジエーター(和音を音楽ソフトで機会的に分散させるもの)を使用しているように見えるけど、繰り返しなどでも同じにしないで細かく展開を変えていく。

ネット上で再生回数が増えているのは特に最後の3つが大きいと思う。
2番のメロディーを1番の繰り返しにしても良い楽曲だけれども王道のコード進行を使っているから、伴奏を展開させても単調になる可能性がある。
楽曲作りの基本は1番と2番のメロディーを同じにして歌詞を作る、というのがある。覚えてもらう為に大切とされている(これがまた難しい)。
この基本であり王道を気持ちよくカッコ良く外している。

だからこの楽曲の良さは王道パターンの中でうまく外しているところだろう。

ここに中毒性があり、一回聴いただけでは消化出来ないからもう一度聴きたくなる。そして歌やピアノをコピーしたくなる。このやりたくなる感じ、一度では出来ない難しさも丁度いい。男の僕ですら繰り返し聴いて歌ったくらいだ。

YOASOBIさんの他の楽曲も数曲聴いたけど、このデビュー曲に相当力を入れた事が分かる。
音楽番組とかで「数曲分を一曲に纏めた楽曲」と言われていそう。そのくらいこの一曲に詰まっている。

歌、楽曲作りも本や演劇と同じで起承転結、序破急が必要でそれをうまく出来るかどうかにかかっている。
歌詞だけでなく音の足し算、引き算でドラマチックに出来るかどうか。
その点でもこの楽曲は優れている成功例の一つだろう。

この曲と似た僕の曲に『教えて、ニュートン』『蛍』があるけれど何が違うか考えてみるとサビ始まりだけど、全部にしている点。これを同じようにワンフレーズにするだけで余韻が残り、イントロがもっと爆発する。
後半展開を変えているけれども、『夜に駆ける』ほどではない。

ただ変わった作品ではなく、
王道の中でどう他と違いを見せるか。

僕の探求は続きます。
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