2023年01月17日
つるばら村のくるみさん (わくわくライブラリー) 単行本 – 2003/5/21
茂市 久美子 (著), 中村 悦子 (イラスト)
今日机の横の本を積んだところに一冊の童話が置いてあった。とっても綺麗な表紙で思わず手に取って読み始めた。そもそもパン屋のくるみさんが商売がうまくいかなくなってどうなってしまうのかと思って興味を持った。しかしお話の中で出てくる、たぬきのお母さんが作るプリンパン、天からやってきた若者がくれたアルコールの雲、台風を運んだ鹿にもらった岩塩、天狗の家で頂いた白樺のシロップ、鬼の子に食べさせてあげた黒豆あんぱんなど、どうしてこんなことが思いつくのかと感心してため息が出るほどだった。商売敵のパン屋さんが、やっぱりこの場所での商売は辞めると言って、くるみさんに会いに来た時、自分のお得意先のお客さんをくるみさんに紹介したのだった。その時くるみさんは、本当は身近のこんなにパンを愛してくれる人のために、自分がもっと目を開いていなければいけなかったと反省した箇所がある。今から17年前の随分昔の童話なのに、まるでアドラー心理学を応用した現代のビジネス書のように問題を主体的に捉えようとしてるところに驚きを覚えた。大人の読む小説はまるで受け付けない私に、神様が(妻を用いて)小学生からやり直してみてはと薦めてくれたのかもしれない。でもまるで初めて新世界交響曲を聴いたように、大きな世界に触れた喜びで満たされている。童話って本当に面白いと思う。そして人の心を幸せにする本当に素晴らしい財産だと思う。このことをしっかりと心に焼き付けるようにしばらく童話に浸ってみたいと思った。
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