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2020年07月20日

7月20日のFX自動売買ソフト M と W

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ピュアなV8ガソリンエンジンを積んだミドシップ・フェラーリは最後かもしれない


車名からマラネッロの近未来戦略を考察すると

『F8トリブート』という車名の意味を軽んじてはいけないんじゃないか。今回、このクルマを京都まで持ち帰ることになって、まず思ったことがそれだった。

ギャラリー:ピュアなV8ガソリンエンジンを積んだミドシップ・フェラーリは最後かもしれない


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Ferrari F8 TRIBUTO|フェラーリ F8トリブート

ボディサイズは全長4611×全幅1979×全高1206mm、ホイールベース2650mm。車両重量は1435kgと、さらに軽量化が図られている。価格は3245万円。
Rei.Hashimoto


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Ferrari F8 TRIBUTO|フェラーリ F8トリブート

バンパー開口部からボンネットへと空気を排出するS-Ductやブロウンリアスポイラーなど、F1由来のパーツを装着することでエアロダイナミクスをさらに向上させている。
Rei.Hashimoto


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Ferrari F8 TRIBUTO|フェラーリ F8トリブート

ステアリングやインパネ回りなど、インテリアはデザインが一新された。助手席の前にもタッチ式ディスプレイが備わっている。
Rei.Hashimoto


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Ferrari F8 TRIBUTO|フェラーリ F8トリブート

走行モードをセレクトできる“マネッティーノ”は、ステアリングに備わるこのスイッチで変更する。反対側にはエンジンスタートボタンが配されている。
Rei.Hashimoto


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Ferrari F8 TRIBUTO|フェラーリ F8トリブートRei.Hashimoto


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Ferrari F8 TRIBUTO|フェラーリ F8トリブート

国内では2019年6月に発表された、488GTBの後継となるV8ミドシップロードカー。V8エンジンは2016年から3年連続で「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」を受賞している。
Rei.Hashimoto


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Ferrari F8 TRIBUTO|フェラーリ F8トリブートRei.Hashimoto


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Ferrari F8 TRIBUTO|フェラーリ F8トリブート

リアミドに搭載される最高出力72ps/最大トルク770Nmを発生する3.9リッターV8ターボエンジン。0-100km/h加速2.9秒、最高速度は340km/hとされる。
Rei.Hashimoto


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Ferrari F8 TRIBUTO|フェラーリ F8トリブートRei.Hashimoto先に名前を吟味しておこう。F8とはフェラーリの8気筒ということだ。マラネッロがよく使うネーミング方法で、それはいい。問題はトリブートのほうだ。それ自体の意味は尊敬のこもった賛辞や称賛、である。アーチストが出すトリビュート・アルバムやトリビュート・ソングでよく耳にする。クルマの世界でも、マツダ・トリビュートはともかく、アバルトに以前『695トリブート・フェラーリ』という限定車があった。フェラーリに敬意を表したモデル、という意味合いだった。

そうすると、F8トリブートとは、フェラーリの8気筒に敬意を表するという、なんだか自分で自分を褒めちゃっている感じになって、ちょっとした違和感を覚えてしまう。それゆえ、深読みしたくなってしまうのだ。

73年にディーノ308GT4としてデビューしたマラネッロ初のV8ロードカー。なかでもF8トリブートには“V8ツインターボ”という同じ形式のエンジンを積んだF40(フェラーリ40周年記念モデルだった)へのオマージュさえ見て取れる。それゆえF8トリブートの意味は、公式的にはフェラーリの歴代V8モデルへのオマージュ、と言われているのだ。

もしそうなのだとすれば、ナゼ今になって、車名というカタチを取ってまで自らの歴代V8モデルへの称賛を大々的にアピール(これ以上効果的な方法はない)しなければならないのか?という新たな疑問が湧いてくる。


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Rei.Hashimoto合理的な結論がひとつある。もうこの世代でピュアなV8ガソリンエンジンを積んだミドシップロードカーは終わりを告げる、という可能性だ。

あながち突拍子もない想像でないことは、もう1台のミドシップV8モデル、SF90ストラダーレの立ち位置を考えてみればよく分かる。SF=スクーデリアフェラーリ、つまりはマラネッロビジネスの根幹であるフェラーリ・レーシングチームの90周年を祝ったストラダーレ=ロードカーであり、シリーズカーだ(限定車ではないということ。これ大事)。ミドに積まれているのはV8ツインターボエンジンで、3個の電気モーターを加えて1000psを発揮するハイブリッドスーパーカーである。そんなSF90が、長年マラネッロのフラッグシップモデルとして崇められてきたV12エンジンをフロントに積む2シーターモデルよりも(価格的に)“格上”とされたのだ。

マラネッロはV8ターボ&ハイブリッドを伝統のV12自然吸気よりも上に置いた。いまだかつてV8がV12の格上だったことなど、シリーズモデルではなかった(F40は限定車)。その意味するところを素直に受け止めたなら、こうなる。

これからはV8ハイブリッドがV12に変わるフラッグシップユニットになる、と。おそらくV12はラ・フェラーリのようなン億円のスペチアーレ用としていっそうハイブリッド化を進めたうえで残されることだろう。12気筒エンジンはマラネッロの魂でもあるからだ。けれども、シリーズモデルでは排ガスや騒音などの対策を今よりも徹底するべく、最上級でもV8となる可能性が高い。そのとき、現在のV8モデルは発展的にダウンサイズするほかなくなる。F8トリブートには、“締めくくり”という意味が込められたのではなかったか?

F8トリブートおよびスパイダー、そしてFRのローマおよびポルトフィーノの改良版で、メインシリーズとしてのV8エンジン搭載モデルが終わる可能性が高い。残ったとしてもそれは価格的に現在の12気筒モデル以上。気軽にはもう乗れない(12気筒はさらに! )。ほとんど同時に現れた2台のミドシップモデル、F8トリビュートとSF90ストラダーレから紐解いた、それがマラネッロの近未来戦略ではあるまいか。


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Rei.Hashimoto
その仕立ては毎日乗って楽しいスーパーカー

鬼を笑かしてばかりいても仕方ないので、今はまだ、V8ツインターボをミドに積むメインモデルシリーズの最新版としてのF8トリブートに注目しておこう。

F8トリブートは458イタリア、488GTBの系譜に列なっている。厳密にはフルモデルチェンジとはいえない。従来なら2世代ごとに、例えば360モデナとF430がそうであったように、プラットフォームを一新するのがマラネッロの常だった。ところが驚いたことに今回はもうひと世代使うことにした。そこにもV8シリーズ戦略の見直しのありか=時間稼ぎ、を感じるが、それはさておく。

なるほど全体のシルエットや、特にフロントスクリーンまわりは458や488と共通する。とはいえディテールが違う。エアロダイナミクスが大胆に改められた。

F154型V8エンジンは488ピスタ用と同じ最高出力720psを得た。それは多分にライバル、マクラーレン720Sを意識したものだろう。ピスタ開発で得た知見をもとにパワートレーンやシャシー制御を進化させた、とはいうものの、トラック性能を第一義としたピスタとはキャラクターが異なる。F8トリビュートは、毎日乗って楽しいスーパーカー。快適性とスポーツ性能とのバランスを高次元で計っているのだ。

Ferrari F8 TRIBUTO|フェラーリ F8トリブート

ボディサイズは全長4611×全幅1979×全高1206mm、ホイールベース2650mm。車両重量は1435kgと、さらに軽量化が図られている。価格は3245万円。
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Rei.Hashimoto文・西川 淳 写真・橋本玲 編集・iconic




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