2021年08月27日
【映画感想】戦場にかける橋
「戦場にかける橋」
正式名称「THE BRIDGE ON THE RIVER KWAI」
1957年/アメリカ
[キャスト]
ニコルソン隊長(大佐)・・・アレック・ギネス
斎藤大佐・・・早川雪洲
ウォーデン少佐・・・ジャック・ホーキンス
シアーズ・・・ウィリアム・ホールデン
軍医クリプトン・・・ジェームズ・ドナルド
1943年第二次世界大戦下のビルマ。日本軍の斉藤大佐を長とする捕虜収容所に、ニコルソン大佐率いる英軍捕虜が送られてきた。鉄道建設を急ぐ斉藤大佐は、米軍のシアーズとともに建設現場で働くことを彼らに命令。
工事は進み着々と橋は完成に近づくが、ちょうどその頃、同じ英軍の手によって橋の爆破工作が進められていた・・・。
戦下における人間の尊厳や誇りを見事に描き、戦争のむごさを強く訴えた問題作。
感想
映画「この世界の片隅に」を視聴したら、無性に「昔の戦争映画」を観たくなりました。
>>【映画感想】この世界の片隅に
昭和の頃に作られた映画の方が、時代を感じられる気がするんですよね。
この『戦場にかける橋」は、子供の頃に何度か観ているはずです。わりと繰り返し放送される映画の一つだったので。
だけど、あの頃は両親につきあって、ただ隣に座ってただけなんだなぁ〜と、今回視聴してつくづく思いました。
ストーリーも映像も、記憶にある部分が1ミリあるかどうか…。せいぜい口笛を吹きながら行進する場面を覚えている程度で、それすら映画の中でみたのか、なにか別の番組で目にしただけなのかも定かではないです。
たとえ覚えていたとしても、実際には本編162分の映画をテレビ放映では120分程度に編集していたはずなので、カットされた部分も多いはず。
今回、何気なく思い立って視聴したけれど、我ながら「良くやった」と褒めてあげたい。
この映画のことを、長らく「日本軍が建設している橋をアメリカ軍が爆破する物語」という、単純な「ミッション系」の映画だと思ってました。
それが、ここまで深く戦争の虚しさや、三者三様の人物像に迫る内容だったとは思いもよらないものでした。
2時間半以上の長い映画なのに、全く長さを感じさせない展開になっていました。テレビ放映でカットされたとすれば、橋の爆破任務を負った一行がジャングルを進むあたりでしょうか?
今となっては、どこにもカットしていい余地なんてないように感じますが、むしろどうカットしていたのかを観てみたいくらいです。
最後の最後まで観て。
最後のシーンまでに積み重ねた登場人物たちの必死な思いを見届けて、最後の最後に晴れ晴れとしたスタートを迎えたその日の出来事。
余計に残酷に映ります。
軍医のクリプトンが、「madness!」を繰り返す場面があります。
私が観た映像の字幕では、3回繰り返されたこの単語を「バカな!」「バカな!」「信じられない!」と訳していましたが、「madness」そのものには「狂気、愚行、狂気の沙汰」というような意味があります。
madness=狂気
言い換えれば、戦争こそ狂気。
最後の数分は、その「狂気」を伝えるには十分な内容でした。
こうして、長く名画と言われ続けている理由をようやく理解した鑑賞会でした。
ちょっとしたギモン
◆ ニコルソン達将校が集まって、日本軍の鉄道工事をいかにもヘボ工事のように言ってる場面があり、その前提でイギリス軍指揮の下で工事が行われたというのがこの映画ですが、日本はもともと鉄道工事の実績はあったはずで、あんな風に言われる筋合いは無いよね…と。
◆ ジャングルを進むウォーデン一行が休憩中に日本兵と遭遇します。その場は切り抜けているのですが、これも変な話ですよね。小隊から連絡が来なくなれば本隊ですぐに異変を感じるはず。何事もなく陽気にパーティーどころじゃないだろ、オイ、、、と。
◆ 橋と同時に爆破する予定だった汽車ですが、あの汽車には大勢の兵士が乗っているのがなんとなく見えていましたが、あれは前夜にニコルソンが言っていた負傷兵達だったとしたら、イギリス軍が仲間の負傷兵を…ってことになりますよね。となると、ニコルソンに矛盾があるのと同じようにウォーデンの行動にも矛盾が。。。
あまりにも有名な「口笛」の曲
捕虜となっているイギリス軍の兵士たちが行進する時、、、と言っても、最初の最初でした。
クワイ河マーチ(The Bridge on The River Kwai) 名曲ですよね。
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