2019年08月29日
GPIFは優等生?ポートフォリオ構成次第で成績は変化する。
日本で最大の資産運用に特化した組織である年金積立金管理運用独立行政法人(以下「GPIF」という。)は、厚生労働大臣から年金積立金の寄託を受けて、債権や株式等に分散投資を行っている。
彼らのポートフォリオに対する考え方は、市場動向は短期的にはボラティリティが大きくなるが、その変化を予測して資産の構成割合を変化させるアプローチより、資産の構成割合を定め、それに基づいた運用を行うことがリスクを最小限に抑制できると判断している。
そんな中、2014年10月31日に財政検証の結果を踏まえて、その基本ポートフォリオの見直しが行われ、現在もそのポートフォリオの割合は下記の内訳で維持されてきた。
◇現在のポートフォリオ(()内は乖離許容範囲)
国内債券35%(±10%)
国内株式25%(±9%)
外国債券15%(±4%)
外国株式25%(±8%)
2018年度のGPIF運用収支は、収益率が1.52%であった。厚生労働省で自主運用を開始したのが2001年度以降であり、年率換算で平均3.03%の収益率となっている。損失発生やポートフォリオ見直し後の収益等について否定的にマスコミに叩かれることが多いが、実態はプラス圏で運用が今も継続している。私達個人投資家は、曇りなき眼で真実を見よう。
GPIFの最近の動向を注意深く見てみると、2017年度に国内株式を対象にして、ESG総合指数を2つ、女性活躍指数を1つを選定し、パッシブ運用を開始。同時期に、ファンド・オブ・ファンズを通じて、国内外へのインフラや不動産へ積極的に投資をしている。また、2018年度には、国内外の株式を対象とする環境株価指数を選定し、指数に基づくパッシブ運用を開始している。これらの契機となったのは、当時流行っていた日本版スチュワードシップ・コードをGPIFが2014年に受け入れを表明したことが大きな転換となった。彼らは、投資先への議決権行使などの働きかけを積極的に行うことが、中長期的な投資のリターンに繋がると考えている。
内外の機関投資家で組み込まれている資産の1つに、オルタナティブ投資がある。GPIFにおいても例外ではなく、2020年度までの中期計画では、資産全体の5%を上限に投資が認められている。オルタナティブ資産(インフラ、プライベートエクイティ、不動産)は、流動性が低い特性があるものの、それに応じたプレミアムが付加されている。リスク・リターンの特性が異なる資産をポートフォリオに組み入れることは、中長期の投資を行う者にとっては欠かせない。ちなみに、プライベートエクイティ案件としては、過去にオーナーズブックで秋葉原の物件が募集された時期があり、個人投資家にとっても身近な存在となってきただけに、昨今のマネオを始めとした事業者に起因する不祥事は残念であった。
なお、2017年9月の政令改正により、GPIFの新たな運用対象となる有価証券に、リミテッドパートナーシップが追加されるなど、今後も暫くは積極的に運用が続けられるだろう。
結果が伴わない個人投資家は、GPIFのポートフォリオを参考にするだけでも、少しは改善できるかもしれない。何に投資をするかよりも、「資産の構成割合」が後の結果に大きく影響することの方が大きいと、これまでのGPIFの動きを見て感じました(・ω・)♪
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彼らのポートフォリオに対する考え方は、市場動向は短期的にはボラティリティが大きくなるが、その変化を予測して資産の構成割合を変化させるアプローチより、資産の構成割合を定め、それに基づいた運用を行うことがリスクを最小限に抑制できると判断している。
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国内債券35%(±10%)
国内株式25%(±9%)
外国債券15%(±4%)
外国株式25%(±8%)
2018年度のGPIF運用収支は、収益率が1.52%であった。厚生労働省で自主運用を開始したのが2001年度以降であり、年率換算で平均3.03%の収益率となっている。損失発生やポートフォリオ見直し後の収益等について否定的にマスコミに叩かれることが多いが、実態はプラス圏で運用が今も継続している。私達個人投資家は、曇りなき眼で真実を見よう。
GPIFの最近の動向を注意深く見てみると、2017年度に国内株式を対象にして、ESG総合指数を2つ、女性活躍指数を1つを選定し、パッシブ運用を開始。同時期に、ファンド・オブ・ファンズを通じて、国内外へのインフラや不動産へ積極的に投資をしている。また、2018年度には、国内外の株式を対象とする環境株価指数を選定し、指数に基づくパッシブ運用を開始している。これらの契機となったのは、当時流行っていた日本版スチュワードシップ・コードをGPIFが2014年に受け入れを表明したことが大きな転換となった。彼らは、投資先への議決権行使などの働きかけを積極的に行うことが、中長期的な投資のリターンに繋がると考えている。
内外の機関投資家で組み込まれている資産の1つに、オルタナティブ投資がある。GPIFにおいても例外ではなく、2020年度までの中期計画では、資産全体の5%を上限に投資が認められている。オルタナティブ資産(インフラ、プライベートエクイティ、不動産)は、流動性が低い特性があるものの、それに応じたプレミアムが付加されている。リスク・リターンの特性が異なる資産をポートフォリオに組み入れることは、中長期の投資を行う者にとっては欠かせない。ちなみに、プライベートエクイティ案件としては、過去にオーナーズブックで秋葉原の物件が募集された時期があり、個人投資家にとっても身近な存在となってきただけに、昨今のマネオを始めとした事業者に起因する不祥事は残念であった。
なお、2017年9月の政令改正により、GPIFの新たな運用対象となる有価証券に、リミテッドパートナーシップが追加されるなど、今後も暫くは積極的に運用が続けられるだろう。
結果が伴わない個人投資家は、GPIFのポートフォリオを参考にするだけでも、少しは改善できるかもしれない。何に投資をするかよりも、「資産の構成割合」が後の結果に大きく影響することの方が大きいと、これまでのGPIFの動きを見て感じました(・ω・)♪
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