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2019年03月02日

子供は親の鏡である。 〜子育てする親がすること〜

現場経験が豊富な先生がこんなことを提唱している。

わが子の「考える力」を奪う親たち、その意外過ぎる共通点

名門小学校の副校長が教える

田中 博史 筑波大学附属小学校副校長

お母さん、あなたの負けですよ
夏休みの旅行中、周りを見渡すとたくさんの親子連れ。楽しそうな旅の最中なのに、子どもが泣きべそをかいていた。どうやら親子喧嘩勃発のよう。

漏れ聞こえてくる子どもの言い分は「ぼくは聞いていない」「そんなの初めて知った」「ぼくはやりたくない」という言葉。どうやら親子で行うイベントを親が勝手に申し込んだことが原因のよう。小学校の低学年の男の子だった。

傍で聞いていると、この男の子の言い分の方が筋が通っていて、私は心の中で(お母さん、あなたの負けですよ 笑)と言いたくなるが、まあそこは突然変なおじさんが乱入しても仕方ないので知らん顔。すこしして、実はすぐそばに父親もいたことに気がついた。さわらぬ神にたたりなしを決め込んでいる。まあ、これはこれで賢いのか。どちらの味方をしても禍根を残すと判断したらしい……。 

でもスマホをいじりながら事態がおさまるのを待っている父親の表情は、明らかに画面には目は注いでいない。健気なお父さん、頑張れ。応援したくなる。

こうした光景、皆さんの周りにでもたくさん起きているのではないか。


子どもの「考えたい」という気持ち
私は、この原因は、子どもたちが小さくても既に「自分で考える生き物」だということを、親が認識するのが少し遅いからだと思っている。

彼らは体は小さくてももうりっぱなひとりの人間。逆に言うと、彼らは本当は最初は自分で「考えたい」のだ。

しかし、日々、すべてを先に決められてしまう生活を繰り返していると次第に他に頼るようになってしまう。プリントやワークシートの試験問題などの時だけ考えさせようとするけど、そうはいかない。

他の人に決めてもらう方が楽な時間をたくさん過ごしていた子どもは、こうしたテストのような問題の時にも、自分で決めないですぐに他の誰かを頼るようになる。

頭ではわかっているのに、できない親たち

さて、そう考えて、先ほどの親子喧嘩の原因を見てみると、せめて参加するイベントぐらい子どもと話し合って決めてもよかったことがわかる。でも、このぐらいのことはみんな頭ではわかっている。だけどなぜできないのだろう。

実は、大人の価値観と子どもの価値観がまだ一致していないことが、こうした判断のずれを生む。

親はよかれと思って環境づくりにせっせと励むのだけど、子どもにとっては何でも勝手に決めてしまう大人と映っていて、素直に従えないでいる。大人の動きが一歩速いことが原因。

これは学校でも同じ。

担任の先生がいつも説明調になってしまうクラスは、子どもたちはいつも自分たちで決められないでいてストレスがたまる。次第に受け身になり覇気のないクラス集団になる。
担任はその原因を子どものせいにするが、実はそうではない。この悪循環は、もしかしたら職場でも同じだろう。

決めさせること、選ばせること

親子関係に話題を戻そう。

先の親子の例は特別かもしれないが、たとえば次のようなことは、書店に行くと必ず出会う光景。子どもが本を買ってくれと親にせがむ。でも親が読ませたいコーナーには子どもは興味を持ってくれなくて、読ませたくないものばかりに目が向いてしまい。「そんなのたくさん持っているでしょ」の一言でまたまた喧嘩の原因をつくる。

どうだろう。これなら皆さん覚えがあるに違いない。少し焦らないで、子どもの価値観が親に近づくのを待ってみたらどうだろう。いやそもそも高度な本や問題集にあせって出会わせなくても、考える子に育つ環境づくりはもっと身近なところにちゃんとあると思ってほしい。

まずは日々の手伝いやお出かけの時の小さなことで、子どもたちに試しに「決めさせてみよう」「選ばせてみよう」。

たとえばお出かけの時。

丁寧な親は靴まですべてそろえてしまっていないだろうか。

たまにはいじわるして、とってもいい天気なのに長靴を置いてみたりする
我が子がどのように動くか少し離れて観察してみると面白い。
もしも、何も疑わず長靴をはいて天気のいい日にでかけていったとしたら、少し我が子への接し方を見つめなおした方がいいかもしれない。
これではどんなにペーパーテストでいい点がとれる子だったとしても生きる力としては課題が残る。


身に覚えがあるので、心が痛い。

身の回りに子育ての教材はいくらでもある

我が子が考える子になるように日常の接し方をこうして少しずつ変えていくことができたら子どもが知的に動けるようになる。

プリントやワーク問題を面白がって解く子どもはこの次のステップにいる。逆にプリントやワーク問題をいくら得意気にさくさく解いても生活力のない子のままでは社会に出て役に立たない。そんな張りぼての様な知識をあわてて詰め込まなくても、毎日のバランスの良い子どもとの接し方の中で子どもの考える力はちゃんとつく。

大切なのは、その子の傍に一番長くいる大人自身のバランス感覚かもしれない



「子供は親の鏡」と言うのは、このことである。
親のバランス感覚が未熟では、子供に対する対応も間違うのだ。

自分の子が可愛ければ、子供に考えさせる機会を設け
共に成長するくらいの心構えが必要なのであろう。


子育て中の皆さん、頑張りましょう!


これを実践しているNPOがあります。
いつも紹介している「カタリバ」です。

一度、HPを覗いて見て下さい。 すんごいですよ。


|高校生の心に、火を灯す授業|キャリア学習プログラム「カタリ場」

「カタリ場」とは、主に高校生の将来への可能性を引き出し、将来への行動へと動機付けることを目的とした、キャリア学習プログラムです。
授業を行うのは、大学生を中心としたボランティア・スタッフです。
利害関係のある“親”でも“先生”でもない、毎日付き合う“友達”でもない、少し年上の「先輩」だから、高校生たちも本音を話しやすいのです。
このような「ナナメの関係」によって生まれる“憧れ”や“刺激”、
そして対話のなかで引き出される“自己理解”や“意欲”を最大限活用するため、
カタリ場の授業は、「座談会」「先輩の話」「約束」の主に3つのパートで構成されています。
「座談会」では、生徒にスタッフが質問していくことで、生徒が好きなこと、嫌いなことを言語化するとともに、未来の夢や漠然とした不安などを引き出していきます。生徒の自己理解を促します。
「先輩の話」では、スタッフ数名が、「部活」「進路」「友人関係」などのテーマで、紙芝居形式のプレゼンテーションを行うので、高校生は興味のある話を聞きにいきます。内容は、今打ち込んでいることや夢、進路選びの失敗談や、高校生のときの失敗談や自分への後悔などさまざま。
「約束」では、これまで見つけた憧れや、見えてきた自分の興味関心などを行動につなげるために、今日からできる小さな行動をカードに書き込みます。
スタッフと「約束」をすることで、授業の興奮を日常生活につなげます。




           BY いいとこどり

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