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定期保険は固定観念を捨てて思考を柔軟に

 定期保険は「保険料が高くなる!」という悪のレッテルが付けられている気がします。これは売り手(保険会社)が植え付けた固定観念だと思っています。一時期問題となった「定期付終身保険」から新たな保険に切り替えさせるのに使った売り手の話法です。「定期保険っていうのはずっと保障が続くわけではなく、また更新する度に保険料があがっていく」と。確かにこの話は嘘ではありません。「定期付終身保険」を加入するときの顧客の気持ちを素直に受け止めれば、正しい回答だと思います。この話が拡大解釈されたのか、なぜか「定期保険は掛け捨てで、かつ更新する度に保険料があがる…」という負のレッテルが貼られた気がしています。

 でも、定期保険というのは、見方を変えればとても良い保険です。自動更新時の定期保険の固定観念を払拭して、定期保険が最大限に活用できるようにしていただきたいと思います。

 定期保険の自動更新時には、保険金額を一定にしなければ行けないという決まりはありません。保険料が高いと思えば保険金額を下げる(減額する)事をすれば良いのです。でも保険金額が下がるならもったいないなぁ・・・と感じた人は、収入保障保険を比較すると良いです。収入保障保険は、保険料が一定で日数が経過するにつれて保険金額が減少(減額)している保険です。収入保障保険はある決まった日まで毎月同じ額を支払うという保険です。保険金総額は「毎月の保険金額×決まった日まで残り日数」となるため、被保険者が若いときに不幸があれば、保険金額の支払総額は高額で、「決まった日」間近で不幸が合った場合は、保険金総額は少額になります。実は定期保険もこれと同じ事を契約者の意志で行う事が可能です。

 以下はオリックス生命の定期保険(ファインセーブ)で具体的にどうなるか示したものです。前者が通常の「保険金額一定の場合」、後者が「保険料が(ほぼ)一定の場合」です。前者はほとんどの人の固定観念の通り、10年毎の自動更新時に保険料があがっていきます。30歳の時の保険料と比べて50歳の時は約3.5倍の保険料を払う事になります。

 後者は固定観念を払拭した場合です。10年毎の自動更新と共に「減額」を行います。そうすると30歳時の保険料で保険金額3,000万だったものが40歳で1,700万円、50歳で800万円(当初の1/4程度)となっています。これを収入保障と同じで、時間が経過する毎に保険金額が減っていく保険とみなす事ができます。収入保障保険のうたい文句は、「必要保障額は年を取るにつれて減少する」だから収入保障保険は必要保障と保険金額がマッチしやすいというものです。それを意識すれば定期保険も自分で減額していけば特に「保険料の高い」保険ではないという事がわかります。

<保険料の算出方法>
 ・オリックス生命のファインセーブ(無配当解約返戻金抑制型定期保険)
 ・2009年3月時点の保険料率
 ・性別は男性
 ・保険期間は10年

■保険金額一定の場合
 ・保険金額が3,000万円で一定とした場合、保険料はどうなるか
契約年齢 保険金額 保険料(月額) 保険料増加率
30歳 3,000万円 4,920円 -
40歳 3,000万円 8,370円 170%
50歳 3,000万円 17,280円 351%


■保険料一定の場合
 ・保険料が5,000円前後でほぼ一定とした場合、保障額はどうなるか
契約年齢 保険金額 保険料(月額) 保険金減少率
30歳 3,000万円 4,920円 -
40歳 1,700万円 5,066円 57%
50歳 800万円 4,768円 27%

但し、保険料は現時点の保険料率で計算してみます。実際の保険料は10年後、20年後の保険料率で決定するという点は注意が必要です。つまり将来の保険金額が自動更新するまで確定出来ないというデメリットは存在しています。




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