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2017年04月09日
ラマルク『動物哲学』
さて、いよいよ進化論の考察に入っていきます。
進化論と言えば、ほとんどの人がチャールズ・ダーウィンを思い浮かべるでしょう。自然選択を骨子とするダーウィンの進化論はネオ・ダーウィニズムとして受け継がれ、現代の進化学説の主要潮流になっています。
しかし、進化を語るうえでどうしても忘れてはならない人物がいます。
それが、このジャン=バティスト・ラマルクです。
ラマルクはダーウィンの『種の起源』に先立つこと50年、『動物哲学』の中で、初めて進化の概念を打ち出しました。
当時、「それぞれの種はそれぞれ別々に創造された」と考えられていました。そんな常識がまかり通っている中、「生物は変遷する」ということを見出したラマルクの観察眼と思考力は、驚異的という他ありません。
さらにラマルクの慧眼は、人間をも含む哺乳類が海から誕生したということまでも、見抜いていたようです。今でさえ、「人間の祖先は大昔は魚だった」と言うと、びっくりする人が少なくないのに。
全ての生物は長い歴史の中で繋がっている。
この事実にこの世で初めて思い至ったという点だけでも、ラマルクの名前は世間からもっと尊敬されるべきでしょう。
ラマルクといえば、誤った進化論を提唱した人として、認知されています。しかしこの本を読むと、その点についても彼を擁護できることが分かります。
詳細については今回は割愛しますが、『動物哲学』は進化を考える上で外せないということを分かっていただければ、この記事の目的は達成されことになります。