2017年01月06日
衝動篇〈赤ずきん〉三章
一節
道端で、すやすや眠るいばら姫。
そこに赤ずきんが通りがかった。
すやすや、すやすや。
求める眠りに包まれて、
幸せそうないばら姫。
それを見ていた赤ずきん。
にっこり
笑みを浮かべると、
さも当然というように
いばら姫に
殴りかかった。
眠りたい人と遊びたい人が
偶然一緒になった場合、
損をするのはどちらなの?
Normal
- 【 いばら姫 】きゃあっ!?いきなり何!?
- 【 赤ずきん 】ねてるから殺そうかなって。
- 【 いばら姫 】ね、寝てるだけで殺すのー!?
- 【 ギシン 】アー、じゃれ合ってるソコのお2人サン?
- 【 アンキ 】今の騒ぎで、敵が来ちゃっタヨ!?
Hard
- 【 ギシン 】いばら姫と赤ずきん。なんて可愛いコンビ!
- 【 アンキ 】なんてギスギスしたコンビ!
- 【 ギシン 】いばら姫にはチョウド良い?
- 【 アンキ 】眠ろうとスルとコロされるカラね。
- 【 ギシン 】ナルホドナルホド。
- 【 アンキ 】しばし様子ヲ見てみまショウ。
二節
赤ずきん。信じられない野蛮人!
私はただ永久に安らかに
眠りたいだけなのに、
何故あの人は邪魔をするの?
三節
へんな人。
とわにやすらかに眠るのは
死ぬのとなにが違うのですか?
四節
あの子が怖くて眠れない。
うとうとしたら、
すぐに首を持って行かれそう。
五節
あの人がねむたそうにしてるから、
ボクはねむらせてあげようとしている
だけなんです。
六節
寝てはいけない。
眠ったら、あの子が……
……眠っちゃ……だめ……
七節
ねむるのが大好きないばら姫。
その心臓を止めてしまえば、
えいえんにねむれるのにね?
八節
……眠い、寝たい。
…………違うの。
眠るのと……死ぬのは……
九節
すやすやと寝息がきこえます。
とってもしあわせそうないばら姫。
だからボクは――殺さなきゃ。
十節:前半
眠りたいけど眠れない
いばら姫。
殺してあげたいのに
殺させてもらえない赤ずきん。
死と眠りは違うのだと、
寝ぼけ眼で話すいばら姫。
死と眠りは同じだと、
首を傾げる赤ずきん。
相性最悪
分かりえない2人を狙い、
ナイトメアが飛び出した。
安らかに眠りたいという言葉。
それは死を望むの?
それとも、単に眠りたいのでしょう?
Normal
- 【 いばら姫 】こいつを倒したらあなたとは終わり!
- 【 赤ずきん 】おわり?いばら姫は死ぬのですか?
- 【 いばら姫 】ううう……違うから〜!
Hard
- 【 ギシン 】二人の相性は最悪ダケど。
- 【 アンキ 】コンビ的には相性いいデス。
- 【 ギシン 】デモ残念。そろそろいばら姫が限界ダ。
- 【 アンキ 】赤ずきんはちょっぴり可哀想デスね。
十節:後半
ナイトメアの死体を貫いて、
いばら姫は逃げ去るように
赤ずきんの前から姿を消した。
1人残った赤ずきん。
もう少し一緒に
遊んでみたかったと
少し寂しげな顔で呟いた。
静寂を求める睡眠と
嵐を求める暴力は
きっと永遠に分かりあえぬまま。
遊びたいという欲望で、
眠りたい人の邪魔をしてはいけません。
そんなことをしてるから、
さっさと逃げられてしまうのです。
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