2017年01月06日
衝動篇〈赤ずきん〉四章
一節
遊び相手に逃げられて、
赤ずきんはとぼとぼ歩きだす。
とっても楽しい遊びを
知っているのに、
みんなみんな
逃げてしまうのです。
寂しい寂しい赤ずきん。
ああ、お願いです。
誰か彼女と
遊んであげて?
遊び方を知らない子供は爪弾き。
そんなの当然。
だって、誰も怪我をしたくないものね!
Normal
- 【 赤ずきん 】つまらないからギシンが遊んで?
- 【 ギシン 】エエッ!?嫌デス!アッ目を抉らナイデ!
- 【 赤ずきん 】じゃあ、今度はアンキが遊んで?
- 【 アンキ 】ヤメテッ!足をモガナイデー!
- 【 赤ずきん 】ボクと遊ぼう?誰か遊ぼう!
Hard
- 【 ギシン 】…………
- 【 アンキ 】ギシン!?どこに行くデス!?
- 【 ギシン 】赤ずきんの遊び相手ハ任せマスーッ!
- 【 アンキ 】そんなのイヤです!ワタシも逃げマス!
- 【 ギシン 】タースーケーテーッ!
二節
オオカミさんはどこですか?
その大きなお口を引き裂いて、
牙を抜いて遊びましょう。
三節
おばあさんはどこですか?
病気になやんでいるのなら、
ぶっすり心臓を刺しますね。
四節
猟師さんはどこですか?
狩りをするなら手伝いたいです。
逃げるえものをおいつめて
ゆっくりじっくりなぶります。
五節
ああ、だいすきな人達はどこですか?
ボクはただ、みんなで遊びたいだけなのに。
六節
遊びあいてがほしいのです。
刺して、叩いて、切って、潰して、
仲良く遊んでいたいのです。
七節
おねがいです。
誰かボクと遊んでください。
八節
痛いは楽しい。
楽しいは痛い。
なんてすてきなことでしょう!
九節
作者さん。
早く登場人物をください。
まだまだ、ボクは遊びたりないですよ?
十節:前半
赤ずきんの歩いた後には、
死者の道
が拓けます。
ああ、ひどい。まるで
ヒキガエル
が潰されたような死体達!
でも、赤ずきんはつまらない。
もっと楽しく遊びたいのです。
思い切り一緒に遊んでも、
死なない相手はいませんか?
あなたは殴って大丈夫?
止める大人がいないから、
子供の遊びはどんどん過激になっていく。
さあ、次の犠牲者は誰だろう?
Normal
- 【 赤ずきん 】さみしいなぁ。遊びたいなぁ。
- 【 ギシン 】そんな君にハウッテツケ!
- 【 アンキ 】ホラ、強そうなナイトメア!
- 【 赤ずきん 】わあ、嬉しい!お願いだから――
- 【 赤ずきん 】どうか少しはもってくださいね?
Hard
- 【 ギシン 】ヨカッタ。ちょうどナイトメアが現れた。
- 【 アンキ 】赤ずきんの遊び相手ハ任せマショウ!
- 【 ギシン 】私達の安全のタメに!
- 【 アンキ 】ワタシ達の安寧のタメに!
- 【 ギシン 】あぁモウ、こんな厄介な子は初めてデス!
十節:後半
射殺に撲死、溺死に凍死。
絞死、斬死、轢死に焼死!
いろんな遊びを試す赤ずきんの姿は、
まるで、天使がままごとをしているよう。
ねえ、楽しいですか?
お返事ください。
死ぬのはだめです。
もうちょっとだけボクと遊びましょう?
ぐちゃぐちゃ、ぐちゃぐちゃ。
闇の中に響く音。
それは赤ずきんが遊ぶ音。
天使の笑顔で悪魔の仕業。
遊ぶ子供の手元を見てごらん?
べったり返り血がついている。
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