2018年05月13日
いばら姫 / 嫉蛇のガンナー
古くより研究に没頭せし凡骨で頑迷な古老の科学者は、新たに配属されし稀代の天才と呼ばれる若い学者が、世間の耳目を集めていることに対し、ただ醜く嫉妬するしかなかった。
夜半、年老いた科学者の心の奥底に燃ゆる醜悪な嫉妬の炎の存在は、漆黒を満たす彼の部屋に突如現れた名状しがたいほどの恐ろしい二つの鋭利な眼光によって照らし出された。
嫉妬を糧とし生きると言うそれに、嫉妬を捧げる行為がいかに愚鈍かつ悪辣かを理解した上でそれを望み、辺り一面が血の海と化した研究室と若い学者の研究成果だけが彼に残された。
残された研究成果で輝かしい功績を収め、一躍時の人となった彼だったが、その背後で彼を快く思わない者が嫉妬の炎を燃やし続け、それと遭逢し嫉妬を捧げたことは言うまでもない。
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