2018年05月17日
いばら姫 / 淫蠍のクレリック
刑事が事件現場の寝室に立ち入ると若い女と中年の男の遺体が並びその傍らに男の妻である中年の女が呆然とした様子で座り込んでなにやらぶつぶつと呟いていた。
座り込んでいる女に尋ねれば「夫の不貞は知っておりましたがまさかこのような……」と嘆き再び呟きだすのも夫が若い女と結合したまま腹上死しているのを見ては無理もないだろう。
だが異常な色欲の果てに死亡する事故が相次いで起こっていたため刑事は妻であった女にそれを告げると女は微笑んだ。「これは天罰であり神が、あの方が罰を与えてくださった証です」
すぐに見知らぬ言語で異様な祈りを捧げ始めた女の姿に刑事は息をのみ思わず一歩後ずさる。視界の端で蠍のような異様な影がどこかに去ってゆくのが見えた。
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