光明の真言 Komyo Shingon-ho
暗闇にひとり揺れる心
罪の重さに押し潰されて
遠い記憶に微かな光
祈りの声が胸を叩く
オン アボキャ ベイロシャノウ
大いなる光 導いて
マニ ハンドマ ジンバラ ウン
心の闇を照らす真言
Komyo no Shingon
Alone in the dark, my heart sways in pain
Crushed beneath the weight of guilt and shame
A faint light glimmers in distant memory
A prayer's voice awakens deep inside me
On avoca beiroshanou
Oh great light, guide me through
Mani handma jinbara un
A mantra of light to pierce the gloom
光明の真言
暗闇に閉ざされた部屋で、尚美(なおみ)は膝を抱えていた。しんと静まり返る中、彼女の心は罪悪感と後悔に苛まれていた。過去に犯した数々の過ちが重くのしかかり、息が詰まりそうだった。
「どうしてこんなことになってしまったんだろう……」
ふいに、小さな光が窓の隙間から差し込んだ。その光は、何かを導くように尚美の心をそっと撫でるかのようだった。
「大日如来さま……」
その名前が、自然と彼女の唇から零れた。何故だか分からない。けれど、その瞬間、尚美の心に微かな温かさが芽生えた。
ふと、昔祖母から聞いた話を思い出した。
「尚美、どんなに暗い道を歩いていても、大日如来さまは光で照らしてくださるんだよ。だから決して一人じゃないよ。」
その記憶が蘇ると共に、彼女は静かに手を合わせた。そして、声に出して唱えた。
「オン アボキャ ベイロシャノウ マカボダラ マニ ハンドマ ジンバラ ハラバリタヤ ウン……」
言葉が一つ一つ、心の奥深くに響き渡る。その響きは、彼女の胸の痛みを少しずつ和らげ、重い鎖を解き放つかのようだった。
――不空なる御方よ、大日如来さまよ。どうか私の進むべき道を照らしてください。
尚美は心の中で祈りを捧げ続けた。すると、不思議なことに彼女の周りの空気が変わるのを感じた。まるで見えない存在が彼女を包み込み、力を貸してくれているような気がした。
「私は一人じゃない……」
その感覚に涙が溢れた。彼女はこれまで、自分の過ちを抱え込んで生きてきた。しかし今、光明真言を唱えることで、彼女は大日如来さまや数多の仏たちが共にいてくれることを知ったのだ。
尚美は顔を上げた。暗闇はもう恐ろしくなかった。たとえこれからどんな困難が待ち受けていようと、彼女は必ず進んでいける。大日如来さまの無量の光が彼女の道を照らし、成就へと導いてくれるからだ。
その日から、尚美の心には仏の智慧の光が満ち溢れ、以前のように迷うことはなくなった。光明真言は、彼女の中で生き続ける祈りとなった。
オン バサラダトバン オン アンビラウンケン
オン バサラダトバン オン アンビラウンケン
オン バサラダトバン オン アンビラウンケン