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ヘッドホンやイヤホンを使って手軽に楽しめる
その場にいるような臨場感が味わえる。オーディオでもホームシアターでも 「立体オーディオ」が大きな話題
音楽配信サービスや「YouTube」のような動画配信サービスでこのところ耳にすることが多い「立体オーディオ」。ライブ会場にいるような音楽体験を味わえる音楽として話題を集めている。
これは、簡単にいってしまえば、映画における「サラウンド」の音楽版と考えていい。
最新のサラウンド方式であるドルビーアトモスなどでは、前後左右のスピーカーに加え、天井にもスピーカーを設置して高さ方向も加えた立体的な音場を再現できるが、音楽も同じように立体的な音場で再現すれば、リアルな感覚が味わえるというわけだ。
映画やゲームでは一般的なものだが、そのためにはサウンドバーのようなホームシアター機器が必要だし、本格的なシステムではスピーカーをたくさん配置する必要があり、あまり手軽とはいえない。
そこで、立体オーディオでは、バーチャルサラウンド技術を活用してヘッドホンやイヤホンで手軽に楽しめるようにした。これにより、これまでハードルが高かったサラウンドシステムによる立体音響が、とても身近に楽しめるようになった。
なお、立体オーディオは、いつも聴いているCDなどのステレオ音源が立体オーディオとして聴けるというわけではない。リアルな立体感を再現するため、専用にマルチチャンネル化した音源が用意されているのだ。
これらの音源は後述する音楽配信サービスで配信されており、新たにソフトを購入する必要がない点も手軽といえる。
■立体オーディオが聴けるスマートスピーカーもある
Amazon
Amazon Echo Studio
実売価格例:2万4980円
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音声アシスタントAlexa対応のスマートスピーカー。「Amazon Music」の3Dオーディオ楽曲やドルビーアトモス音声の再生が可能。
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内部には4方向を向いたスピーカーと下部に大きなスピーカーがある。これにより、前後左右と高さ方向の音を再現できる。
目の前にライブステージがあるような感覚になる
ソニーの「360 Reality Audio」や、アップルの「空間オーディオ」が注目のサービス
今や、多くの人が日常的に気軽に使っていると思われるヘッドホンやイヤホン。スピーカーのように、音量などで周囲に気を遣う必要もないのがメリットの一つだ。
しかし、スピーカーは自分の目の前に置くことで、快適なステレオ再生が可能になるが、ヘッドホンやイヤホンの場合は、音が頭の中で鳴っているような「頭内定位」という独特な聴こえ方になる。立体オーディオは、この頭内定位が解消できることが最大の特徴だ。
女性ボーカル曲を聴けばボーカルが目の前から聴こえるし、伴奏するバンドの位置関係も明瞭で、まさに目の前にライブステージがあるような感覚になる。
この聴こえ方の違いは、ヘッドホンに慣れた人ほど新鮮に感じるだろう。生の音により近い音場が再現できるため、あらゆる場所から音が聴こえるような楽曲も制作できるし、ライブ音源も、より臨場感豊かに楽しめるのだ。
こうした立体オーディオを楽しめるサービスは、大きく分けて二つある。
まず、ソニーが開発した「360 Reality Audio」は、「Amazon Music HD」や「DeezerHiFi」「nugs.net」といった音楽配信サービスで楽曲が提供されている。
また、アップルの「空間オーディオ」は「Apple Music」で楽しむことができる。両サービスは、異なる技術が使われているため、それぞれ必要な機器やアプリは異なる(次項以降で紹介)。
なお、動画配信サービスのYouTubeでは、「8Dオーディオ」などの名称で立体オーディオを収録した動画が数多く配信されている。
8Dとは3Dのような三次元とは異なり、八つの場所から音が出ていることを意味しているようだ。こちらは、ヘッドホンがあれば誰でも基本的には無料で楽しめるので、立体オーディオがどんなものか興味のある人は、試してみるといい。
■「Amazon Music HD」では「360 Reality Audio」のプレイリストも用意
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「Amazon Music HD」アプリで「360 Reality Audio」と検索すると、配信中の楽曲が見つかる。立体オーディオのプレイリストも用意されている。
■「YouTube」では8Dの立体音響が聴ける
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「YouTube」では、「8D」などの名称で立体オーディオの楽曲を収録した動画がある。手持ちのヘッドホンで手軽に試せる。
「Amazon Music HD」で360 Reality Audioを聴く
360 Reality Audioはいくつかの音楽配信サービスで楽曲が提供されているが、国内でもユーザーの多い「Amazon Music HD」を代表例として、実際に立体オーディオを試してみた。
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サービスに加入すれば、立体オーディオが楽しめる
![右向き三角1](https://fanblogs.jp/_images_e/e/F04A.gif)
「360 Reality Audio」は技術名称であり、「Amazon Music HD」では「3Dオーディオ」という名称で楽曲が提供されている。ただし、ここにはドルビーアトモス方式で制作された楽曲も含まれるので注意。楽曲を探すときは「360 Reality Audio」と検索しよう。
「360 Reality Audio」楽曲は、基本的には手持ちのヘッドホンやイヤホンで再生できるので、「Amazon Music HD」に加入すれば、すぐに立体オーディオを楽しめる。
さらにソニーでは、個人最適化機能を使ってよりリアルな臨場感を味わえる認定ヘッドホン(下記参照)も発売している。ここでは、認定ヘッドホンの一つである、WH−1000XM4を使って試してみた。
まず、WH−1000XM4をスマホとブルートゥースで接続し、スマホ用アプリ「Headphones」(Android/iOSに対応)をインストール。
「サウンド」の項目にある「360 Reality Audio設定」で、個人最適化の設定を行う。ガイドに従って両耳の写真を撮るだけだ。必要に応じて、音楽再生アプリの最適化も行う。
これで準備は完了だ。アプリの追加や手間はかかるが、それほどめんどうではなく、簡単に行える。
■認定ヘッドホンで個人最適化を行えば、臨場感がさらにアップ!
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ブルートゥース接続したら、 アプリを起動
スマホとブルートゥースで接続したら、「Headphones」アプリを起動し、「サウンド」の項目にある「360 Reality Audio」設定を行う。
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アプリの指示どおりに両耳の写真を撮影
「360 Reality Audio設定」の案内どおりに設定を行う。両耳の写真を撮影するのは手間だが、カメラ位置などもガイドしてくれる。
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アプリが耳の形を測定し、個人最適化が行われる
撮影が完了したら、アプリが耳の形を測定し、個人最適化が行われる。必要に応じて音楽再生アプリの最適化なども行う。
音の定位とともに、広々とした空間が感じられる
![右向き三角1](https://fanblogs.jp/_images_e/e/F04A.gif)
音楽再生そのものは、「Amazon Music HD」アプリで行う。楽曲の検索もスムーズだし、「360 Reality Audio」の楽曲も思った以上に多く、曲名に「ULTRA HD」などのロゴと一緒に「3D」のロゴも表示されるのでわかりやすい。
ハイレゾ品質の音源もあり、音質は良好。iPhoneを使用しているので、ハイレゾ音源は48kヘルツに制限されてしまうが、ブルートゥースとは思えない音質のよさだ。
しかも、頭の中に音が響く感じではなく、目の前やさまざまな場所から音が定位する感覚が新鮮。認定ヘッドホンではない通常のイヤホンでもよくわかる。
まず、手持ちのヘッドホンで試してみたが、音の広がりは頭の外にまで広がる感じだし、空間はやや狭いが、前後左右と高さの方向感や定位がわかる。立体オーディオのおもしろさは、きちんと感じられた。
一方、認定ヘッドホンのWH-1000XM4では、個人最適化の設定の説明が丁寧で、両耳の撮影もアプリが「カメラを下に向けてください」などと指示をしてくれるので一人でも行える。作業自体は簡単で、音の臨場感はさらに高まる。
目の前に音が広がる感じだけでなく、豊かな音の定位とともに包まれるような広々とした空間が感じられる。ボーカルが目の前にいて、その後ろにバンドの楽器が定位する立体的な音像定位がみごとで、まさにその場にいるような感覚が味わえる。この効果は絶大だ。
「360 Reality Audio」がおもしろいと感じた人は、ぜひとも認定ヘッドホンを使うことをおすすめしたい。
■「360 Reality Audio」が楽しめるヘッドホン/イヤホンとスピーカ
ワイヤレスヘッドホン
ソニー
WH-1000XM4
実売価格例:4万2770円
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