◆ぼくの地球を守って
植物と親しくする少し変わった女子高生・ありすは、隣に住む生意気な小学生・輪にからかわれ、学校では親しい友達ができずにいた。
そんなある日、クラスメートが不思議な体験をしている事を知り……。
石蕗高校の1年生。元から内気な性格ではあったが、北海道から人の多い東京への転校で気後れしており、未だ馴染めずにいる。近所付き合いの関係や年上である事から輪の面倒を何かと見ているが、よくイジメられては泣いている。
転生というキーワードと、記憶。蘇る記憶とともに明らかになっていく真実。真実は切なさと共に明らかになっていく作品の流れは、一つの推理小説を読んでいくような気持ちも味わえます。
亜梨子の住むマンション隣室の夫妻の一人息子である小学生。名前の由来は母(声 - 川島千代子)が“輪廻”から付けたもので、『やがて死んでも、次の時代で会えるように』との意味がある。
この作品は読み進めていくことで、物語の世界観の深さに気付がされた。
前世の記憶で繋がり合う少年少女が現世で再会し、そこから生まれる葛藤や心情の変化が丁寧に描かれていた。
結果的に、過去から離れられずにいたキャラ達も立派に更生でき、後あじの悪さは感じなかったが、輪くんは能力を悪用していた感じ。
それでも読み終えた後は素直に感動した。
両親が不思議な力を持っている蓮は、不思議な事が当たり前で学校で「嘘つき蓮」と呼ばれていた。幼馴染の日路子(かちこ)と色々な不思議な事件に遭遇する。 「ぼくの地球を守って」の次世代ストーリー編。
ドラマチックな経緯で我が手に戻った『ボクを包む月の光』15巻。感動の最終巻ですって。オビを脱がすとそこには木蓮の花が描いてあった。書店で本を買ったときの密かな楽しみ。ほほっ。
◆妖狐×僕SS
旧家・白鬼院家の令嬢として生まれた少女白鬼院凜々蝶は大人に守ってもらわないと生きて行けない無力な自分や、常に家名の由緒が優先される環境に息苦しさを感じ、家を出て一人暮らしをすることにした。
常に低姿勢で礼儀正しいが、言質をとって人を言いくるめる、天然黒(ピュアブラック)と称される強かな一面も覗かせる。自ら「凜々蝶様の犬」を称し、とにかくどんな小さなことでも凜々蝶の役に立ちたいと言い張る。
ポイントはアイデア自体は、そもそも先祖がえりって設定が個性的でこれのおかげで十分。後は様々な良くあるものを組み合わせた配合の妙とそれをどうストーリーにするか?の絡め方が実に上手い。先祖がえり設定を生かした転生後の偽りの生活。
時間旅行を可能にする桜。後は先祖がえりを統括する組織の話し。これだけだとアイデアになってしまう。そうじゃなくてそれをどう転がすか?が面白い。
◆イティハーサ
舞台は1万2千年前の古代日本、真言告(言霊)の概念が存在する世界。
目に見えぬ神を信仰する世界、ある村の少年鷹野(たかや)はある日捨て子を拾う。赤子は透祜(とおこ)と名付けられ、鷹野の妹として育てられた。
7年後、透祜が育った村は目に見える神、威神の徒党に襲われる。生き延びた透祜と鷹野、彼等の兄のような存在の青比古(あおひこ)は目に見える神、亞神(あしん)の信徒に助けられる。
目に見えぬ神々、目に見える神(平和を尊ぶ亞神、争いを好む威神)とその信徒の戦いを描く。
「その答えを求め続けると気のふれる問がある」
「自分は何故ここにいるのか」
「何処より来たりて何処へ向かうのか…」
「実に人はこの問を忘れる為に人を愛し
この問から逃れる為に神を求める」
このモノローグから始まる物語は、真実このことを作中で求め続けていく。
間違いなく漫画という枠を超えた希有のSF作品。
ひとつの宗教作品のようでもあり、哲学書のようでもあり、
日本人として魂の根底にある何かを揺さぶる民族学の本のようでもある。
実に気持ち良く読み手の心を、イメージの感応力を広げてゆく。
◆ボクラノキセキ
主人公。ゼレストリア王女ベロニカの生まれ変わりで、物心ついた時からその記憶を持っていた。転生することが常識だと思っていたため、小学校で前世のことを話し、クラスメイトから虐めを受けるようになる。
魔法や異世界といったファンタジー要素がありますが、主人公が変身したり技の名前を叫んだりとかするシーンはありません(笑) 主人公は前世であるベロニカ姫と自分を割とはっきり別人と認識してますが、
周りの同級生達は記憶が戻った途端に今まで生きてきた16年間がまるで無かったかのような別人ぶりです。 (後にとあるキャラがそのことについて少し触れていますが…) そこに少し違和感を感じますが、前世や転生ものが好きな方ならきっと気に入る作品だと思います。
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