原作は富野由悠季が1989-1990年に上梓した小説で、大国同士の戦争ではなく、テロとの戦いを描いています。
全三部作で制作されることが発表されており、今回が1作目です。当初は2020年7月23日に公開予定でしたが、新型コロナの影響で複数回延期され]、2021年6月11日にようやく公開されました。
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」 主人公機・Ξ(クスィー)ガンダムと、対する地球連邦軍のモビルスーツ、ペーネロペー。 2体は姉妹機にあたる。ミノフスキー・フライト・ユニットにより自由に重力圏を飛行可能。 |
ということで、管理人もようやく劇場で鑑賞することが出来ました。
この映画、ガンダム映画の中でも異例のヒットを記録しており、すでに配収10億円を突破しています。
じつは「特別興行」という形態をとっていて、誰でも入場料一律1900円!という強気な設定なのが、高い収益の一因ではないかと考えます。
映画を観るにあたっては、あらかじめ公式サイトでストーリーやキャラクタを把握しておいた方が良いです。
公式でいきなりネタバレしているのですが、主人公の「ハサウェイ・ノア」(あのブライト艦長の息子)が、テロ組織「マフティー」の中心人物「「マフティー・ナビーユ・エリン」であることが判明し、新しい機体「Ξガンダム(クスィーガンダム)」を手にいれるまでが今回の映画のお話です。主要な登場人物は、冒頭のシャトルハイジャック事件にみんな乗り合わせています。
ガンダムの新作は、常にモビルスーツの新しい表現が求められるのが課題なのですが、この映画ではリアリティに思い切り舵をとるスタイルで成功しています。作品自体がシリアスな内容なので、モビルスーツの戦闘描写も3Dを組み合わせて(新型のガンダムはデザインがあまりにも面倒すぎて手描きではまともに動かせない)斬新で高密度な演出をみせています。音響もユニークで、新型機のミノフスキーフライトユニットの「キュルキュル」いう不思議な駆動音が魅力的です。
背景美術も一部実写取り込みに近い仕上がりにして、作品のリアルな雰囲気を支えています。
ストーリーは、まだ物語が動き出したばかりなので明らかではないのですが、基本的に反地球連邦を掲げるテロ組織「マフティー」と、その殲滅を目的とする連邦軍の「キルケー部隊」との対決というのが大筋になるかと思います。さらに、映画を観ればすぐに感じられるように、この物語は確実に「悲劇」に向かってゆくという確証があります。主人公がテロリストで、みんながハッピーな大団円って、ありえんでしょう。
SNSなどのコメントなどをざっと見ると、かなり好意的というか、高評価なものが多いようです。
個人的に衝撃的だったのは、「ガンダム見たことないけど、はじめて見たらけっこうヤバイ〜」というようなご意見が複数あったことです。
「え! ガンダム見たことない人がいきなりこれ見ちゃうの!?」
というような、後頭部を鈍器で殴られるようなショックを受けました。
たしかにガンダムの歴史を考えると、初めてのガンダム体験が「閃光のハサウェイ」という世代が出てきても不思議ではないかも。まるで「JOJOの奇妙な冒険」を「ジョジョリオン」から読み始めるような不可思議な状況ですが、歴史が長い作品の宿命なのかな。
そういう歴史ある「ガンダム」シリーズなので、作品を重ねるごとにクオリティが上がってまいります。
映画を観ながら、この世界観の中に、ファーストガンダムに登場した「Gファイター」や「ザクレロ」が当時のクオリティのまま登場したら大惨事必至だよなあ、などと妄想していました。
某パロディ漫画でも、ブライト艦長は「わが連邦軍にGメカなどというものは存在しない」と言ってましたね。
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