ノンフィクションを原作とし、オークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャー(GM)、ビリー・ビーンがセイバーメトリクスを用いて経営危機に瀕した球団を再建する姿を描いた作品です。
ベネット・ミラーが監督し、ブラッド・ピットが主演しています。
「セイバーメトリクス」という謎用語がでてきましたが、SFではありません。なんかカッコいいね。
野球においてデータを統計学的見地から客観的に分析し、選手の評価や戦略を考える分析手法のことです。
この映画、アニメ監督の押井守氏が、『マネーボール』が映画の作り方の見本であり、人生の教訓があり、人生の中にある真実に触れられる、とまで云っている作品。
そんなにすごいのか、と聞かれると、「じつはすごくいい」とじんわり答えるぐらいに傑作。
管理人はじつは映画館では観ていなくて、TVで深夜に放送されたのを録画して、先日ようやく観ました。
最近はハズレの映画をひくことが多かったのですが、面白い作品は冒頭の10分ですぐわかる。当たりだ、これ。
日本語吹き替えで、本編も少しカットされているはずですが、とても良かった。
野球を題材にしていますが、野球そのものを描いたものではありません。
働く、というか、戦う人間のドラマです。
戦略を立て戦術を駆使して勝利を求める。
そこにはブレない軸が必要なんだけど、やっぱ人間悩むよねって感じ。
主人公のビリーは限られた資金のなかで「ワールドシリーズ優勝」を成し遂げるために奮闘します。
主力選手が軒並み引き抜かれる状況で、『セイバーメトリクス』を用いて、他球団からは評価されていない埋もれた戦力を発掘し、低予算でチームを改革しようと試みるわけです。
GMの仕事は映画で言うとプロデューサーのようなもので、選手を獲得したりクビにする権限を持ちます。
ビリーのやり方は従来型のスカウトたちからは総スカンを受けますが、彼は折れません。
一般的な映画だと、ここから紆余曲折がありながらも皆が最後には一致団結して勝利を掴む流れとなりますが、この映画はそういうのではない。
そこに人生の教訓があります。
ポリシーは曲げない。過ちは繰り返さない。でも本当にそれでいいのかやっぱり迷ってしまう。
劇中で、ビリーの娘さんが歌をパパに聴かせます。そいつがすごくいい。
「今迷っている」っていう曲なんですけどね。
価格:1320円 |
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