ということで、管理人のゆうすけです。
皆さんは劇場版アニメ「映画大好きポンポさん」はご覧になりましたか。
2021年6月4日から公開されています。とっくに完成していたはずですが、コロナ等でいろいろ延期されて、満を持してのロードショウです。
管理人は6月5日に鑑賞しました。現在、2021年ベストに暫定ランクインしています。
『映画大好きポンポさん』 原作:杉谷庄吾【人間プラモ】 監督・脚本:平尾隆之 制作:CLAP マンガ原作からの劇場版アニメです。マンガの方は、じつは2018年にレビュウを書いています。 |
SNSなどでもかなり高評価の感想が多いので、ちょっと辛口のコメントを出しておきます。
キャッチコピーが「幸福は創造の敵」とありますが、これはあくまでこの作品での製作者の私見です。
「リア充には面白い作品は作れねえ」ということですが、賛否はあると思います。
本当に創造的な人間になりたいと思うなら、こういう言葉をまず疑ってみるぐらいでないと成功しません。
この作品では「映画しかない」というどんづまりの主人公(非リア充代表のような青年)ジーン君が覚醒しますが、実は映画製作を通じて人生最大の幸福の渦中にいるという逆説的な状況になっているのが面白いのです。
ジーン君は、映画の15秒スポットの製作をまかされて、ものすごく悩みますが、次第に様子が変わっていきます。
「やばい 売上とかスタッフの生活とかどーでもいい 超楽しい!!!」
ポンポさんは、ジーン君がこういう奴だと見抜いていたのでしょうね。
あのコピーの「幸福」は、「(凡庸な)幸福は」という意味なのでしょう。ジーン君が感じた幸福は、彼にしか理解できない、彼にしか価値のない幸福なのですが、だからこそ唯一無二のものです。
じつは創造を支える力となるのは、この魔的な幸福であると、管理人は思うのですよ。
今回の映画版製作にあたり、キャラやエピソードの追加がありますが、うまくまとまっています。
原作のマンガは現在3巻まで発行されていて、今回の映画は1巻を元にしています。
スピンオフのマンガも刊行されていて、いずれも面白いのでよろしければどうぞ。
映画の出来は大変良いのですが、惜しいのは、背景美術(特にアルプスのシーン)を、京都アニメーションの美術監督だった渡邊美希子さん(故人)が手掛けていたら、すごい説得力になっていただろうなあと思うところです。美術は全体の世界観との調和が大切なのですが、ここ一番という場面では、あえて仕掛けて欲しいなあと思うわけですよ。
公開延期があって、ようやく陽の目を見た作品ですが、わりと素早く公開終了になりそうなので、迷っている方は劇場に急ごう。
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