2024年11月01日
581.Stranger of Paradise Final Fantasy Origin
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「ストレンジャー オブ パラダイス: ファイナルファンタジー オリジン」のレビューです。
(めっちゃやりこんだのでくっそ長くなりましたw)
最初は単なるパクリソウルとして、普通のアクションRPGだと思っていたのですが、まさかハクスラ要素があるとは。お陰でマジで寝食を忘れひたすら没頭するほど楽しかったです。
本作の良い所はすごくたくさんあるんですが、まずはアクション要素。
今回はスクエニのみが手掛けたものではなく、有名なアクションゲームの制作スタジオも関わっているということで、文句なくアクションが楽しかったです。打てば響くようにレスポンスが良く、触っていて楽しいんですね。基本はソウルライクというか隻狼のような体幹ゲージを備えていて、これを管理しながら相手の体力または体幹ゲージを削りきってフィニッシュという流れが気持ち良かったです。
その中でガードとは別にパリィのような「ソウルシールド」というシステムがあるんですが、これが本作ならではのお気に入りポイントでした。
ダクソのパリィってめちゃくちゃ難しいですよね。まずパリィできるか否かを分かったうえで、最適なタイミングでボタンを押さないと成功しません。相手がボスとかだとリスクも非常に高く、失敗体験から学ぶのは本当に一苦労です。その跳ね返りで習得すると脳汁でる快感もわかりますけどね。
本作のパリィもといソウルシールドは、体幹ゲージを消費し続ける代わりに長押しで発動し続けることができるのです。つまりよくわかんないけど何か来そうだから待ち構える、でもいいし、タイミングがわかったとしても、厳密なタイミングまではわからない、みたいな状況でも気軽に発動して、当たればパリィになるんです。
これが自分にとっては非常に気持ち良く、なんどもパリィを成功させることでだんだんと発動時間を短く、つまり的確なタイミングで一瞬だけ発動させることができるようになってくるんですね。
これはソウルライクのパリィのシステムとは逆で、成功体験から学んでいくシステムとして画期的だと思いました。
そしてまたこのソウルシールドの性能が非常に高く、使い勝手がいいのも後押ししています。敵の技名が赤地で表示されるガード不能技でなければ、あらゆる攻撃をこれで無効化できるのです。
使っても弾いても体幹ゲージは消費するので、無限に弾くわけにはいかないのでバランスブレイカーではないです。(でも、ゲージ0でも一瞬は発動できるので、フレーム単位でタイミングを合わせられればゲージ0でも凌げるっていう太っ腹な仕様もある)
次に素晴らしいと思った点が、レベルデザインです。なんていうのかな、こうやって遊んでいけばいいんだ、みたいな感覚が、直感的にわかる気がするのんですよね。
本作にはハクスラ要素があり、ビルドが大事になってきます。
たくさんの装備部位があり、一つ一つの装備にたくさんの効果がついており、キャラクター自身にも何種類ものジョブが備わっていて、それら一つ一つを組み合わせて理想の形にしていくのですが、とにかく項目が多いので最初はちんぷんかんぷんなわけです。
しかもアクション要素もただ斬ってガードする、だけじゃないでしょ? 無双のようにXXXYみたいなコンボがあるし、ライトブリンガーやらコマンドアビリティやらまじスクエニ状態なわけです。
なので最初は最強装備を一回ポン、これでok、アイテムレベルの補正でごりごりいきましょ。初見一周目のストーリー時点ではそれで十分です。その間に気に入った武器を使って、しっかりアクションを学んでいきましょうのターン。
一回ゲームをクリアすると、次の難易度があらわれて、レベル上限が上がります。本作はここからが本番と言っても過言ではないです。しっかりアクションは学んできているはずなので、装備についているオプションを見ても、ちゃんと意味は把握できるようになっているはずです。
なのでここからは本格的にステージを周回して、理想の装備を追い求めていきましょうのターン。
装備に新しくジョブ適正という項目が付くようになったので、ここを重要視しながらハクスラっていきましょうのターン。
ここも無事クリアすると、いよいよDLCの登場です。またこれがインフレがすごいんですよね。このあたりからチームニンジャのアクション神バランスは鳴りを潜め、スクエニらしいぶっ壊れ数字押しつけRPGが始まってきます。
ジョブ適正の新たな段階が解放されたり、装備にもう一つジョブ適正がくっついてまた神装備引き直しとか、数字のインフレが加速してきて脳汁が止まりません。
二つ目のDLCに入ると、今度は今まで掘ってきた珠玉の一品アイテムを大事に使おうのターンで、今度は合成というシステムを活用して最高の一品を作り上げることになります。
とはいえ容易にいじれない項目もあるので、この部分で良いものを引けるよう掘りまくるハクスラもまったく死んでません。というか加速します。
三つ目もなんやかんやあるのですが割愛。
こんな風に、順を追って遊んでいくうちに、その時点で注目すべきポイントがわかる気がして(わかるようになっているわけではないです。新しい要素についての説明を読んで、何に注目して育てていったらいいか、私個人的には納得できた、という感触なのです)、良いデザインだなぁと感じたのでした。
とはいえさっきちょろっと触れたように、装備の改造度合いがインフレして、同時に敵の強さや行動もどんどん苛烈になっていく高難易度すなわちDLCでは、アクションに求められる腕がどんどんシビアでリスキーになっていき、楽を求めるならスクエニらしい数字の無視と押し付け合いをせざるを得なくなります。
どういうことかというと、ジョブ適正や装備オプションの厳選で、たとえばライトブリンガー状態中は無敵とか、いかなる時でも瀕死時○○発動とか、チート染みた戦術が可能になってくるんですね。
当然これらの効果を発揮させるビルドを組むのも大変ですが、ライトブリンガーの発動時間を伸ばして無敵になっている間に、盛りまくった瀕死時○○アップの性能を乗せた究極魔法を猛連打とか、もうアクション関係ないよね。
実際、私は本作をたっぷりやり込むまで攻略に関する情報をほとんど仕入れませんでした。お陰で自分らしい戦い方ができましたし、ボスとは手に汗握る戦いを繰り広げられたと思っています。敵が強くなりすぎてどうすっかなぁと思っていた矢先に、こんな神のごとき戦術を紹介している動画とかに触れてしまい、なんかね、糸が切れたって言うんですかね(笑)
ちゃんと遊びきったし、これ以上はこうなるのかっていうのがわかった途端、もういいかなって。ハクスラは終わりのない沼ですし、どこかで辞めなきゃならないので、むしろ良かったのかもしれません。
さて、ゲームが楽しすぎて寝ても覚めても本作のことばっかり考えていたっていうのはわかってもらえたでしょうか。
本作はオリジンと名の付くだけあって、初代ファイナルファンタジー、つまりファミコンのFFIをオマージュした作りになっています。なんの因果か私はFFIを遊び、クリアした記憶があるので(といっても数十年前になるけど……)、なんとなく話の流れとか、有名な橋を背に四人の若者が立ってFFのテーマが流れるシーンとか知っているんですよね。
懐かしすぎて涙が出てくるほど別に好きってわけでもないけど(笑)、ステージからBGMからあれやこれやがほとんどそんな原作のオマージュやアレンジで、なおかつ歴代ナンバリングからもステージイメージを引っ張ってきてるのは豪華だと思いました。
派手さはないけど代わりにぎっしりしてるなぁって。
なんだかんだで14と16以外は全部オリジナルを体験してきたので。
前情報やPVでばっちりネタバレしているのでわかってはいるのですが、ストーリーの8割ぐらいは初代FFIのストーリーをなぞってたりもするんですよね。実質FFIリメイク?
そんな中で、本作主人公のジャックが、ドラクエでいうところのローラ姫をさらったドラゴン的なポジションとして初登場したガーランドに、どう変わっていくのか、というお話。
上を目指さずともアクションとして非常に楽しいゲームで、ストーリーも悪くないし、ダークな世界観はむしろこれが16で良いんじゃない?と思えるヤバい出来でした。
始めはダクソな雰囲気で遊んでもいいけど、やっぱりこれはスクエニのゲームなんで、クライシスコアやFF零式のような感覚のほうが強いです。やり込んだらやり込んだで、あれもこれもできちゃう公式ぶっ壊れチートなビルドは、世界観として闇の要素を担当し、採り込んでいくうちに神へと近づくストーリーとリンクしているようで、全然アリだと思います。
やー、ご馳走様でした。
……………。
なぁ〜んてな!!(斬鉄剣)
実は実績をコンプするまでの一ヵ月はこんな感じで過ごしていました。そして新しくKemcoゲーを始めながら、なんだか自分の中にずっともやもやする感じを残していたのでした。
言うなれば本作は、一応遊びきったけど、最終的には糸が切れて終わった、そんなゲームだったわけです。
……本当にいいのか? それで。
丸一ヶ月間本当に寝ても覚めてもFFオリジンのことで頭いっぱいになりながら楽しんだゲームを、そんな理由でさよならしていいのか? と。
離れてからもずっと心の片隅で手放せないもやもやを抱え続けた原因は明白でした。
楽しかったんだもん(笑)
もっといえば、アクションが楽しかったんです。
ボスとの駆け引きとでもいうか、敵の攻撃に合わせてソウルシールドで弾く、この快感が忘れられなかったんですね。
そして気が付けば私は(仕事中に)脳内で作り上げた自分専用のビルドをノートに書きなぐり、実績コンプしたデータを捨てて全てを最初からやり直していたのでした……(笑)
ビルドの内容は詳しく書くと専用ページが出来てしまうほど膨大なので割愛しますが、私が虜になったソウルシールドの性能を最大限に生かし、ボスとガチンコで殴り合うというコンセプトになります。
敵の攻撃パターンを覚え、何回弾くとか、このコンボは途中で二択を迫って来るからこの時はこう、この時はこう、と自分の中で攻略法を一つ一つ確立していき、それが自分にうまくなった実感を湧かせるんですよね。ビッケ船長とガチで殴り合ったことある人います? バハムートなんか格ゲーですよ? 初見時翻弄されたギルガメッシュとの戦い、こいつをしっかりノーダメージで捌けたら絶対気持ちいいだろうなって思ったのが、このコンセプトの出発点でした。どんなボスでも動きを止めて脳筋ブッパなんてもったいないない。ホント楽しいんだから。アクションゲームはこうでなくっちゃって思わせてくれるバランス、デザインなんですっ(力説)
まさかね、そこから今度は丸二ヵ月間、一切実績も解除せずに遊び続けることになるとは夢にも思っていませんでした。ハクスラなので時間はかかるだろうとは思っていましたが、まさかここまでとはね。
ビルドの形を作り上げるまでもが一苦労、そこから基本的な数字を伸ばすのも一苦労、さらにエンドコンテンツステージで更に上を目指すための準備にも作業が必要で、作業自体は退屈なものでも、常に何かしら目標がある中での作業だったのでずっと楽しかったんです。
しかもそんな中でマルチプレイで(ほぼ過疎)出会った一人のフレンドと意気投合してしまったのがこのゲームの魅力を加速させる一因となったのは間違いないでしょう。
いつもの如く頭に閃いた適当な英語でメッセージをやり取りしていたのですが、どうも向こうから返ってくる英語メッセージも要領を得ない……。なんと相手はスペイン人で、実は英語がわからないので翻訳ツールを使っているとのことでした。
……え? ならお互い英語で話す意味なくない?
というわけでなんとも面白いことに、私は日本語で、彼はスペイン語でそれぞれ言いたいことを言うことにしたのですよ。彼からガチのスペイン語でメッセージが飛んでくるので、私はそこにスマホをかざし、翻訳ツールで日本語に訳し意味を把握します。そしたら日本語で返事します。すると彼が向こうでスマホをかざしスペイン語に直して意味を把握する、といった応酬です。
これがねぇ、いやほんとに、良い時代になったよね。
たしかにね、まだまだ翻訳ツールには不安定な部分がたくさんあります。とくに微妙なニュアンスや、その国独特の言い回しなんかは訳せません。どうあがいても、意訳ではなく直訳で意味を把握するしかないので、メッセージを書く側の身としてはむしろ中学英語の教科書に出てくるような、「いまどきそんな表現したら笑われる」レベルの非常に基本的な文章を意識して書く必要がありました。
でもね、それでもね、このやり取り自体が経験したことのないもので非常に楽しかったし、拙く勉強不足な英語でやり取りするよりもはるかに高度な会話ができて、すごくすんっごく楽しかったんです。
知ってますか? スペイン語って発音自体は日本語に近い発声で、文字もローマ字に近いものがあるんですけど、一部英語とは異なる発声があって、たとえば「j」はジャジュジョではなく、ハヒフヘホと読むんです。
なので私がジョークを言って彼が笑ったメッセージが返ってくると、「jajajajaja!」って返ってくるんですよ(笑)
(ここだけの話、私は大学の第二外国語でスペイン語をすこーしだけ勉強したので、ごくごく基本的なことだけはわかります)
そしてベヒーモスがスペインではベギモと呼ばれ、FF6のティナが欧州ではテラ(FF4の魔法じじい!?)と呼ばれていることも知りました。
またゲーム内では劇中でキャラクターが喋ったセリフをセリフ付きチャットとして使える機能があって、これがまたコミュニケーションの大事な潤滑油になりましたね。
いやまぁそんなこんなでKemco修行そっちのけで三カ月ほど、ずぶずぶに遊びきった本作でした。
ここからは苦言というか、本作をさらにやりこむうちになんとなく感じていた「外側」の事情なんですが、まず本作にはこれだけのハクスラ要素、たくさんの装備オプション、ビルドなど組み合わせがあり、一つ一つのジョブアクションや装備オプションに「仕様」みたいなものが設定されているのですが、これらを網羅できるような攻略サイトが一切ありません。
Youtubeにもないような方向性の違うビルドを作りたいとなった時は、自分の使用するアクションや装備オプションについて、ゲーム内のバトルシミュレーターなどを用いて検証作業を行う必要があります。
これらの仕様は明らかに意図的に隠されており、やってみて初めてわかる、そこまで到達してみて初めてわかるんですよね。
コマンドアビリティの一つ「ブレイブ」は与ダメ向上とともにブレイクゲージが持続的に回復するのでビルドに取り入れていましたが、装備オプションで効果を上げると、ある一定の段階から、ソウルシールド使用でブレイクゲージが枯渇しなくなり、延々と発動し続けることが出来るようになりました。これは自分にとって大発見でしたね。
回復量が消費量を上回るのではなく、消費しきってゲージが0になった瞬間に1だけ回復する時間が追い付くようになり、結果的に0と1の狭間でソウルシールドを維持できるようになった、というイメージですかね。
これによりゲージ節約のためにボスの攻撃をぎりぎりまで引き付ける必要がなくなり、戦いがすごく楽になったのですが、与ダメやDPSを上げるならこれより強力なコマンドアビリティがあるので、火力主義なYoutubeビルド紹介等ではブレイブの名が挙がることは一切ありません。
そういった経緯から、おそらく開発としては本作がハクスラってことも踏まえて、さまざまなデータを取る人が表れてwikiが活発化し、ネット上でも賑わって欲しいなっていう狙いを感じたのですが、こちらはうまくいってないようでした。
そしてその原因というのが、個人的にはYoutuberの動画の作り方にあるのではないかなと。
Youtube上には本作に関するたくさんの動画があるのですが、それのどこを見ても「最強」の二文字がついてまわるんですよ。
「最強短剣ブレイクビルド」「最強斬鉄ビルド」「ワールドクエストも行ける!最強汎用賢者ビルド」などなどなど。
どこの誰のチャンネルを見ても、どこかにオリジナルの発案者がいて、それをパクってきてるとしか思えないようなステレオタイプのビルド紹介で埋まっています。
あくまで個人の感想です(笑)
誰でも簡単に強くなるにはPSの介入を許さないこと。
実際その方法で極端に強くなれること。
したがってそれ以外の「正解」がなくなること。
そして何より本作はエンドコンテンツに近づくほどハクスラ要素が強くなること。
ハクスラで効率を求めるなら、「楽に」「高速で」「繰り返す」ことが重要になるので、実はYoutubeで紹介されているビルドというのは大正解なんですけども……。
再三繰り返すように、私は本作のアクションに魅了されたんです。敵の動きを覚え、それに対してリアクションする、いうなればモンハンのような、隻狼のような、ボスとの殴り合いに価値を見出していたんですね。
そんな中で、戦闘開始前にまず手裏剣を10回投げて最大MPをマックスまであげます。
次にコマンドアビリティを全て使います。
次にライトブリンガーを20回空打ちします。
ボスを出現させたらすぐさまディメンションブリンガーで動きを止めます。
までがあらゆるビルドに共通する儀式で、それ以降どう料理するかが各ビルドの違いになります。だいたいぶっ放して二秒で終わります。
これってさぁ、ビルドはもはや関係ないし、神バランスのアクションも関係ないし、こんなんで装備集めて何が楽しいのって思っちゃったんですよね……。儀式の時間の方が長くない? 儀式の操作の方が複雑じゃない? むしろ時間限られてるからここでスムーズに操作するPSが必要じゃない?
でも、ハクスラというものに対してこのムーブは正解なんです。
これがFFオリジンじゃなくてディアブロなら、私もそうしたかもしれない。
だからこそ私はソウルシールドを主軸にしたビルドを考えたし、それを実践してほとんど情報がない中、検証作業なども楽しんだし、それは実証できたと思う。別に紹介はしないけど、ちゃんと敵の動きを覚えてしっかり捌けるならって注釈付きで、次元の迷宮を何階でも踏破でき、そしてモチベーションも高く保てる「最強」のビルドを作れたと思いました。自分専用だけどね(笑)
ってこともあるので、wikiが充実しなかったんじゃないかなって思いました。細かいこと知らないけど、動画見れば最強になれるなら、掘りが捗るならそれでいいじゃんっていうね、時代というか、現代の風潮だね。
動画はたしかに最適解なんだけど、それってあれやこれや回り道してようやくたどり着ける答えなんよ。そこにそれ入れるのも、そういうムーブするのも、全部意味があってのものなんだけど、あんた途中式すっ飛ばしてない? って思うようになっちゃった。
いや押し付ける気はないし、声高に叫ぶつもりもないので、ここでボソっと吐かせて。それだけでいいから。
まじで楽しかったんです。海外フレンドもありがとう。
もうね、大誤算ね。来年のワイルズ攻略時に、どうしても期間が長くなるからそのための繋ぎとしてKemcoゲーやらなにやらいっぱい記事のストック作ったつもりが、本作攻略中に全部出しきっちゃって、空ですわ(汗)
今年一番の大誤算だし、本作にここまでハマったのも非常に嬉しい大誤算でした。一生記憶に残るゲームになったと思います。ありがとうございました。