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2015年06月25日

083.スターオーシャン4 TLH

スターオーシャン4 -THE LAST HOPE-(特典なし)



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら、悪名高き「Star Ocean4 The Last Hope」のレビューです。通称・SO4とかTLHとか。

 まず、私はこの作品、不当に評価されていると感じており、個人的に純粋に評価するなら良ゲーです。
 Disk3枚組みの壮大な冒険が繰り広げられますし、戦闘もスターオーシャンシリーズの名に恥じない爽快な出来で、PS2時代から受け継がれてきた日本的RPGとしてきちんと遊べる出来です。

公式サイト

 しかし、世間の目だって節穴ではありませんから、これらの地盤を揺るがすほどの大きな欠点があることも無視できません。
 とりあえず、ストーリーが、とか、キャラが、とかいった話は置いておきます。

 最初の欠点はムービーでしょうか。
 本作は、類まれに見るほどの長大なムービーゲーでもあります。シナリオの合間に挟まれるムービーの長さが30分超、ワイヤレスコントローラなら自動で電源が切れるのもザラです。
 しかもそれは単発ではなく、たとえば新しい街に着いたり、ボスとの戦闘の前口上だったり、仲間フラグだったり、結構多いです。
 逆に感心してしまいますね。これだけのムービーを挟んでいるにもかかわらず、ゲームクリア後に戦闘し足りない、とか、もっとキャラ動かしたい、などのゲームプレイには不満を抱かないのですから。
 本作はムービーゲーですけど、ちゃんとRPGとして成り立っており、ボリューム不足、ムービーでの水増し感というのは感じません。
 私は別にムービーゲーについて特別な感情を抱いているわけでもないので、これは長所でもあると感じた次第です。

 そのムービーに関してもう一つ欠点があります。これは人の感じ方にも拠るとは思いますが、GOOD方向に作用するとはあまり思えません。
 キャラモデルとモーションについてです。
 このゲーム、戦闘パートに関しては物凄く力と気合いを入れてあるのが一見してわかるのですが、ムービー制作に関してはかなり手を抜いている印象を受けました。
 まるで人形のような微妙に頭身が合ってないようなキャラモデルに関しては好き嫌いあれど、トライエースのお家芸だと思っています。
 が、それと相まってのムービー中のモーション(=動き)があまりにも人間臭く、更にはお芝居臭く、全編を通してムービーに熱中するのは難しいと思います。
 さすがXbox360、色合いや光沢に関しては文句ないのですが、というよりタイトル画面の星の海や、迫力の宇宙戦、さらにはライバル・クロウの特攻シーンなどとても素晴らしい出来なのですが。
 文章で表すのは難しいのですが、たとえば皆さんが、ちょっと高いところから低いところへ飛び降りようとする時、「よっこらしょ」みたいな感じで手を振って反動をつけたりしませんか?
 本作のムービーは、そんな所作や、大仰なリアクションが、悪く言ってしまえばキレの悪い身振り手ぶりで表現されてしまっています。
 演出や画面効果を一切無視し、アクターから得たモーションにそのままキャラのテクスチャを貼り付けただけのように思えます。

 これが船内の会話基調のシーンならまだしも、本来迫力と驚きをもって見入るはずの殺陣(たて)のシーンですらこれですから、シュールすぎて逆に笑えてきます。
 これはわざとやっているんでしょうか? 理由があってこのようにしたとしても、冷静に見てスターオーシャンの世界観とはミスマッチな感覚を受けますので、失敗と言えるでしょうね。
 星の海で大冒険を繰り広げるスターオーシャンシリーズは、ギャグや笑いの要素はあっても、格好いいキャラがシュールな動きで笑いをとるゲームではないと思っています。
 というように、今あげた欠点は比較的ライトなユーザー層に受け入れられず、評価を下げてしまったのかな、と思いました。

 さて、もう一つの欠点はXbox360やPS3の実績・トロフィー機能に関わってくる「アーツコレクション」です。
 スターオーシャンシリーズの目玉として、戦闘システムがあり、これを更に面白く奥深くするためにコレクションというものがありますよね。
 スターオーシャン2ではボイスコレクション、3ではバトルコレクション、いずれも並大抵の努力では半分も集まらないほどで、難易度の高いバトルやシチュエーションを何度も要求されます。
 本作でもそういった要素は健在でして、その極悪度は悪意を以って引き上げられています。
 全てオフラインで解除可能でありながら、生半可なプレイではコンプリートはできない、それゆえ実績マニアからも敬遠され、誰も買い手がつかないという事態に陥ってしまった結果がこの値段、というわけです。

 最初に述べましたとおり、本作は純粋なRPGとしては堅実に作られており、爽快なバトル、広いフィールド、様々な遊びや発見があり、アイテムクリエイションやバトルコレクタブルといった前作以前から好評を博したシステムもきちんと搭載されており、決して悪いゲームではありません。
 ボリューム十分、BGMも良く、操作性も快適で楽しんでクリアできます。

 私はスターオーシャン4の発売を知り、予約をして、新品で購入した口ですが、初めの二、三周はそのようにして特に不満もなくクリアしたわけです。
(現在の相場を見れば、本作の価値はこれ以上ないくらいに酷いことになっていますが、だからといって金をどぶに捨てたという思いはありません)
 当時はまだ実績には関心がありませんでしたので、それでめでたしめでたしだったのですが、数年後、実績に目覚め、もう一度このゲームを攻略しなおそうと決意した時、本作の本当の悪意が牙を剥いたのでした。

 各難易度ごとにクリアする必要がありますから、とりあえず5、6周はストーリーを駆け抜けました。最後のカオス難易度なんか、手元に何も用意せずとも、ストーリーやダンジョンの流れは全て把握できており、最速で最強の武器を作り出してそのままタイムアタックでもできそうな勢いでクリアしました。
 それでも、ストーリーという流れがあり楽しむこと自体は出来たのですが。

 そこから先は巷でも聞いたことがあるでしょうが、「アーツ集め」の日々です。
 本作には、SO2のボイスコレクション、SO3のバトルコレクションに代わるシステムとして「アーツコレクション」なるものが存在します。
 これは仲間になるキャラ全員、それぞれに固有の100種類が定められていまして、これを達成していくことで、隠されたボイスが解放されたり、レベルの上限が解放されたりしていく寸法になっているのですが。
 簡単なものでは、敵を10種類倒す、とか、二種類の状態異常に同時にかかる、とかですが、少し難しくなってくると、15回連続でガッツで生き残るとか、3体の敵を同時に凍らせるとか運の要素が絡んできます。
 さらには、時間のかかるもの(ジャンプ10000回、敵ドロップ255個)や、このアーツ1つのために一周を捧げなければならないもの(フェイズ(仲間)で全種類の敵を倒す)、そして本作の実績を廃人仕様へと押し上げた立役者(エッジ(主人公)で敵を30000体倒す&エイルマット(仲間)で敵を30000体倒す)など、前作の比ではない戦闘量を要求されます。
 というわけで、キャラ毎100種類、全部で900個のアーツをコンプリートしてめでたく「アーツ100%コンプ」の実績が手に入るわけですが……。

 来る日も来る日も戦闘シミュレータ(SO4)を起動して、15、6時間ほど延々とテストプレイ(アーツ集め)を繰り返しました。
 まるまる一ヶ月ほど朝から晩までプレイし続け、実績は990まで取れたのですが、残りの10ポイントを獲得するためには+三ヶ月かかるとの試算が出たため断念しました(笑)。

 どんなに早く倒しても戦闘時間はリザルト込みで1分半から2分弱、戦闘には最大で8匹までしか敵が出てこない、ストーリー一周全て主人公が止めを刺したとしてもせいぜい2000匹……カウントは次周引継ぎ不可……エッジとエイルで作業量二倍。はは、懐かしいな(遠い目)。
 工夫を凝らして放置で稼ぐ方法もあるにはありますが、調整はシビアで本体を二週間起動しっぱなしとかいうレベルです。

 さてさて、愚痴が多くなってしまいましたが、実績を気にしなければ(もうすぐ最新作が出ますが)スターオーシャンの最新作としてとても楽しめるのは確かです。

P.S.
 プレイの際にはかならず画面設定を確認してください。当初D5でプレイしたところ、フリーズが頻発し、ゲームにならない状況でしたが、D4に落したところフリーズは皆無になりました。

 あ、そうそう。ムービーゲー、ということですが、全てのフラグを立たせてベストエンドを迎えたところ、ラスボス撃破してから放置して晩御飯を食べ、お風呂に入って、ちょっとテレビ見てから戻ってきても、まだ余裕でエンディグ中でした!

 勝手に勘違いしていたのですが、二つの特殊エンドと個別エンドは全て両立可能です。私はこの勘違いのせいで特殊エンドを二種類見るためだけに二周してしまいました。

 「これ以上進むと引き返せない」を越えた先の無数のコカビエル・ビットを4時間ほど狩ってみましたが、結局30000体にカウントされているかは不明のまま終わりました(アーツ達成ならず、カウント外なのか、数が足りなかったのか確認のしようがない。もうセーブできないのでそのままエンディングへ)。ただしそのバトルで8848mアーツは手に入りました。達成したアーツは次周も引き継がれます。

攻略サイト



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