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2024年07月12日

565.イクストナ戦記

イクストナ戦記-2024_05_01-04-25-44.png

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「Legend Of Ixtona」のレビューです。

 本作はKemco販売ですが、開発は別のインディースタジオで、珍しいSRPG。
 FFタクティクスやファイアーエムブレムのような見た目ですが、感覚的にはサモンナイトのような非常にシンプルなマス目戦闘のRPGで、フリーバトルで好きなだけ鍛えてからイベントを進めることが出来ます。

 言うことは……それだけかな(笑)
 レベルを上げて物理で殴る、いつものKemcoRPGが形を変えただけですが、別に嫌いじゃないです。特にバグもないし、高さとか地形効果とか、頑張ってる感はあって、ゲームとしては非常に堅実な出来でした。
 この手のSRPGにしてはユニット毎の移動距離や攻撃範囲が広めに取られている印象で、つけるアビリティ次第でどのキャラにも活躍の機会があるのは良いかもしれませんね。

 ストーリーに関しては、たとえお世辞でも良かったとは言いたくありません。
 あらゆるキャラとのやり取りが中学生レベルで、読んでいて非常にきつかったです。
 キャラ立て、セリフ回し、選んだ単語、掛け合い、リズム感、全てが稚拙で、書き手の文章技術の未熟さ、そして経験値の無さが溢れ出ていました。
 スタッフロールにプランニングとシナリオを担当している人で、スタッフロールの一番最初に上がってくるのですが、このシナリオが世界観やストーリーの流れだけでなく実際にセリフも起こしているとしたら……なんか邪推しちゃうんですよね。
 各部署の人がこのシナリオ見て「うわ……」と思ったとしても、スタッフロールの一番最初に出てくる人でプランニングもしてるってことは(プランニングってなにする人?)、まぁ、偉いんでしょうね。誰も何も言えず、黙々と己の仕事に集中することでしょう。

 言った通り、SRPGとしての出来は、個人的には不満はありません。敵の属性耐性を確認するのに手間がかかったり、敵の持つアビリティの効果がわからなかったりといった不便はあるのですが、それも序盤のうちだけです。
 逆に、主人公のジョブクラスを選んだり、キャラを自作したりできるので最序盤の試行錯誤は楽しかったですね。主人公と自作キャラでは同じクラスでも性能が違ったり、どんなスキルやアビリティを覚えるのか先がわからないのがもやもやしました。
 でもどうせマス目で戦闘するならアークザラッドのような戦闘をずっとやりたいとここ数十年待ち続けています。どうしてみんなやらないんだろ。できないの? 著作権あったりすんの? いちいちコマンド開いて移動先指定して、さらにコマンド開いて攻撃を指示して……っていうSRPG特有の煩雑さを消し去った革命的戦闘システムだと思ってるんだけど、未だにこの戦闘方法をオマージュした作品に出会ったことがありません。

 特になんの感慨もなく終わるはずだったのですが、最後の最後で、まさかゲームクリアの達成感を味わうことになるとは思っても見ませんでした。
 裏ボスである黄昏の王をカオティックモードで倒せという実績なのですが、一周目では単なる硬くて強い、そこらのボスの延長上にいる存在にすぎなかったのですが、二周目に入って順当に強くなり、アビリティが追加されていたんですね。
 なんのことはない、「ターン開始時に一定量のHPを回復する」っていうよくあるアビリティなんですが、これのせいで難易度がぐっと上がっており、一筋縄ではいかない強敵にしあがっておりました。
 一発1000ダメージ入れば十分強いと思える世界で、ボスの体力は約60000、そしてターンを渡す度に4500回復していきます。生半可な火力じゃ削れない上に、特別ボス特有のチートスキルで味方は簡単に半壊します。

 初見の絶望感がやばくて、私もしばし呆然としながら、これからまたあの面倒くさい作業を繰り返して、貴重なアクセサリーを量産したり、キャラを新しく作って、専用に育てていくべきか悩みました。
 が、手持ちにある中でいろいろ組み直して、建てた戦略が驚くほどうまくハマり、無理だと思われた裏ボスに何もさせずに圧勝してやった時の達成感は、かなり気持ち良かったですね。その夜はぐっすり眠れました(笑)






 さて、需要があるかわからないし、もしかしたら調べればどこかに載ってるかもしれないけど、自力で見つけた嬉しさでカオティックモードの裏ボス・黄昏の王戦について攻略の標を置いておきます。ネタバレになるので注意してください。

 

 まず、一周目初見時に黄昏の王戦で必ず浴びる洗礼といえば、長射程・広範囲のあたおか(頭おかしい)スキル「カタストロフィー」ですね。カタストロフだっけ?
 エリアの8割くらいをカバーしていて、HP999カンストのキャラでも二発目は耐えられません。範囲内にいるキャラ全てが被弾し、おまけで防御率低下のデバフがかかる極悪スキルです。
 厳密なスペックとしては、射程距離が20でだいたいエリアの下限、地面タイルと溶岩タイルの境くらいまでが範囲になり、スキルの属性は風属性になります。
 唯一の弱点は3ターンに一回しか撃ってこないことで、これに備えてしっかりと風耐性を盛るか、ヒット&アウェイで避けながらチクチク入れていく。
 一周目ならこれで良かったんですが、二周目カオティックモードでは自動回復のアビリティが加わり、その戦略は通用しなくなりました。


 本攻略のカギになるのはアーシェのSPスキル「アブソリュートウォール」です。範囲内の味方全てにあらゆる攻撃を二度、無効化するシールドを張るスキルです。
 このスキルを確実に発動できるよう、SPを回復するアイテム、特に「闘神の秘薬」だけは作っておき、適当な補給係に持たせておきます。

 次に重要なのが、ゼノシード。ユニットの特徴として攻撃力とクリティカル率が高く、30%以上ある黄昏の王の防御率を無視してダメージを与える「ディスインテグレート」が超刺さります。消費MPが高く、本来なら連発は難しいのですが……。

 ここに来るまでに修練場をクリアする必要があるので、初回クリア報酬の「メイガスリング」を持っているはずです。消費MP-50%という効果を持っているのですが、もし一周目でもちゃんと修練場をクリアしていればこの時点で二つ持っていることになります。
 このメイガスリング二つをゼノシードに装備させれば……、そうです、ディスインテグレート打ち放題ですね!

 この最強のアタッカーにさらに火力を与えるのがルフィナです。ルフィナのスキル「リインフォース」は、掛けたそのターンのみ攻撃力が爆上がりするというもので、こいつを掛けてからゼノシードでぶっ放すのが基本になります。ルフィナのクラスアビリティで「効果時間拡大」をつければ、このリインフォースも2ターン持続するので維持が楽になります。

 この三人(+補給係)が黄昏の王攻略に対する主な柱になります。
 エリアの外周で王の攻撃を避けつつ雑魚を全滅させたら、3ターン毎のカタストロフの切れ目を狙って突入しつつ、メンバー全員に無敵シールドを張り(シールド効果範囲内のひし形にありったけ味方を敷き詰める。漏れた奴は見捨てる)、ボスの反撃範囲外ぎりぎりに陣取ります。
 近接多めのパーティーなら反撃を食らうことになり、無敵シールドのかけ直しが忙しくなりますが、反撃と攻撃で二回なので、三回目の攻撃までに張り直しは間に合うでしょう。

 敵が強いともらえる経験値やクリア時の経験値はおいしくなるし、敵が弱いとその逆である仕様で時間をかけても駆け抜けても、その戦力差はそれほど開かない仕様であること。本攻略において作戦のカギを握るのは全て固有ユニットであること。必要な装備も進行上必ず手に入り、必要なアイテムもISPの消費で簡単に作れます。
 ということで、黄昏の王との戦いの場に立った時点で、どのプレイヤーも最低限の戦力は整っているはずなので、上記の柱を軸に各々にあった戦術をお試しください。
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