おはようございます。あるへです。
本日はこちら「キングダムハーツ ファイナルミックス」のレビューです。日本版Kingdom Hearts -HD 1.5+2.5 ReMIX-内に収録されたタイトルのひとつで、今も続くキンハーシリーズの記念すべき第一作。
を、大好評につきいくつか追加要素を詰め込んだファイナルアップデート版、ということですね。
昔PS2で発売された時にアホみたいに遊びまくったはずなんですけど。改めて遊び直すと、「ああ、こんなシーンあったな」っていう記憶が様々に蘇ってきて非常に懐しかったのに、ほとんどの事柄は実際に遊んでみるまでまったく思い出せてなくて、すごく新鮮でもありました。
つまり普通にめっちゃ楽しめました(笑)
ただ、あれね。オリジナルが古いゲームなので、当時の独特の雰囲気や遊びにくさってのはありますよ。
第一、普通に難しかったです。
本作はレベルの概念が強く、強敵もレベルを上げて物理で殴れば割となんとかなる調整です。それはある意味アクションが苦手な人にも救済となるのですが、アビリティが揃わず単調な動きしか出来ない中で、多彩かつ回避不可能な攻撃をバンバンけしかけてくる序盤のボス戦などはかなり理不尽な目に遭わされました。
レベルも折り返し地点に来て移動やアクションを拡張する様々なアビリティが揃いだすと結構面白くなってきます。
……と、思ったのですが。
思い出補正がかかってるだけで当時も酷い目に遭わされたのかどうなのか、初見時はたまにいらいらしてクソゲー!と叫ぶこともありましたが、二周目をプラウドモードで遊ぶ時に「最初の質問」の答えを変えてみたら、世界が変わってしまいました。
本作はこの最初の質問への答えの仕方で、レベルの成長速度やアビリティの習得順が劇的に変わります。これがね、もしかしたらまずかったかも。
というのも、私が最初に選んだ選択肢は、偶然にも各攻略サイトで最強・おすすめと謳われているパターンでした。
最終的に後から修正の利かないMPの最大値が最大に達し、レベルの成長が最も早い、とされるものでした。
これだけ聞くといいじゃんと思うかもしれませんが、実際遊んでみた限りではそれは最も辛く険しい道のりだったのです。
ドローやテックアップなどちょっとした便利なアビリティが序盤に揃う反面、強力かつ便利で戦闘の快適さやテンポそのものに直結するようなアビリティが最後の最後にならないと覚えられなかったり、いくら成長速度が最速と言えどそれはゲーム後半の話。このタイプは「晩成型」であり攻撃力も防御力も全然伸びなかったのです。おそらくレベルカンスト時のステータスは最低じゃないでしょうか。合成屋で好きなだけドーピングできるから無視されてますけど、あのね、アップ系のアイテム一個作るのにどれだけ苦労すると思ってんの(笑)
それこそ初見の力、なんでもかんでも「こういうものか」と他に比較できる要素が無い中でなんでも受け入れて結果的にクリアまでいきましたけど、二周目プラウドモード、攻撃力特化で早熟型で挑んだ方がよっぽど戦いやすく、快適でした。
ただ、どのタイプだろうとなんだろうと、本作で最強なのは「戦い方を覚える」こと、プレイヤースキルに他なりません。
ボスはもちろん雑魚と言えども一癖二癖あるやつばかりなので、嫌な攻撃のモーションを覚え、しっかりと回避したり、優先的に叩き込んで完封したり、プレイヤーの知識次第でクソゲーにも神ゲーにもなるバランス調整だったと思います。
また当時はPS2ハードだったということもあり、現在のように無尽蔵のメモリがあるわけではありません。しかし本作はスクエニのお家芸グラフィック全振りかつスクエニ肝入りのタイトルでもあるわけです。
ディズニー+FFという夢のような舞台はまさしく当時の自分を熱狂させましたし、今遊んでも本当に豪華なコラボレーションだったと思います。
HDになって美しく生まれ変わったディズニーの世界は、今見ても十分に綺麗でした。
ただし。
一つ一つのエリアというのは信じられないくらい狭いんですよね。すっごい狭いくせにカメラが壁にがつんがつん当たるので、いやもうめちゃくちゃカメラワーク悪いんです。最悪です。これだけは擁護できない。酔います。
マップが狭い上に敵はちょこまか動いてペースの早いアクションゲームでもありますから、もう右に左に上に下に、強力にロックし続けるターゲットアイコンに釣られて画面が物凄い勢いでぐりんぐりん動くんですよね。
慣れれば画面なんか見ずにとりあえずジャンプして武器振れば勝手に敵に当ててくれるくらいアクションそのものの快適さは非常に優秀なんですけど、このマップの狭さだけは、というかこのマップの狭さとカメラワークの相性が劇的に悪いのだけはなんとかならんものだったんだろうか。
とはいえこれはいわゆる技術的な問題で、おそらく2以降、3に至っては解消していると思われます。知らんけど。むしろ希望(笑)
カメラワークは本当に最悪なんだけど、狭いマップにはゼルダ的なギミックが豊富で、発見の喜びはすごく良いんですけど。
(まったく関係ないけど、このカメラワーク、当時もやっぱり酷いものだったのはしっかり覚えてます。なにせ言うこと聞かないカメラの操作に四苦八苦して、不意にカメラがソラに超至近距離まで近づいて、テクスチャの中のソラの眼球が二つ、ぐりんっと見えた時はゾッとした思い出がありますから。今回そんなことは皆無だったのでサイレント修正されてますねw)
それからストーリー道程というかプレイヤーの誘導も、かなり突き放し気味でこれからどこへ行き何をしたらいいのかがわからなくなります。
版権を持った数多くのキャラが登場し、場を盛り上げてくれるのは良いのですが、というかそこが一番の売りなんですが、容量やたぶんお金の問題で、シーンは短くシンプルなんですよね。そしてそのシーンは出来事を描写してはいるけれど、ゲームとして次への案内にはなってないんですよ。
だから、唐突に関係のないシーンが挟まって、また唐突にソラ達の画面に戻される。そしてエリアは一通り探索したはずなんだけど、次はどこへ行ったらいいかまったくわからない。唐突に表れたミニゲームに、なんの説明もなく放り出されて戸惑っているうちにミニゲームも終了する、とか。
ネガティブな感想ですが、ゲーム側としてこういう意図でやっていることはわかっています。たしかに自分自身の手で開拓していく喜びというのはちゃんとありましたし、知ろうと思って覗けば応えてくれるレベルデザインになっています。
なんというか、最初から飛ばし過ぎなんですよね。拠点となるトラヴァースタウンからして謎解きや今は持ちえないアビリティを使っての到達など、謎や気になる個所が盛りだくさんですから、本当に初めて触るとすごく混乱しちゃうんです。
で、わからんし、きっとあっちもこっちも今は無理で後から行けるんだろうと、とにかくストーリーを先に進めるかと開き直って直進すると、今度は突然凶悪なボスにメッタボコにされてコントローラー投げるっていう(笑)
(でもメッタボコにされるのは半分マゾ成長タイプのせいかも……。たかがMPの最大値が1か2違った程度でねぇ? キンハーの基本は鍵を振り回すことで、魔法や必殺技をバンバン連発して並み居る敵を一撃で消し炭にするような、できるようなゲームではありません)
本作にはそんな洋ゲーライクな突き放し感もありました。
でもやっぱり楽しかったです。腐ってもキンハー。腐ってもスクエニ。腐ってるとは思わないけど……。
下村さんのBGMは相変わらず神懸ってるし、レベルがカンスト近くなってもまだAPが増加し、新しいアビリティも覚え続けるのはなかなかないですよ。慣れてくると戦闘は楽しいし、強敵も倒し方というのをトライ&エラーで学んでいくスタイルは強くなる実感があります。
面倒に思われた素材集めも、ゲームの仕様を理解すればかなりサクサクで、レアエネミー自体との戦闘も単調ではないので結構楽しめたりします。
大昔、自分がプレイしていた頃のことはもうほとんど忘れてしまいましたが、たまにふんわり思い出して、「ショートカットに登録する魔法の種類と位置、あの頃と変わってない気がする……というか結局こうなるよね」みたいな既視感を覚えたり。
今も昔も変わらずグミシップ関連は嫌いなんだなーとか思い出したり。
目より耳の方がよく覚えていて、アリスのワンダーランドやアグラバー、特にモンストロのBGMはめちゃくちゃ迷いまくったトラウマとして強烈に思い出しましたよ。
それを糧に今回はマップの繋がりとかちゃんと意識して攻略したので、モンストロステージの苦手意識は霧散しました。20年(経ってるかな?)越しのトラウマ克服(笑)
あの頃はディズニーの世界を冒険できる、ディズニーキャラクター達に会えるっていう要素は、今の自分が感じてるよりもよほど強烈に、ゲームに求めていたと思います。
だからね、一つの世界で、一つのストーリーを終えると、途端に寂しくなったのを覚えています。ディズニーキャラクターたちがやいのやいのするムービーはまったくなくなり、がらんどうな世界にぽつんと立って、一言二言セリフがあればいい方で、陽気なBGMのくせに歩けばハートレスばっかり出てくる空虚な世界に虚しさを覚えたのを覚えています。アグラバーの世界とか、上に下に結構探索のし甲斐のあるマップで、しかも街中なのに、アラジンもジャファーも誰もいない、街人すらいないじゃないですか。
不思議と、今回はそんな感覚はなかったんですけどね。
きっとあの頃は寂しかったんだろうな(笑)
ミュージカルがあれば、もっと華やかでディズニーっぽくなったと思うけど。まぁ、無理よね(笑)
宇多田さんの歌も当時話題になったし、私もずっと覚えてますよ。ずっと好きです。でも、改めて聴き直すと、やっぱり違和感は否めないなぁ。キンハーの世界観に宇多田さんの透明な歌声はすごくよく合ってるんですけど、歌詞とその内容はこれ以上ないくらいにリアルで、現実を思わせますよね。
当然、その辺も意図してのことなんでしょう。シークレットムービーもそう思わせる節があるし、たぶん、キンハー世界に存在する無数の世界には、「現実の世界」も存在するんじゃないかな。
とりあえずこれからどうなるのか、楽しみです。
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