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2021年11月05日

474.Aragami

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「アラガミ Shadow Edition」のレビューです。

 毎度毎度申し訳ないと思いますが、最初にこれだけ言わせてください。
 実はこのゲーム、私ずーっと狙ってたんですよね、ムヘヘ。
 ジャンルはステルスアクション。MGSを始め、天誅やヒットマン、ディスオナードやスプセルなど、ステルス好きのあるへとしては欠かせないタイトルですよね。ね?
 もうね、随分前から、下手すると私がXbox Oneで遊び始めた頃から目をつけてたかもしれないです。でね、これ面白そうだなぁと思って、ずーっとセール来ないか待ってたんですよ。しかし待てど暮らせど来ない来ない。
 いやまじで、私が本作を見つけたのが何年前か忘れましたけど、それから今の今まで一度も割引セールきたことないですよ。
 だもんだから私も半分諦めてて、いつかどうしてもやりたくなったら定価で買おうと、そう思ってたんですよね。

 それがついに、なんとセールを通り越してGwGで無料配信されるという!
 あ、ちなみにそのGwGはとっくの昔に過ぎたんで、今は通常の値段に戻ってますよ。……悪しからず。
 あの時ばかりはGwGよくやった! と拳を握りしめましたね。あの頃ちょうどAragami2の開発がアナウンスされて、その記念だったのかなと思ってます。

 と、鼻息を荒くして語ってしまいましたが、ではそれほどの神ゲーだったのかというと……、いや、まぁ、今回の件はゲームそのものの面白さというよりも、価値というか、私の個人的な勝利という感じで(笑)

 いやいや、ちゃんと面白かったですよ。便利なスキルが集まっており、難易度はそれほど高くないですが、王道をきちんと踏まえた正当なステルスアクションゲームでした。
 収集物にあたる巻物から読める情報も豊富で、隠しきれない拙さは残りながらも意外と手の込んだストーリーになっており、面白かったです。
 本編の前日譚となるNightfallは本作に最初から組み込まれており、こちらのストーリーも本編に繋がる物語として一定以上の面白さをきちんと持っていました。

 じゃあ何がって……。
 そらねあなた、やってみりゃわかるよ(笑)
 ぶっちゃけ、受け入れられるかどうかの問題なので、気にならない人は最初から気にならないのかもしれませんが。
 世界観がね。マジぶっ飛んでました。

 主人公、そして本作のタイトルとなるアラガミ、漢字で書くと「荒神」。
 ゲームを全く触ったことのない人からすれば、PSの名作天誅を思わせる和風ステルスアクションを期待するんじゃないですか?

 実は本作の舞台は、どう考えても「和」ではありません。
 その実態は「中華」に近いです。名前の付け方だけが非常に「和」なのです。それも言ってしまえばかなり近代的な。
 と見せかけて、このゲームの根底に流れるスピリットは「洋」そのものなのです。
 言いたいことわかりましたね?
 そうです、本作は欧米人が考える「アジア」を一緒くたにして、詳細な検証もなくイメージだけで作り上げたアジアンファンタジーなのです。
 ついでに言えば製作者の頭の中にある架空の日本とはすなわちナルトの世界です。

 そこに気付けば、まぁそんなもんだろう、と受け入れることは可能でしょうが、本作は「荒神」そして「アラガミ」と日本的なインプレッションがまず最初にあって、なかなかその外側、あるいは内面に気付けないようになってます。

 私個人の感覚で言えば、なんちゃって洋風ファンタジーが好きでありながら、日本を題材にするときはきっちり日本と中国を分けて、wabisabiを理解しろとか、ずいぶん勝手な言い分だと思ってますが、そうなっちゃうんだから仕方ないでしょ。お陰でゴースト・オブ・ツシマも嫌悪感抱いてますよ。
 でもね、それはそれとして、遊ぶときは面白ぇーなーって、ちゃんと別の視点で楽しむこともできます。
 布団はどこだ、これはベッドだ、とか、こんなところに鯱(しゃちほこ)は置かないとか、三重も五重も無視して七重の塔とは……とかね、いろいろ突っ込みながら散策したんで、楽しかったです(笑)
 ヒカル、ソラ、ユウキとか、Youtuberかよっていうwww
 本編ではダサいとは思いながらもダークダガーと訳されてた単語が、Nightfallになってダクダガとか呼ばれ始めたときは耐えきれませんでした。

 そんなね、売れてるようで売れてない芸人みたいなね、哀愁を感じさせてくれるゲームでした。

 ただ、最初に断ったように本作は大分昔に制作されたゲームです。コンセプトとしては十分今でも通用する面白いエッセンスを含んだデザインですが、プレイの感覚はやはりXbox360を遊んでるかのような軽さとチープさを感じます。
 シャドウリープと呼ばれる、ディスオナードのブリンクのような、ワープが移動の基本になっており、陰から陰へ、瞬時に移動できる快感は他になく、使いこなせるようになるとかなりの長距離から敵の元へ肉薄し、ステルスキルを決められるのは本作ならではの楽しみといえるでしょう。
 ディスオナードはマナの概念がありますから、そんな気軽にブリンクできないんですよね。
 移動速度が遅すぎると感じるのも、シャドウリープの存在を浮き立たせるのに一役買っています。
 影さえあれば割とどこへでも、影がなけりゃ自分で作るっていうコンセプト、かなりアラガミならではって感じのシステムで素晴らしいと思います。
 ただ、このやり方次第で悪戯もできちゃうこのシステムを始め、様々なアクションの制御というか、スクリプトがね、古いゲームっぽく、あるいは洋ゲーっぽく、大味なんですよね。
 どのように大味なのかはうまく説明できないけど、古き良き洋ゲーの良し悪しを内包してるというか……ごほん。

 難易度設定はありますが、特に実績で指定はされないし、楽しみながらそれなりに遊べ、それなりに歯応えを感じ、楽しんだままコンプできた良作でした。
 2は、どうしようかな。なんだかんだでやっぱり、もっと深くまで知りたいとは思わない世界観だし。GwGで配信してくれたら確実に遊ぶんだけど(チラッ)

 あ、そうそう。Nightfallのステージでいきなり「越後屋追走劇」が始まった時は爆笑してしまいました。
 大半の人はわからないと思うけど(汗)
 わかる人は天誅マニアですね。
 全体のゲームデザインなんかでも感じたけど、制作陣はMGSより天誅派なんだなって思って、少し好感持ったりしました。


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