おはようございます。あるへです。
今回のレビューは「スリーピングドッグス」についてです。
このゲームをざっくりと紹介するならば、製作者たちが自分たちもオープンワールドゲーを作りたいと思い、その中でも大作「GTA4」をリスペクトし、忠実にオマージュした作品といえるでしょうか。
公式サイト
実は私、「GTA」より先にこちらのゲームを攻略しましたので、その時にはこれがオマージュだなんて知らなくて、純粋に面白いゲームだと思ってプレイしていました。
それから少し経ってからGTA4をプレイしたのですが、そこでようやく、GTAの様々な部分がスリーピングドッグスと似ていることに気付いたんですね。
本当は逆ですね。スリーピングドッグスがGTAを真似て作られたんです。ただ、二つのゲームをプレイしてみて、私にはこれがただのパクリには見えませんでした。
細かいところでは例えば、自宅に帰って眠るとオートセーブが入るシーン。就寝の仕方や目覚ましで起きるところなど、GTA4のニコにそっくりです。
街中でタクシーを使ったファストトラベルも、GTAをやる前までは斬新かつゲームに溶け込んだ自然な方法だなあと感心したものですが、実はすでに使われていたシステムだったんですね。
さらにはメインミッションにおいても、とある友人の結婚のシーンですとか、憎めない親友キャラとか、よくよく考えてみるとGTA4と被る要素が多々見つかるわけです。
……もしかしてちょっと探せばスリーピングドッグス開発において、GTA4を参考にしたと明言された情報が見つかるのでしょうか。私は知りませんが。
そして、これらGTA要素を丁寧に拝借しつつ、スリーピングドッグスらしさを発揮している要素もあります。
たとえば主人公の強さです。本作品は舞台が中国ということもあってか、接近戦を意識した作りになっており、銃撃も非常に強力ですが、まるでアクションや格闘ゲームかのようにパンチやキックを生かしたコンボなどがあり、非常に強力に仕上がっています。このパンチやキック、とある条件を満たすことで覚える特殊な格闘技が、またスリーピングドッグスの良いところであり、プレイしていて気持ちのいいポイントです。先も述べたとおり主人公が強いですので、多少の無茶プレイも楽しめます。
また、移動は小走りが基本ですし、車の挙動もリアルよりもゲーム部分への調整が強いです。カーブは滑りにくいですし、ブレーキの利きも強いです。何よりカーチェイスのための要素も味付けされていまして、走行中の車から車へ飛びついてそのまま運転席を強奪するカージャックや、横につけた敵車を瞬間的に体当たりして廃車にしたりと、GTAのリアルすぎるがゆえにストレスの溜まっていた仕様を、克服しようとする姿勢も見られ、とても楽しかったです。
ミニマップの中に警官の位置と知覚範囲が表示されるのも、非常に良い改善だと思います。
このように、スリーピングドッグスはGTAという大作をお手本に、良い所は吸収し、悪いところは何とかしようという意気込みに溢れた好感の持てるタイトルです。
GTAと比べてしまえば安っぽく狭いマップ、人間味の感じないNPC、親切すぎるコレクタブル要素、ヤったら終わりの恋人たち、とまだまだ及ばない部分も多いのですが、任侠や善と悪の間で揺れ動く心など、ストーリーも光っており、個人的に本当に楽しめた作品でした。
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