DJ-【外国為替市場概況】
ユーロ急落、欧州銀行の懸念悪化
10月1日 7時25分
ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)30日の外国為替市場では、欧州銀行部門が厳しい状況にあることを示す兆しが浮上し、海外においてドル需要が高まったことから、ユーロはドルに対して大幅に下落した。
米国株式市場が29日の大幅な下げを部分的に回復したことでリスク許容度が高まり、投資家は低金利の円から資金を引き揚げたため、円もドルに対して下落した。
米議会が政府の金融安定化法案に間もなく合意するとの楽観的な見方が広がり、為替投資家は米銀行システムに対する懸念を材料視しなかった。
むしろ、世界的な信用収縮を背景として、銀行部門の諸問題が増幅した欧州のほうが、投資家の注目の的となった。アイルランド政府は、同国の銀行システム内にあるあらゆる預金を2年間保証するという前例のない手段をとった。一方、フランス・ベルギー金融大手デクシアの株価が29日に30%下落したことから、ベルギー、フランス、ルクセンブルク政府は30日、既存の株主とともに同行に対して64億ユーロの資本注入を行うと発表した。
ユーロは、ドルに対し0.04ドル以上も下げ、2週間ぶりの安値に当たる1.4008ドルの日中安値をつけた。
「(米金融安定化法案の)有効性に関する議論が続くなか、米金融部門が秩序正しい状態を回復するため、米当局は速やか動いているのは事実だ。米国の赤字拡大懸念に、米国外の金融システムに対する懸念がとって代わり、これがドルの支援材料になっている」とコモンウェルス銀行のチーフストラテジスト、デブヤン・シャー氏は語った。
この日は、ドルに対する需要が強く、原油価格が反発上昇したが、ドル相場の下落にはつながらなかった。原油先物価格は30日に1バレル=100ドルを超えたが、ドルは引き続き堅調に推移した。
また、薄商いで不安定な値動きになっているため、容易にドル相場が急反発したとの指摘もあった。
NY市場終値 30日17時50分 (29日17時50分)
ドル 106円01-06銭 (104円02-04銭)
ユーロ 1.4122-25ドル (1.4416-19ドル)
英ポンド 1.7833-37ドル (1.8043-48ドル)
スイスフラン 1.1198-03フラン (1.0896-02フラン)
ユーロ 149円71-76銭 (149円96-00銭)
豪ドル 84円28-33銭 (83円25-29銭)
英ポンド 189円06-22銭 (187円68-78銭)
カナダドル 100円00-05銭 (99円64-69銭)
NZドル 71円12-26銭 (69円55-74銭)
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