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2024年08月08日

1220 マドロス帽




南の島は一年中温暖な気候である。しかし朝晩は冷える。
武蔵爺さんは有り金はたいてラクダのモモヒキとシャツを買った。
着てみるとこれがやたら暖かい。早速周りへ自慢して歩いた。
あまりの自慢に隣の金持ち爺さんが、ほんだらオイラは2着買うべ、と言って買い、着てみる。
これまたあまりの暖かさにモモヒキシャツ姿で自慢をして回った。
それが何時の間にか島中の人達が老いも若きも次々とモモヒキシャツ姿で歩くようになった。
あたかも島中が宇宙人ではないかと思われる位の姿になってしまったのだ。
観光客は港に降り立つとびっくり。宇宙へ来たのかと勘違いする始末だ。
ビヤダル状の杖をついた婆さん、ボケで帰る家が分からなくなってしまい観光客に、私はどこへ帰ればいいかねーと尋ねた。
観光客は宇宙人のイメージがあったもんでつい天を指差した。
婆さんはいきなり怒り出し、私はまだ死ぬ訳にはいかない、と杖を振り回して追いかけた。
あれれ〜と言う間に、婆さんは転倒して骨折してしまった
急いで救急ヘリを呼ぶが、当然事故なので警察も同乗して来たが、ヘリポートの周りの人達のラクタシャツ姿に何んだこれは、とびっくり。
とりあえずは怪我人をと急いで石垣島の総合病院へ運ぶ。
緊急入院するがなんと付き添いの人、見舞いに来る人達がこれまたラクダ姿だ。
病院でも話題となり、病院の爺さんが試しに着ると、なるほど暖かい。
爺さんはこれまた得意になって街中を闊歩するようになった。
映画好きな爺さんはその姿で映画館に行く。
当時は石原裕次郎のマドロス姿にパイプが超人気、爺さんはラクダももひき姿に真っ赤なマドロス帽を被り町内を闊歩する。

1219 節目節目




ココロ鏡は毎日引っ張り出す必要ありません。月に1度でいいからココロ鏡を呼び出し、
己がどのような人物なのかを己の目で確かめ確認する、ココロ鏡が大事です。
自分は人間としてどうあるべきか、どのような姿であるべきか。
そうです、ココロ鏡を呼び出す時、それは先程の禅の境地に入った状況で己をじっくり写し出す、
それこそ生きて行く上で大事な事ではないだろうかと考えます。
私は20代からこのココロ鏡を引っ張り出し節目節目を確認して生きて来ました。
人口700人前後の小さな島でランプで育ち、隣の人口4万人の石垣島へ渡る事が一番の夢でした。
石垣島には映画館が3つもありネオンも商店街も市場もあります。
高校出る事によって3年間その島で生活し、卒業と同時にテレビの仕事に就きたく上京します。
石垣島の高校には理系コースが無いため商業科コースを卒業し今度はテレビの為、出直し理系科へ。
開設したばかりのカラーTV専門コースに通います。
食う為、昼間は力仕事、2年間夜間学校へ行きますが全んど疲れ果てて勉強どころではありません。
そしてテレビ局入り、いきなりテレシネ、マスター部門と言う、当時のIT最先端の放送局送信心臓部へ配属されます。
1年後にIBMのコンピューターが導入され、コンピューター分野まで携わる事になります。
あまりの変化にどうも付いて行けそうにもない、と悩み自信喪失状態。
その折、ココロ鏡を引っ張り出し、己の置かれている状態、立ち位置などココロ鏡に写し出し考えました。
人口700人の島から4万人の石垣島で高校3年間、そして東京で夜学2年後、放送局へ入ったのです。
そんな中で己のココロ鏡と対峙し、気がつくと島を出て5年後、自分の作った番組が北海道から沖縄迄、そうです全国のお茶の間へ届く、気が付いた時点で自分は何時の間にか一億人の人を相手にする立場の仕事をしていたのです。
自分のやった仕事が一億人の人が見ている、そうです一億人の人が見つめる舞台に立っていたのです。
例え端役ても通行人役でもいい。
何時の日か、まかり間違って一億人が見つめる主役に成るかも知れない、と馬鹿げた事を考え、この仕事を生涯の天職として全うしようと決めたのです。

 1218 ココロ鏡 




これからも己の人生ドラマを、どう展開させていくのか本気で考えるべきではないだろうか。
そして己との対話、己の人生ドラマの進行状況を写し出す上で最も大事なのがココロ鏡です。
皆さんは毎日鏡で己の姿を写し出し、見ているでしょう。
特に女性の方は手鏡などでその都度己の顔を写し、手直しをしたりするのは言うまでもありません。
私はここでもう一つの鏡の存在を提案いたします。
それはココロ鏡です。
己の顔だけではなく、己自身がどのような姿をしているのだろうか?
前後左右上下、あらゆる角度から己を立体的に見つめる、それを私はココロ鏡と呼びます。
己はどのような姿で周りから見られているのだろうか、性格はケチな奴なのか、ガツガツした人間なのだろうか。
自分本位の人間では無いだろうか。
あるいは時の流れに逆らっている奴なのか、時の流れを捉えられる人間なのか女なのか。
一方的に自分しか主張しない人間がいたり、ただ周りに迎合。
こいつは人間では無いのではないかと思われるくらい優柔不断でどうしようもない人もいます。
やたらと人を嫉んだり、被害妄想的な発想の人がいたり、人が苦しい状況にある旨を喜んだりする人間がいたりします。
自分は悪くない周りがみんな悪いんだ、と主張する奴もいれば政治が悪い国が悪い。
自分は悪くない世の中が悪いなんて訳の分からない事ばかり言ってる人もあるかと思います。
さて自分は本当にどのような姿で周りに写っているのだろうか、仕事の上だとかあるいは家庭の中。
あらゆる方面から己を写し出すココロ鏡が大事ではないかと思います。

 1217 寝禅




座禅と言う言葉がある。
禅と言えば、あぐらをかいて体のバランスをとって行うもの、と言うふうにおおむね解釈されているが、
私は禅と言うと寝禅が一番ではないかと考える。
寝た状態で足を半開きにし、軽く胸に手を添える。
この状態こそが体の関節や臓器すべてに均等に重力がかかる。
人間は生きている間かなりの時間寝ている時間がある、その時間は節々や関節や臓器に重力がかからない事になり、
そのこと自体が人間が一番休まる時間だと考える。
騙されたと思って一度行って頂きたいのは、夜寝る時に目を軽く閉じ、両手を胸に軽く添えるとかすかに鼓動が感じられるであろう。
その状態で目一杯息を吸い込み、そしてまた最後の一滴まで雑巾を絞り出すように息を吐く。
それを30回ほど繰り返してみよう。
今迄に経験した事がないくらい体全体が軽くなり、頭が空になるだろう。
そのまま軽く目を閉じた状態でしばらくゆっくりと息を吸い込みゆっくり吐き出す。
その行為を20分程していると、おそらく本当に今まで経験した事がないくらい頭の中が空になるだろう。
それこそが本当の、禅の境地と言えるのではないだろうか。
ゆっくりと目一杯パンパンになるまで息を吸い込む、そしてゆっくりと雑巾を絞るように最後の1滴まで息を吐く、
その行為を30回程繰り返し、その後はゆっくりと吸い込み、またゆっくりと息を吐く行為を20分程繰り返していると、
殆んどの人が禅の領域に入る。
大事な事はその後である。果たして今まで生きてきた自分はどうだったのだろうか。
己の人生ドラマはうまくワンカットワンカットが作れているだろうか。
鼓動との対話が大事です。
母は何のため10月10日も体内で貴方を育み、そして何の為に乳を与え、おむつを取り替えて育てあげて来たのだろうか。
己は母の期待に答えられているのだろうか、母に本当に心底誇れる自分なのだろうか。
己との対話、鼓動対話が一番重要ではないかと思います。
 まだらボケ
おん年 八十 まだらボケ
娘と女房境目なし・
じーと見つめ ウインクする・
何すんのよ!
キモイ スケベーオヤジ 入院だ!
一喝 ショボタレ し・失禁だ〜
お〜い 酒!
朝から ふざけるな!
二喝目 ショボタレ・タレ・・タレ・・・・
お〜い お茶!
・・・ヨシ! 
入院取りやめ! 
・・妄想家族 団欒編

1216 ゴキブリ娘




片やゴキブリ娘はとうとう両親も他界し、今でも一人で相も変わらず奇声を発しているそうだ。
そしてその家は名実ともにゴキブリだらけ、ゴキブリ館と呼ばれているそうだ。
人生全てゴキブリとの格闘、神から授かった子宮は一度も使われず南端小島で墓場行き。
人生とは何か、と考えさせられます。
あだ名は体を表すのかな・・・・・
島ではその人の特徴を捕え、ユニークで覚えやすいあだ名を付けて呼ぶ習慣があった.
ひかるが生まれた当時、母は戦争最中の食糧難の小島、乳が出ない為ヤギの乳を飲ませ育てた。
ひかるの神様はヒツジ歳だが、ヤギである。
のちに牛の乳を飲ませる習慣が入ってきた。
島で女の赤ちゃんが生まれ、不幸にも母親が亡くなってしまった。
島の人は見た事もなかったが、初めてその子に牛の乳を飲ませて育てた。
女の子だったが島の人達はその子の事を、牛の乳で育ったので牛若丸とあだ名を付けて呼んだ。
女牛若丸誕生だ!
そのうち子供が生まれると次々と牛の乳を飲ませて育てるようになり、結果的に島牛若丸が次々と誕生したのである。
名前を呼ぶのに牛若丸五号、牛若丸六号、なんて事になり、このあだ名は不都合が生じ封印されてしまったが、最初の子は元祖・女牛若丸と呼ばれた。
島には川は勿論、水溜まりも橋も欄干もない。
牛若丸はピョンピョンどこを跳ねていたんだろうか。
石垣を跳ね飛んでいたのだろうか。
石垣を飛び交う牛若丸・・・絵になるなあ〜
子供は島で育つと年頃に島を飛び立っていく。
女牛若丸は飛び跳ね過ぎたのだろうか。アメリカへ渡って現地で結婚。女の子二人をもうけた。
娘が大学の卒論にと自分のルーツを求め島を訪れた。やはり顔は女牛若丸、母親そっくり。
島ではその日のうちに伝令が走った。
女牛若丸が島に舞い戻ったぞーと。
当の本人は何んで自分が牛若丸なのかチンプンカンプン。
娘はアメリカと日本の架け橋たらんと東北へ赴き、震災後の復興に取り組む。
アメリカからのボランティア受け入れ窓口として日本語英語で活躍しているとの事です。
日米の架け橋の欄干で女牛若丸はぴょんぴょん跳び跳ねていた。

1215 アイロン娘




南国の小さな島の人達は普段、作業着姿で取り立ててオシャレなど無縁だ。
20歳になったばかりの千恵子は、育ちの良いオシャレな女の子である。
洋服はいつもピシャリとアイロンがけをし、周りからも羨ましがられる存在だ。
いつの間にか千恵子は、アイロン娘と呼ばれるようになった。
隣村に同じ歳の容姿淡麗、千恵子に勝るとも劣らない一人娘の町子がいた。
どういう訳か町子の前を通ると、時々奇声を発するという。
なんで奇妙な声を出すのかと聞くと、町子はゴキブリが大嫌いでゴキブリを見ると、ほうき片手に格闘するという。
案の定、町子はゴキブリ娘と呼ばれるようになってしまった。
この島では本名よりあだ名の方が羽振りを聞かせる。
アイロン娘、そしてゴキブリ娘と二人は呼ばれるようになってしまう。
このあだ名が命運の分かれ道だったのだろうか。
アイロン娘は早々と結婚するが、ゴキブリ娘は嫁の貰い手がなく、とうとう行かず後家になってしまった。
アイロン娘は年頃になり美容師の勉強をする、と東京へ出る。
そして結婚をするが、何と嫁いだ先がクリーニング屋だったそうだ。
アイロンがけは評判もよく、クリーニング屋は大繁盛。
いつの間にか全国にチェーン店を持つ、大きなクリーニング屋さんになったそうだ。
アイロン娘は可愛い女の子を授かるが、血筋なのかその子もまたアイロンが好きでいつもアイロンがけした洋服を着ていたそうだ。
ばーちゃんとなってしまったアイロン娘は、いつも孫に我が家の家宝はアイロンだぞと話しているそうだ

 1214 父狂った




我が家では女房と娘が台所で握りを頭の上でパッと開く、また目が会うとその動作を繰り返しニタニタする。
どうも父狂ったの合図らしい。
自慢じゃないが、もともとひかるは本を読んだ事がない、と言っていい程文章とは縁がない。
部屋には一冊も蔵書がない、あるのは一冊、百円ショップで買ってきたスピーチの小冊子のみ。
高校は理系に行きたかったが南端の高校には無く、やむなく商業科を出、出遅れ人生で、闇雲に好奇心の追求のみ。
休日はゴロゴロ這いずり、トド様と呼ばれる。
ITの世界に革命が起きているからとて、物書きを始め個人放送局を立ち上げる、と挑戦する事自体おかしい。
本当に狂ってしまったのだろうか、と自分でも思う。
皆さん、このブログの文書、気違いブログかな????
がしかしまてよ、やってみなければ答えは出ないだろう。
試行錯誤しながらもこのサイトは一千五百万ビュアー突破しているぞ。
世の中には物書きを目指す人、やっている人達は何をしているのかな?
どんなに素晴らしい文書でも人に見てもらえなかったら意味ないぞ。
早もの勝ちだぞ。
文系に無縁な人でもブログで書きまくろう、とんでもない結果が出るかも・・
文章とは貴方の深層心理、幻でもいい、奥に潜むシーンを第三者に分かるよう活字を並べればそれで済む。文法、作法なんて考える必要なし。
皆さんの周りにカラオケで、よくぞこれ程外れるのか、どうやったらそこまで音程を外す事が出来るのか、どうしてもそのど音痴は真似が出来ない、という人がいるはずだ。
だからカラオケが面白く味がある、というものだ。
ひかるは上下左右、どこから見ても文書ど音痴と言えるかもしれない。
がしかしひかるは超売れっ子作家顔負け、赤ペン入り丸めたわら半紙が部屋に所狭しで格闘する。
やけのやんぱち、存分に書き捲ってやるぞ!
仰げば尊し、我が師の恩・・
仰げば尊し、乙女の木登り・・
仰げば目に毒、屋根屋のフンドシ・・・
ガガ〜ン ?!

 1213 沖縄の瞳




皆さん、沖縄出身のアイドルと本土出身のアイドルでは、一つだけはっきりした違いがある。
さて、何んだろうか?
ほとんどの人が気付かないだろうが、実は瞳の黒さが違う。
沖縄女性は黒さが濃い、いわゆる瞳が本当に黒いのである。
白みは本土の人と変わらないので、濃淡がはっきりしていて、強烈に情熱的な感じを与える。
もし、本土の男性がこの黒い瞳で見つめられると、たぶん、イチコロだろう。
夜の渚で一番星が映える、と書いたのはこの事だ。
いや、私は間違った事を書いている訳ではない。
代々、沖縄のDNAを持っていれば、紫外線、直射日光などで、必然的に瞳は濃くなるのだろう。
雪焼け、という言葉がありゴーグルを使う、沖縄は夏場だけでなく、年中真っ白い砂浜、海面反射と日光だ。
子供はサングラスをするはずもなく鍛えられ、先祖から徐々に濃い瞳を引き継いでいくのだ。
子孫を保存するうえでも、いやがおうにも、瞳は黒くならざるをえない。
子孫を残すため、女性の瞳が濃ゆくなったのだ。特に女性で、男性には感じられない。
沖縄女性は男を見る目が特に鋭いのかな?
私も沖縄の血が入っている。沖縄女性から目もくれなかったが結婚相手が江戸っ子だったので辛うじて結婚できた??
北欧の青い目の人がこの島は眩しくて住み着けない、とかなり濃い水中メガネ状の光の漏れないサングラスをして観光している。
本土の人が島へ行くと、眼科で瞳孔を開く薬を使用した状況で、ノーサングラスでは無理だ。
そんな中、裸眼で海辺で遊ぶ子供を見ると納得。
典型的なタレントで、南沙織さんなぞは瞳の黒さ分かるであろう。
往年の大空まゆみや、夏川リミや仲間ゆきえ、宮里藍、石田ゆり、ひかり姉妹等、テレビで見るより実物を見ると、なるほどと八割がた納得するだろう。
安室奈美江、黒島結菜もいたな・
これまた、大発見、黒い瞳の情熱的な沖縄ミドウン(女性)
最近沖縄人のゴルフや高校野球など、屋外での小さな球技での活躍は、たぶん視力もプラス要因になっているかも?
特に陽射しが厳しい夏、ゴルフで沖縄ミドウンが活躍するが、野外でボールを見、焦点を絞った時、輪郭や凹凸、本土の女性よりはっきり見えるはずだ。
そのうち卓球でも沖縄ミドウンがデビューするでしょう。
沖縄ミドウン
命短し、恋せよ男!
行こう、沖縄へ!
骨密度を研究している人が、沖縄出身者は魚貝類を食べているせいか、日光のせいか高い、との事。
瞳を研究している人いないな...

 1212 ケツ捲くり




二泊で川治温泉ツアー旅行へ行った。
ウイークデーとあって老人だらけ。
新宿発、上野経由で上野から乗った。
高速道路で、予定外にお客のトイレタイムをとるとのアナウンス。
70歳くらいのばーさんがパンク状態で路肩へ降りると、後からじーさんが追いて行く。
もどかしくガバッとケツを捲くると、これまたタイミングよくじーさんが傘をパッと目隠しに広げる。
あれれ?
透明のビニール傘、まる見えだ。
ワッと言うどよめきと溜息。
スッキリしたばーさんは、じーさんと手を取りニコニコ顔。
夕食は、大広間で其々膳をとる。
じーさんは食欲おおせいで、ばーさんの善にまで箸を出す、二度もご飯のお代わりを大声でとる。
翌日の夕食は、さすがに中居さんも心得、おひつごと置いていった。
三日目、午後3時出発とあって、昼食後、帰る前の温泉で混雑していた。
すると、女の声がする。
混浴ではないぞ?
よく見ると、あの石臼ケツのばーさんだ。
じーさんと二人、ゆかた姿、おまけにスリッパびしょびしょのまま。
洗い場を端から端まで点検、部屋のカギがないとの事で探している。
とうとう二人は浴槽を見定め、この中にあるはずだ。
温泉を抜こうと手に手をとって行動開始。
おい! 全員風邪を引くぞ!
割腹のいい年寄りが、とうとう切れた。
お前ら!フロントヘ行け!
何も悪い事してないのに何んで怒るのよ、とすごすご退散。
この分だと帰りのバスで何か起こるな、と期待していたが二人でゴーゴーといびきのハモリ。
息が合う、麗しき夫婦愛。
しかし、やはり事件は起きた。
上野へ着くとじーさんは、ここは自分の家ではない、自分の家は川治温泉だ、すぐに引き返せと言い寄る。
ばーさんは一泊しかしていない、もう一泊あるからすぐに引き返せ、と。
麗しき夫婦愛。
例のじーさんが再度切れた。
運転手の首根っこを捕まえ、こいつらここで降ろせ!と。
この二人今夜中に家へ帰れるか、鍵は?
素晴らしい映画のクライマックスシーンを時間切れで見れない感じで後ろ髪を引かれる。
終点、新宿まで行って結末を見たかった。
末期老人語録・・・より。
老夫婦、二人でボケれば、敵なしだ!
老夫婦、二人でボケれば、キミ麻呂だ!
老夫婦、二人でボケればメルヘンだ!
老夫婦、二人でボケれば極楽だ!

 1211 老人天国



 
スポーツクラブで泳ぐのを日課にしているが、平日のクラブは老人天国だ。
サウナに入った後、平面ガラス張りの広い部屋に10人が腰かけられる総鏡張りの前で、ドライヤーが使えるようになっている。
何気なく見、腰が抜ける程、ギョッとした。
ツルツル禿げのじいさんが3人、その前でツルツル頭にドライヤーを当てているではないか。
鏡に映る顔と、ツルツル後頭。
ガン首、シャレコーベが六つ並んで、しかも裸体で、こっちを見ている光景に見えたのだ。
一瞬、あの世へ来てしまった、と感じ、心臓が止まる思いだった。
異様なる光景とは、その事だろう。
何も毛の無いツルツル頭に、ドライヤーを使う必要ないだろう。
せっかくエコに到達できたのに、電気代の無駄だ!
自宅では、ドライヤーを使わないだろうに、タダだからと言って何の意味がある・・
ヤケドするだけだぞ・・
老人大国、平日、喫茶店に行き、タバコをふかしていると、スリ硝子で仕切られた禁煙席に、ばあさん軍団が、けたたましく入ってきた。
耳が遠いのか、親分肌のババーが、店内に響きわたる声で、しゃべくっている。
ねーねー丁目の山本さん、バイドクじゃない。
バイドクは、頭が禿げるんだって・・
子分・・それって、エイズの事じゃない。
そうそう、そのエイズよ・・
若い頃、東南アジアへ単身赴任。今は、奥さんとも、うまくいっていないみたいよう・・
と、山本氏の話題で、大変な盛り上がりようだ。
その内、私の隣にいた、かわいい毛糸の帽子をかぶった男が、ソワソワ動き出した。
親分の前へつかつかと行き、バサーと帽子をとり、一人一人なめ回すように、睨みつけたのだ。
そう、話題の山本氏だったのだ。
殺傷事件が起きかねない、異様なる雰囲気である。
山本氏の後姿は、肩まで怒り狂っているようで、勘定を払って出て行く。
その後姿を見送ると、親分肌のばあさんは、前にもまして、大きな声で言い放った。
何もエイズだと、決め付けた訳でもないのに、失礼だわ!
睨みつけられる覚えは無いはずよ、と。
おい! ばあさん、あんたに反省の気持ちは無いのか・・
ボケも入ってきているのであろう。
老人大国の日本、そろそろ、ボケ法の制定をしないと、国はなりいかなくなるぞ・・
30年間もオカマを通し、女に成りきった男がいた。
酒の席で、色気も全く感じられない、お前は女に成りきれない、男だ、と言われる。
ボケも入ってきており、感情の上下が激しくなっている男は、相手を刺し殺した。
さて、問題はこれからだ。
心身共に女になりきって、殺人までおこしたこの人物を、男部屋に収監したら、罪になるのか・・
女部屋に収監したら、罪になるのか・・
皆さんで酒の肴に、議論してほしい。
いずれ貴方は、裁判員になる可能性がある。
今の内から、勉強しておこう。
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