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2017年09月24日

『話す』 日本語の会話や作文からやさしい翻訳へ3

1.2 ビジネス会話

 「ビジネス日本語会話」では、学習者に初級が終了した日本語のレベルを求めている。ビジネスは、「ある組織に属している人が、同じ組織または外部の人とその組織の機能または目的を達するために何らかの関わりを持つ行為」と定義され、様々なビジネス上の場面を通して、組織の「うち、そと」とか上下関係のような対人関係で変化する日本語固有の待遇表現を取り上げている(ビジネス日本語会話)。日本語は、直接表現を多様する中国語と異なり、コミュニケーションの際に断定表現を避けながら、間接的な表現を用いることが多い。これは、対人に対してできるだけ丁寧に振舞うといった日本のビジネスルールによっている。
 各課の構成は、ビジネス上のダイアログ(中国語訳付)、語彙、重要な表現(使い方の説明や例文あり)および練習からなっている。ここでは、一課を6コマで終えるケースを想定して教案の説明をする。最初に、新出単語を音読してからダイアログを音読する。ダイアログの背景やキーワードも合わせて説明していく。ここまでで30分から35分である。 
 次に、重要な表現を説明する。取り上げられている表現の数にもよるが、このパートは、30分から35分である。最後に、練習問題を扱うが、この課の重要な表現について場面を想定しながら使用する練習である。慣れるまでは、教師と学生が一対一で練習する。その際、テキストにあるビジネス会話を少し拡張させることもある。このパートは、60分から70分ぐらいである。

花村嘉英著(2017)「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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