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2017年12月30日

日本経済入門の講義1

1 はじめに

 2015年冬学期に、中国の寧波市にある寧波大紅鷹学院において、日本語専攻の4年生を対象に日本経済入門のクラスを担当した。その時に使用した教材は、楊立国編(2011)の「日本経済入門」である。
 楊立国編(2011)の「日本経済入門」は、序章を除いて二部構成である。第一部は、戦後の日本経済の成長の足跡について、第二部は、日本の現在の経済構造について説明している。まず、第一部では、敗戦からの復興(1945−1955)、高度成長期(1955−1973)、安定経済の成長期(1973−1985)、バブル経済期(1985−1990)、バブル崩壊後の日本経済(1990−現在)と分けて、それぞれの時代でどのような問題があり、それをどのように解決したのか論じている。一方、現在の経済構造については、日本の社会保障、日本の財政、日本の金融、日本の産業構造そして国際貿易と日本円がテーマになっている。
 毎回、学生が本文を1ページ読み、私が要約しながら解説を入れていく、この繰り返しで授業を進め、月に一度、学生に宿題を出す。宿題は、教材に出てきた図表を学生が説明するというものである。スコアは、平時と期末に分けて判定する。平時は、出欠、音読、宿題で判定し、期末は、レポート形式の試験をする。そして、両方を合わせて、一つのクラスでもできるだけ総合判定にもっていく。
 以下では、私の関心のあるテーマを中心にして、各章末にある課題の解き方を説明する。特に、第二部の現状の日本の経済構造に関する問題を解くことにより、教材の内容の理解度を深めていきたい。

花村嘉英(2017)「日本経済入門の講義」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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