2020年03月31日
心理学統計の検定を用いて志賀直哉の「城の崎にて」を考える5
表2 具体度
今自分にあの鼠のようなことが起こったら自分はどうするだろう。自分はやはり鼠と同じような努力をしはしまいか。自分は自分の怪我の場合、それに近い自分になった事を思わないではいられなかった。→小さい努力1、大きい努力2 直哉1、鼠2
自分はできるだけの事をしようとした。自分は自分で病院を決めた。それへ行く方法を指定した。もし医者が留守で、行って直ぐ手術の用意ができないと困ると思って電話を先にかけて貰う事などを頼んだ。→強い努力2、努力なし0 直哉2、鼠0
半分意識を失った状態で一番大切な事だけによく頭の働いた事は自分でも後から不思議に思った位である。しかもこの傷が致命的なものかどうかは自分の問題だった。然し、致命的なものかどうかを問題としながら、ほとんど死の恐怖に襲われなかったのも自分では不思議であった。→強い努力2、努力なし0 直哉2、鼠0
「フェータルなものか、どうか?医者は何といっていた?」こうそばにいた友が訊いた。「フォータルな傷じゃないそうだ」こう云われた。こう云われると自分は然し急に元気づいた。亢奮から自分は非常に快活になった。→小さい努力1、努力なし0 直哉1、鼠0
フェータルなものだと若し聞いたら自分はどうだったろう。その時分は一寸想像できない。自分は弱ったろう。然し普段考えている程、死の恐怖に自分は襲われなかったろうという気がする。そしてそういわれても尚、自分は助かろうと思い、何かしらの努力をしたろうという気がする。それは、鼠の場合と、そう変わらないものだったに相違ない。→強い努力2、強い努力2 直哉2、鼠2
花村嘉英(2020)「心理学統計の検定を用いて志賀直哉の『城の崎にて』を考える」より
今自分にあの鼠のようなことが起こったら自分はどうするだろう。自分はやはり鼠と同じような努力をしはしまいか。自分は自分の怪我の場合、それに近い自分になった事を思わないではいられなかった。→小さい努力1、大きい努力2 直哉1、鼠2
自分はできるだけの事をしようとした。自分は自分で病院を決めた。それへ行く方法を指定した。もし医者が留守で、行って直ぐ手術の用意ができないと困ると思って電話を先にかけて貰う事などを頼んだ。→強い努力2、努力なし0 直哉2、鼠0
半分意識を失った状態で一番大切な事だけによく頭の働いた事は自分でも後から不思議に思った位である。しかもこの傷が致命的なものかどうかは自分の問題だった。然し、致命的なものかどうかを問題としながら、ほとんど死の恐怖に襲われなかったのも自分では不思議であった。→強い努力2、努力なし0 直哉2、鼠0
「フェータルなものか、どうか?医者は何といっていた?」こうそばにいた友が訊いた。「フォータルな傷じゃないそうだ」こう云われた。こう云われると自分は然し急に元気づいた。亢奮から自分は非常に快活になった。→小さい努力1、努力なし0 直哉1、鼠0
フェータルなものだと若し聞いたら自分はどうだったろう。その時分は一寸想像できない。自分は弱ったろう。然し普段考えている程、死の恐怖に自分は襲われなかったろうという気がする。そしてそういわれても尚、自分は助かろうと思い、何かしらの努力をしたろうという気がする。それは、鼠の場合と、そう変わらないものだったに相違ない。→強い努力2、強い努力2 直哉2、鼠2
花村嘉英(2020)「心理学統計の検定を用いて志賀直哉の『城の崎にて』を考える」より
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