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2017年09月24日

野球狂の詩 第15話感想 「スラッガー藤娘」

初回放映:1979年1月15日

フジテレビ系


(ストーリー:ネタバレ)

国立玉一郎が歌舞伎の舞台の千秋楽で「藤娘」を演じている。それを見ていた父親も満足し、
今後の国立屋も盤石と喜んだ。しかし、玉一郎への贈り物として送られて来たバットを見た
父親は激怒する。名を名乗らずに送ってきた相手に心当たりがあったからだ。

父親の「弁慶」の稽古を間近で見る玉一郎と次男の玉二郎。父が去った後、玉二郎は父の演技
に迫力が無くなってきたと話す。途中、稽古中に父の型が崩れたことに気付いていた玉一郎で
あったが、弁慶は今でも国立屋の看板であると玉二郎に諭し、母親もそれに同意した。しかし、
玉二郎はもう「弁慶」は限界だと思うと言って席を立っっていった。

二人になった母は、玉二郎の言ったことを認め、玉一郎にこれからの国立屋を背負うのは玉一
郎と玉二郎だと話すが、玉一郎はそれに答えずメッツのキャンプに参加すると席を立った。

玄関で父親に野球を続けるなら(筋肉がついて体形が)女形から遠ざかるだけだと止められるが、
野球を極めてみたいと玉一郎は出かけて行った。

父親はメッツの鉄五郎とのかつての約束を思い出す。玉一郎が初打席でヒットを打てなかったら
国立屋に返すと。父親は鉄五郎の物腰から、「勧進帳」の富樫をやったら似合うと告げた。父親
はその顛末を妻に話し、長嶋茂雄でさえ初打席から四打席連続三振をしたのだから玉一郎にでき
るはずがないと告げる。そして、そろそろ玉二郎にも何か舞わせてみようかと話した。

開幕戦の国分寺球場。歌舞伎座で鑑賞後に国立球場に詰めかけた観衆も含め、満員のメッツVS
タイガース戦。玉一郎はスターティングメンバーには入っていない。投手はメッツからしか勝っ
ていないメッツキラーの大門寺。

大門時の調子は良くメッツ打線が振るわないため、観客は玉一郎の出場を要求する。メッツの投
手は岩田鉄五郎で、テレビで観戦していた玉一郎の父は老骨に鞭打って投げる鉄五郎の姿を自分
に重ね合わせ、「年か」とつぶやく。

タイガースが1点リードのまま最終回を迎えた。ストライクを取るたびに、にやけた顔をメッツベ
ンチへ向けてメッツナインの怒りを誘っていた大文字だったが、鉄五郎は大文字が実は玉一郎の
ファンで、玉一郎の顔を見ていたことに気付いた。試しに玉一郎に大文字に向けて笑顔で手を振
らせてみたところ、投球が乱れた。そこで五利監督は玉一郎をピンチヒッターに起用し、初打席
初ホームランとなった。それを見ていた父は、玉一郎の活躍する舞台が違うと狼狽する。そして、
歌舞伎の舞台と同じでプロの世界はどこも甘くはないと妻に告げるのだった。

父の言った通り、その後玉一郎は20打席連続ノーヒットとなり世間の評価も落ちていった。チー
ムもあと3ゲームの敗戦で最下位となる。五利と鉄五郎は玉一郎をスタメンから外す決断をした。

チームメイトの権田権介に誘われて権助の故郷の秋田料理の店の前までくると玉一郎は実家への
郷愁を覚え店に入らずに実家に帰ってみることにした。家では舞台の初日を翌日に控え、徹夜稽
古を行っていた。玉二郎は鏡獅子の初舞台を踏む予定だ。父親から芸というのは日常。毎日が命
がけの稽古だと追い返される。優しい言葉を掛けてもらえると思っていた玉一郎は落胆して劇場
を後にする。厳しい言葉をかけた父だが、従業員を通じて初舞台のチケットを渡され玉一郎は、
玉二郎の初舞台を見ることが出来た。玉二郎の無心の演技を見て決意を新たにする

権介と雨の中バッティング練習をする玉一郎。血豆を潰しながらも延々と練習を続ける。それを
スタンドから見守る五利監督と鉄五郎。

翌日のメッツVSドラゴンズ戦。最終回裏メッツの攻撃。国立がピンチヒッターとしてバッター
ボックスに立った。玉一郎はホームランを打った。玉一郎のユニフォームのポケットには勧進帳
で使う巻物を入れていた。ホームを踏むと父の演ずる弁慶を思って巻物を広げ見栄を切るのであ
った。




歌舞伎の名門の跡取り息子で女形としての将来を期待されながら、野球に魅せられプロ野球の世
界に入っていく国立玉一郎のメッツ入団のエピソードでした。どうしてプロ野球の世界に入ろう
と思ったのかの動機までは描かれていないため、そこまで描いて欲しかったと思いました。

玉一郎にホームランを打たれる中日ドラゴンズのピッチャーは背番号20のエース星野仙一でし
た。

玉一郎の家にあったオープンリールデッキのテープレコーダーが懐かしかったです。中学の放送
部の設備で扱ったことがありますが、カセットテープレコーダーの普及と共に廃れてしまいまし
たね。

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はじめまして。 映画が大好きで、現在も続いている午前十時の映画祭の第一回と第二回では上映作品100本全ての映画を鑑賞しました。 映画やテレビはたとえ架空設定のSFであっても、制作当時の時代を映しています。50歳を超えた今、特に邦画と日本のドラマは、過去の世相と風俗を振り返りながら観ていきたいと思っています。
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