2018年10月17日
陣痛のジンクスとは?焼肉、オロナミンCは効果あり?
臨月に入ると陣痛がいつ始まるのかと毎日ソワソワしますよね。「ここまできたら早く出産したい!」と考えて、陣痛が起こりやすくなる方法を探す人も多いのではないでしょうか。そこで、オロナミンCや焼肉など、陣痛のジンクスとして妊婦さんの間でまことしやかに囁かれている噂についてご紹介します。
陣痛・出産のジンクスはどうして生まれる?
陣痛とは、お腹の赤ちゃんを生み出そうとするときに起きる子宮収縮に伴う痛みのことです。陣痛は出産開始の合図で、母体と胎児の準備が整ったときに起こるものなので、自分の意志ではどうすることもできません。
しかし、出産予定日が近づく、あるいは出産予定日を過ぎると、「早く陣痛が来てほしい」と焦りが出てくることもあります。そうした焦る気持ちが、「●●をしたら陣痛が来た」というジンクスになり、妊婦さんたちの間に広まったと考えられます。
それでは、具体的にどのようなジンクスがあるのでしょうか?医学的な根拠があるのかもあわせてご説明します。
陣痛のジンクス1:焼肉やカレーを食べる
陣痛を促すジンクスで最も知られているのが食べ物で、特に「焼肉」と「カレー」が有名です。妊娠中に一度は耳にするほど有名なジンクスですが、これには医学的な根拠はありません。
これらのジンクスが生まれた背景としては、「出産後は焼肉を食べに行けなくなる」と考えて出産直前に焼肉を食べる妊婦さんが多く、そのタイミングで陣痛が重なりやすくなることが考えられます。また、カレーは香辛料が子宮を刺激してくれるというイメージから生まれたのかもしれません。
実際に焼肉やカレーを食べた翌日に陣痛が来たという声はありますが、あくまでも偶然です。どちらも高カロリーで臨月の妊婦さんの胃には負担になるので、そればかりを食べないようにしましょう。
陣痛のジンクス2:オロナミンCを飲む
オロナミンCはカフェインをはじめ刺激の強い成分が多く含まれており、出産直前に力を蓄えておこうと飲む人がいたことから、陣痛が促されるというジンクスが生まれたのかもしれません。
しかし実際には、オロナミンCにそれらの作用はなく、陣痛を促すことはないと考えられます。むしろカフェインが多く含まれているので、妊娠中の飲み物としてはあまりおすすめできません。飲みすぎないように気をつけてくださいね。
陣痛のジンクス3:ラズベリーリーフティーを飲む
ラズベリーリーフティーは、別名「安産のお茶」とも呼ばれ、子宮収縮に作用するといわれています。そのため、臨月に入ってからラズベリーリーフティーを飲むと、子宮収縮=陣痛が促されるという考えから、このジンクスが生まれました。
また、ラズベリーリーフの錠剤を使った調査によると、妊娠32週から分娩までの間に1日2.4gのラズベリーリーフ錠を飲んだ妊婦さんは、飲まなかった妊婦さんに比べて、子宮口が全開になってから分娩までにかかる時間が平均で約10分短く、鉗子分娩になる割合が10%ほど低かったことが報告されています(※1)。
しかし、ラズベリーリーフティーを飲むだけで、すぐに陣痛が呼び起こされるかどうかに関しての研究結果はありません。
陣痛のジンクス4:アロマの匂いを嗅ぐ
アロマオイルとは、植物の花や葉、果実、樹皮などから有効成分を抽出した揮発性のオイルです。元となる植物によって、安眠、鎮静、食欲増進など効果が異なります。
ラベンダーやジャスミンの香りは子宮収縮に作用するといわれているので、臨月にアロマを使うと陣痛が促されるというジンクスが生まれたと考えられます。病院や助産院でも分娩時にリラックスのためにアロマが使われることもあります。
ただし、アロマと陣痛の関係性についてははっきりしていないため、あくまで願掛けの気持ちで使うくらいがちょうどいいかもしれませんね。
陣痛のジンクス5:乳頭マッサージをする
赤ちゃんに母乳を与えるときにおっぱいを吸われると、その刺激で産後の子宮回復が促される効果があります(※2)。
そのため、妊娠中に乳頭を刺激すると子宮収縮が促され陣痛が起きやすくなるのでは、と考えられたのがこのジンクスです。たしかに乳頭マッサージには子宮を収縮させる作用がありますが、それが陣痛を引き起こすほどの効果があるかどうかにははっきりした根拠はありません。
乳頭マッサージは医師や助産師によって意見も違うので、自己判断ではなく相談してから行うようにしてくださいね。
陣痛のジンクス6:お迎え棒をする
臨月に性行為を行うことを「お迎え棒」といいます。精液中に子宮収縮を促すプロスタグランジンなどが含まれるので、子宮内に精子を送ることで陣痛を促すのではという考えから生まれたジンクスのようです。
しかし、臨月の避妊なしでの性行為は、胎児や母体が細菌に感染して、トラブルの原因となる可能性もあります。妊娠生活で特に制限がかかっていなければ臨月に性行為をすること自体は問題ありませんが、きちんと避妊をしましょう。
また、性行為中は無理な姿勢を取らないなどの配慮が必要です。
陣痛のジンクス7: 新月・満月・満潮の時期
月は、ほぼ29日周期で満ち欠けを繰り返しています。生理周期もおよそ28〜30日周期で繰り返すのでなんらかの関係性がありそうに感じますが、生理周期と月の満ち欠けの関連性は、医学的にはっきりわかっていません。
ただし、病院や助産院など出産の現場では「新月や満月の日に出産が重なりやすい」といわれているので、何らかの影響があるのかもしれませんね。
陣痛のジンクス8:階段の上り降り・スクワットなどの運動をする
妊婦健診で、医師から「階段を上って」「散歩をして」など、運動をするように指導される人もいます。運動が陣痛を直接的に引き起こすわけではありませんが、運動は子宮口を開きやすくし、股関節を柔軟にする効果があるので、陣痛との関係は遠からず、ともいえます。
安産につなげるためにも、臨月に入ったら適度な運動を日常生活に取り入れてみましょう。ただし、激しい運動はやめてくださいね。
陣痛・出産ジンクスはあまり考えすぎないで
なかなか陣痛が来ないと不安になってしまうものですが、赤ちゃんが「まだお腹の中にいたい」と言っているサインと考えて、あまり焦らないようにしましょう。
母体と胎児の準備が整ったときに陣痛は始まります。いつかは必ずそのときが来るので、それまではリラックスして、残り少ないマタニティライフを楽しんでくださいね。
※1 NCBI 「Raspberry leaf in pregnancy: its safety and efficacy in labor.」
※2 株式会社メディックメディア『病気がみえるvol.10 産科 第3版』p.365
陣痛・出産のジンクスはどうして生まれる?
陣痛とは、お腹の赤ちゃんを生み出そうとするときに起きる子宮収縮に伴う痛みのことです。陣痛は出産開始の合図で、母体と胎児の準備が整ったときに起こるものなので、自分の意志ではどうすることもできません。
しかし、出産予定日が近づく、あるいは出産予定日を過ぎると、「早く陣痛が来てほしい」と焦りが出てくることもあります。そうした焦る気持ちが、「●●をしたら陣痛が来た」というジンクスになり、妊婦さんたちの間に広まったと考えられます。
それでは、具体的にどのようなジンクスがあるのでしょうか?医学的な根拠があるのかもあわせてご説明します。
陣痛のジンクス1:焼肉やカレーを食べる
陣痛を促すジンクスで最も知られているのが食べ物で、特に「焼肉」と「カレー」が有名です。妊娠中に一度は耳にするほど有名なジンクスですが、これには医学的な根拠はありません。
これらのジンクスが生まれた背景としては、「出産後は焼肉を食べに行けなくなる」と考えて出産直前に焼肉を食べる妊婦さんが多く、そのタイミングで陣痛が重なりやすくなることが考えられます。また、カレーは香辛料が子宮を刺激してくれるというイメージから生まれたのかもしれません。
実際に焼肉やカレーを食べた翌日に陣痛が来たという声はありますが、あくまでも偶然です。どちらも高カロリーで臨月の妊婦さんの胃には負担になるので、そればかりを食べないようにしましょう。
陣痛のジンクス2:オロナミンCを飲む
オロナミンCはカフェインをはじめ刺激の強い成分が多く含まれており、出産直前に力を蓄えておこうと飲む人がいたことから、陣痛が促されるというジンクスが生まれたのかもしれません。
しかし実際には、オロナミンCにそれらの作用はなく、陣痛を促すことはないと考えられます。むしろカフェインが多く含まれているので、妊娠中の飲み物としてはあまりおすすめできません。飲みすぎないように気をつけてくださいね。
陣痛のジンクス3:ラズベリーリーフティーを飲む
ラズベリーリーフティーは、別名「安産のお茶」とも呼ばれ、子宮収縮に作用するといわれています。そのため、臨月に入ってからラズベリーリーフティーを飲むと、子宮収縮=陣痛が促されるという考えから、このジンクスが生まれました。
また、ラズベリーリーフの錠剤を使った調査によると、妊娠32週から分娩までの間に1日2.4gのラズベリーリーフ錠を飲んだ妊婦さんは、飲まなかった妊婦さんに比べて、子宮口が全開になってから分娩までにかかる時間が平均で約10分短く、鉗子分娩になる割合が10%ほど低かったことが報告されています(※1)。
しかし、ラズベリーリーフティーを飲むだけで、すぐに陣痛が呼び起こされるかどうかに関しての研究結果はありません。
陣痛のジンクス4:アロマの匂いを嗅ぐ
アロマオイルとは、植物の花や葉、果実、樹皮などから有効成分を抽出した揮発性のオイルです。元となる植物によって、安眠、鎮静、食欲増進など効果が異なります。
ラベンダーやジャスミンの香りは子宮収縮に作用するといわれているので、臨月にアロマを使うと陣痛が促されるというジンクスが生まれたと考えられます。病院や助産院でも分娩時にリラックスのためにアロマが使われることもあります。
ただし、アロマと陣痛の関係性についてははっきりしていないため、あくまで願掛けの気持ちで使うくらいがちょうどいいかもしれませんね。
陣痛のジンクス5:乳頭マッサージをする
赤ちゃんに母乳を与えるときにおっぱいを吸われると、その刺激で産後の子宮回復が促される効果があります(※2)。
そのため、妊娠中に乳頭を刺激すると子宮収縮が促され陣痛が起きやすくなるのでは、と考えられたのがこのジンクスです。たしかに乳頭マッサージには子宮を収縮させる作用がありますが、それが陣痛を引き起こすほどの効果があるかどうかにははっきりした根拠はありません。
乳頭マッサージは医師や助産師によって意見も違うので、自己判断ではなく相談してから行うようにしてくださいね。
陣痛のジンクス6:お迎え棒をする
臨月に性行為を行うことを「お迎え棒」といいます。精液中に子宮収縮を促すプロスタグランジンなどが含まれるので、子宮内に精子を送ることで陣痛を促すのではという考えから生まれたジンクスのようです。
しかし、臨月の避妊なしでの性行為は、胎児や母体が細菌に感染して、トラブルの原因となる可能性もあります。妊娠生活で特に制限がかかっていなければ臨月に性行為をすること自体は問題ありませんが、きちんと避妊をしましょう。
また、性行為中は無理な姿勢を取らないなどの配慮が必要です。
陣痛のジンクス7: 新月・満月・満潮の時期
月は、ほぼ29日周期で満ち欠けを繰り返しています。生理周期もおよそ28〜30日周期で繰り返すのでなんらかの関係性がありそうに感じますが、生理周期と月の満ち欠けの関連性は、医学的にはっきりわかっていません。
ただし、病院や助産院など出産の現場では「新月や満月の日に出産が重なりやすい」といわれているので、何らかの影響があるのかもしれませんね。
陣痛のジンクス8:階段の上り降り・スクワットなどの運動をする
妊婦健診で、医師から「階段を上って」「散歩をして」など、運動をするように指導される人もいます。運動が陣痛を直接的に引き起こすわけではありませんが、運動は子宮口を開きやすくし、股関節を柔軟にする効果があるので、陣痛との関係は遠からず、ともいえます。
安産につなげるためにも、臨月に入ったら適度な運動を日常生活に取り入れてみましょう。ただし、激しい運動はやめてくださいね。
陣痛・出産ジンクスはあまり考えすぎないで
なかなか陣痛が来ないと不安になってしまうものですが、赤ちゃんが「まだお腹の中にいたい」と言っているサインと考えて、あまり焦らないようにしましょう。
母体と胎児の準備が整ったときに陣痛は始まります。いつかは必ずそのときが来るので、それまではリラックスして、残り少ないマタニティライフを楽しんでくださいね。
※1 NCBI 「Raspberry leaf in pregnancy: its safety and efficacy in labor.」
※2 株式会社メディックメディア『病気がみえるvol.10 産科 第3版』p.365
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