2018年08月31日
子どもの湿疹は皮膚科?小児科? 原因と対処法をご紹介☆
子供の肌は、赤ちゃんと同じくとてもデリケート。ちょっとした刺激で湿疹ができてしまうこともあります。そこで、子供に湿疹ができたときに考えられる原因と対策、日常生活で注意したいことについてご紹介します。「小児科と皮膚科、どちらに連れて行ったらいいの?」というよくある疑問にもお答えします。
子供は湿疹ができやすいの?
人間の皮膚には毛穴や汗口(汗が出る穴)があります。しかしこの数は生後増えることはありません。
つまり大人より子供の方が毛穴や汗口が密集しているということです。そのため、大人より汗をかきやすくなり、肌のトラブルが起こりやすいという特徴ががあります。
また、大人より子供の方が表皮が薄く、新生児は大人の1/10しかありません。水分の蒸発を防ぐバリア機能を持つ肌の角層の厚さも1/10しかないため、角質水分量は大人より少なく、湿疹など肌のトラブルが起こりやすいのです(※1)。
子供に湿疹!湿疹だけが出る場合
子供の肌に湿疹が現れた場合、様々な原因が考えられます。ここでは、子供にできやすい湿疹の原因と症状をいくつかご紹介します。(※2)
接触皮膚炎(かぶれ)
刺激やアレルギーを起こす物質に接触すると、その部分がかぶれて赤く腫れたり、痛みやかゆみをともなうことがあります。金属や化学物質、太陽光、植物など原因物質を突き止め、その後はその物質と子供の肌が接触しないようにすることが大切です。
蕁麻疹(じんましん)
寒暖差やストレス、薬や食べ物、カビや虫刺されなど、様々な刺激がきっかけで、皮膚の「マスト細胞(肥満細胞)」からヒスタミンという物質が分泌されると蕁麻疹が起こります。
たいていは24時間以内に改善するものが多いですが、1ヶ月にわたって発疹が出たり消えたりを繰り返す場合は、「慢性蕁麻疹」を疑う必要があります。
汗疹(あせも)
暑さや高い湿度により汗腺の出口が詰まり、汗が皮膚の中にたまることで炎症が起こっている状態が「あせも」です。小さな体に多くの汗腺が密集する乳幼児によく見られる症状で、首やお腹、背中やわきの下など汗の出る部位に、かゆみをともなう赤い小さな湿疹ができます。
アトピー性皮膚炎
「アトピー性皮膚炎」の初期症状は、肌が粉を吹いたようなかさついた状態から、搔き壊してじくじくした発疹になるのが特徴です。特に顔や耳たぶの下、首、肘や膝の関節など、皮膚がやわらかい部分に目立ち、程度の差はありますが、体のあらゆるところに起こります。
子供に湿疹!ウイルス・細菌感染の場合
ウイルスや細菌感染により湿疹が出ている場合、合併症、後遺症を引き起こす危険性があるので、早めの治療が必要です。また、学校感染症に指定されている場合は、数日間、登園や登校ができないこともあるので、医師の指示に従いましょう。
子供がウイルスや細菌に感染して湿疹が出るのは、主に以下の病気です(※2)。
伝染性膿痂疹(とびひ)
「とびひ」は、夏に子供が多くかかる皮膚疾患です。ブドウ球菌などが、虫刺されやあせも、すり傷などができた部位に入りこんで繁殖し、水ぶくれや湿疹を引き起こします。かゆみが我慢できずかいてしまうと、中の液が周りに染み出ることで全身に症状が広がっていきます。
水痘(水ぼうそう)
水痘・帯状疱疹ウイルスの感染が原因で、「水ぼうそう」は起こります。軽い発熱、頭痛、だるさが起こり、ほぼ同時期に顔や体に赤い発疹が現れ、全身に広がっていくのが特徴です。
発疹はやがて水ぶくれ状になり、水ぶくれがすべてかさぶたになるまで1週間程度感染力を維持します。
麻疹(はしか)
「はしか」は、麻疹ウイルスに感染して発症する病気です。10〜12日の潜伏期間のあと、発熱や咳、結膜炎などの症状が現れます。口内の粘膜に小さな白い斑点(コプリック斑)が見られるのが特徴です。
最初の発熱から3〜4日たつと、胴体から発疹が出はじめ顔や手足の先まで及びます。しかし近年では、はしかの発症頻度は低下しています。
風疹(三日はしか)
風疹ウイルスに感染すると「風疹」にかかります。はしかよりも症状は軽く、「三日はしか」と呼ばれることも。比較的軽い発熱や咳などの症状とともに、小さな赤い発疹が全身に出ます。かゆみはほとんどありません。
発疹とほぼ同時期に、耳や首の後ろ、後頭部のリンパ節が腫れるのが風疹の特徴です。
りんご病(伝染性紅斑)
頬がりんごのように赤くなる「りんご病」は、「ヒトパルボウイルスB19」の感染が原因です。手足にレース網目状の発疹が出るのが特徴です。発疹は1週間ほどで自然に消えますが、紫外線などの刺激で長引くこともあります。
溶連菌感染症
「A群β溶血性連鎖球菌」という細菌により引き起こされる、子供に多い病気です。発熱やのどの腫れなど、風邪に似た症状が出たあと、舌の表面に「いちご舌」と呼ばれる赤いブツブツや、全身にかゆみのある小さな発疹が現れることがあります。「リウマチ熱」や「急性糸球体腎炎」などの合併症を引き起こすリスクもあるので、注意が必要です。
川崎病
川崎病は、全身の血管に炎症が起こる原因不明の病気で、正式名称を「急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群」といいます。初期症状は一般的な風邪に似ていますが、そのあと38度以上の高熱や全身の発疹、目の充血やいちご舌、リンパ節の腫れ、手足のむくみなど特徴的な症状が現れます。
発熱や発疹などの症状が治まってから、「冠動脈瘤」という後遺症を引き起こすことがあります。
手足口病
手足口病とは、手や足、口の中に水疱性の発疹が出るウイルス感染症です。保育園や幼稚園で集団感染することが多く、主に夏に感染が広がります。発熱は約3分の1にみられますが、高熱が続くことはほとんどありません。
子供の湿疹の治療法は?
子供の肌に湿疹が現れた場合、まず患部を清潔にし、炎症部分には弱めのステロイドなどを含む塗り薬を、かゆみに対しては抗ヒスタミン薬などの抗アレルギー薬を服用するのが一般的です。
ただし、まずは湿疹の原因を突き止め、症状にあった治療を受けることが一番大切です。自己判断で放置したり薬を塗ったりせず、病院で診察を受けることをおすすめします。
また、湿疹以外に発熱や嘔吐などほかの症状も現れている場合には、何らかのウイルスや細菌に感染している恐れもあります。感染を広げるリスクもあるので、ためらわずに病院で受診しましょう。
子供の湿疹は小児科?それとも皮膚科?
子供に湿疹が出たとき、小児科と皮膚科のどちらにかかるべきか、迷う人も多いのではないでしょうか?
湿疹が出ている原因が何か判断がつかない場合や、湿疹以外の症状が出ていてウイルスや細菌感染が疑われる場合には、まず小児科で受診するのが良いでしょう。
一方、明らかに皮膚の湿疹だけしか症状が現れていなかったり、あせもや虫刺され、乾燥が原因のかき壊しなど原因がわかっていたりする場合には、皮膚科で受診するのが良いでしょう。
子供の湿疹は早めのケアが大切!
昨日までは何ともなかった子供の顔や体に湿疹が現れると、パパやママはびっくりするかもしれません。湿疹ひとつをとっても様々な原因が考えられるので、迷ったときはすぐに小児科か皮膚科を受診し、適切な治療をしてもらいましょう。
湿疹にかゆみがともなう場合、子供だと我慢できずにかきむしってしまうこともあると思います。かき壊しの跡が肌に残ってしまったり、症状が広がってしまう恐れもあるので、そうなる前に適切な対処をしてあげてくださいね。
※1 南山堂『開業医の外来小児科学』p.782
※2 成美堂出版『オールカラー版 家庭の医学 第3版』pp.281,652-654,656,674,806,809-810,812
子供は湿疹ができやすいの?
人間の皮膚には毛穴や汗口(汗が出る穴)があります。しかしこの数は生後増えることはありません。
つまり大人より子供の方が毛穴や汗口が密集しているということです。そのため、大人より汗をかきやすくなり、肌のトラブルが起こりやすいという特徴ががあります。
また、大人より子供の方が表皮が薄く、新生児は大人の1/10しかありません。水分の蒸発を防ぐバリア機能を持つ肌の角層の厚さも1/10しかないため、角質水分量は大人より少なく、湿疹など肌のトラブルが起こりやすいのです(※1)。
子供に湿疹!湿疹だけが出る場合
子供の肌に湿疹が現れた場合、様々な原因が考えられます。ここでは、子供にできやすい湿疹の原因と症状をいくつかご紹介します。(※2)
接触皮膚炎(かぶれ)
刺激やアレルギーを起こす物質に接触すると、その部分がかぶれて赤く腫れたり、痛みやかゆみをともなうことがあります。金属や化学物質、太陽光、植物など原因物質を突き止め、その後はその物質と子供の肌が接触しないようにすることが大切です。
蕁麻疹(じんましん)
寒暖差やストレス、薬や食べ物、カビや虫刺されなど、様々な刺激がきっかけで、皮膚の「マスト細胞(肥満細胞)」からヒスタミンという物質が分泌されると蕁麻疹が起こります。
たいていは24時間以内に改善するものが多いですが、1ヶ月にわたって発疹が出たり消えたりを繰り返す場合は、「慢性蕁麻疹」を疑う必要があります。
汗疹(あせも)
暑さや高い湿度により汗腺の出口が詰まり、汗が皮膚の中にたまることで炎症が起こっている状態が「あせも」です。小さな体に多くの汗腺が密集する乳幼児によく見られる症状で、首やお腹、背中やわきの下など汗の出る部位に、かゆみをともなう赤い小さな湿疹ができます。
アトピー性皮膚炎
「アトピー性皮膚炎」の初期症状は、肌が粉を吹いたようなかさついた状態から、搔き壊してじくじくした発疹になるのが特徴です。特に顔や耳たぶの下、首、肘や膝の関節など、皮膚がやわらかい部分に目立ち、程度の差はありますが、体のあらゆるところに起こります。
子供に湿疹!ウイルス・細菌感染の場合
ウイルスや細菌感染により湿疹が出ている場合、合併症、後遺症を引き起こす危険性があるので、早めの治療が必要です。また、学校感染症に指定されている場合は、数日間、登園や登校ができないこともあるので、医師の指示に従いましょう。
子供がウイルスや細菌に感染して湿疹が出るのは、主に以下の病気です(※2)。
伝染性膿痂疹(とびひ)
「とびひ」は、夏に子供が多くかかる皮膚疾患です。ブドウ球菌などが、虫刺されやあせも、すり傷などができた部位に入りこんで繁殖し、水ぶくれや湿疹を引き起こします。かゆみが我慢できずかいてしまうと、中の液が周りに染み出ることで全身に症状が広がっていきます。
水痘(水ぼうそう)
水痘・帯状疱疹ウイルスの感染が原因で、「水ぼうそう」は起こります。軽い発熱、頭痛、だるさが起こり、ほぼ同時期に顔や体に赤い発疹が現れ、全身に広がっていくのが特徴です。
発疹はやがて水ぶくれ状になり、水ぶくれがすべてかさぶたになるまで1週間程度感染力を維持します。
麻疹(はしか)
「はしか」は、麻疹ウイルスに感染して発症する病気です。10〜12日の潜伏期間のあと、発熱や咳、結膜炎などの症状が現れます。口内の粘膜に小さな白い斑点(コプリック斑)が見られるのが特徴です。
最初の発熱から3〜4日たつと、胴体から発疹が出はじめ顔や手足の先まで及びます。しかし近年では、はしかの発症頻度は低下しています。
風疹(三日はしか)
風疹ウイルスに感染すると「風疹」にかかります。はしかよりも症状は軽く、「三日はしか」と呼ばれることも。比較的軽い発熱や咳などの症状とともに、小さな赤い発疹が全身に出ます。かゆみはほとんどありません。
発疹とほぼ同時期に、耳や首の後ろ、後頭部のリンパ節が腫れるのが風疹の特徴です。
りんご病(伝染性紅斑)
頬がりんごのように赤くなる「りんご病」は、「ヒトパルボウイルスB19」の感染が原因です。手足にレース網目状の発疹が出るのが特徴です。発疹は1週間ほどで自然に消えますが、紫外線などの刺激で長引くこともあります。
溶連菌感染症
「A群β溶血性連鎖球菌」という細菌により引き起こされる、子供に多い病気です。発熱やのどの腫れなど、風邪に似た症状が出たあと、舌の表面に「いちご舌」と呼ばれる赤いブツブツや、全身にかゆみのある小さな発疹が現れることがあります。「リウマチ熱」や「急性糸球体腎炎」などの合併症を引き起こすリスクもあるので、注意が必要です。
川崎病
川崎病は、全身の血管に炎症が起こる原因不明の病気で、正式名称を「急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群」といいます。初期症状は一般的な風邪に似ていますが、そのあと38度以上の高熱や全身の発疹、目の充血やいちご舌、リンパ節の腫れ、手足のむくみなど特徴的な症状が現れます。
発熱や発疹などの症状が治まってから、「冠動脈瘤」という後遺症を引き起こすことがあります。
手足口病
手足口病とは、手や足、口の中に水疱性の発疹が出るウイルス感染症です。保育園や幼稚園で集団感染することが多く、主に夏に感染が広がります。発熱は約3分の1にみられますが、高熱が続くことはほとんどありません。
子供の湿疹の治療法は?
子供の肌に湿疹が現れた場合、まず患部を清潔にし、炎症部分には弱めのステロイドなどを含む塗り薬を、かゆみに対しては抗ヒスタミン薬などの抗アレルギー薬を服用するのが一般的です。
ただし、まずは湿疹の原因を突き止め、症状にあった治療を受けることが一番大切です。自己判断で放置したり薬を塗ったりせず、病院で診察を受けることをおすすめします。
また、湿疹以外に発熱や嘔吐などほかの症状も現れている場合には、何らかのウイルスや細菌に感染している恐れもあります。感染を広げるリスクもあるので、ためらわずに病院で受診しましょう。
子供の湿疹は小児科?それとも皮膚科?
子供に湿疹が出たとき、小児科と皮膚科のどちらにかかるべきか、迷う人も多いのではないでしょうか?
湿疹が出ている原因が何か判断がつかない場合や、湿疹以外の症状が出ていてウイルスや細菌感染が疑われる場合には、まず小児科で受診するのが良いでしょう。
一方、明らかに皮膚の湿疹だけしか症状が現れていなかったり、あせもや虫刺され、乾燥が原因のかき壊しなど原因がわかっていたりする場合には、皮膚科で受診するのが良いでしょう。
子供の湿疹は早めのケアが大切!
昨日までは何ともなかった子供の顔や体に湿疹が現れると、パパやママはびっくりするかもしれません。湿疹ひとつをとっても様々な原因が考えられるので、迷ったときはすぐに小児科か皮膚科を受診し、適切な治療をしてもらいましょう。
湿疹にかゆみがともなう場合、子供だと我慢できずにかきむしってしまうこともあると思います。かき壊しの跡が肌に残ってしまったり、症状が広がってしまう恐れもあるので、そうなる前に適切な対処をしてあげてくださいね。
※1 南山堂『開業医の外来小児科学』p.782
※2 成美堂出版『オールカラー版 家庭の医学 第3版』pp.281,652-654,656,674,806,809-810,812
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