2018年08月29日
妊娠初期に気を付けるべきことは?
妊娠初期は、つわりをはじめ、これまでと異なる心身の変化に戸惑う人も多いのではないでしょうか。妊娠初期の体調の変化は個人差がありますが、生活面や食べものなどで気をつける主な点は共通しています。そこで、母体と胎児の健康を守るために、妊娠初期に気をつけたい、運動・食べもの・生活習慣・日頃の行動について、基本となる注意点をまとめました。
妊娠初期ってどんな状態?
妊娠初期とは、妊娠0週0日〜15週6日の16週間、約4ヶ月間を指します。妊娠0〜4週の1ヶ月間は「妊娠超初期」と呼ぶこともあり、妊娠初期に含むこともあれば、分けて表すことも。
厳密に言うと、医学的には、妊娠0日は最終月経の開始日を指すため、妊娠超初期には生理的には妊娠していない時期も含まれます。
妊娠初期は、妊娠したことで体に様々な変化が現れます。妊娠2ヶ月くらいで子宮は卵の倍くらいになり、妊娠3ヶ月くらいで握りこぶしほどの大きさに。触ってわかるほどにお腹が膨らみ、子宮周囲の泌尿器が圧迫されて頻尿や便秘になることもあります。
同時に、妊娠によるホルモンバランスの変化などが原因で、以下のような症状が現れこともあります。
妊娠初期の主なマイナートラブル
つわりがではじめる
妊娠1ヶ月頃に微量の出血がある
体がだるい・眠い・熱い
おりものが変化する
乳房が張る・体に痒みがでる
イライラして気持ちが落ち着かない
便秘、下痢、頻尿になる
大人にきびなど、肌が荒れる
味覚が変わる
妊娠初期の運動で気をつけることは?
妊娠初期は体調が安定していないため、あまり運動はおすすめできません。しかし、体を動かさないとストレスが溜まるという人もいますよね。
妊婦健診で医師に相談しながら、手足を動かすといった軽い運動や、妊娠初期でもできるストレッチなど、気分転換できるものを中心に行いましょう。
妊娠初期を過ぎて妊娠5ヶ月頃になると体調が落ち着いてくるため、マタニティヨガやマタニティスイミングといった有酸素運動を行ってみましょう。妊娠中は無理せず、自分に合った運動を適度に取り入れてみてください。
妊娠初期の食べ物で気をつけることは?
妊娠初期に不足しやすい、鉄分やビタミン、ミネラルを含むバランスの良い食事を心がけましょう。糖分や脂肪分が多いものは、妊娠高血圧症候群につながるので摂り過ぎに注意してください。つわりが重い場合は、無理せず食べられるものだけでも十分です。
普段の食事で過度に気にすることはありませんが、なかには胎児の異常や、流産・早産のリスクを高めてしまう食材もあります。以下の食材や、食材の量を参考にしてみてください(※1,2)。
妊娠中は避けたい主な食べ物
刺身や貝類など、食中毒のおそれがあるもの
殺菌されていない乳製品や生卵など、サルモネラ菌発生の可能性があるもの
生肉や生ハムなど、リステリア食中毒やトキソプラズマに感染しやすいもの
妊娠中は摂取量に気をつけたい主な食べ物
カップラーメンやインスタント食品など、添加物や塩分が多く含まれているもの
まぐろやカジキなど、水銀が含まれているもの
うなぎやレバーなど、動物性のビタミンA(レチノール)が豊富に含まれているもの
コーヒーや紅茶など、カフェイン飲料
ひじきやわかめなど、ヒ素が含まれているもの
妊娠初期の生活習慣で気をつけることは?
妊娠初期は、体に影響を及ぼす可能性のある習慣を見直すことが大切です。いつも当たり前にしていたことが、胎児や母体の健康状態に悪影響となる恐れもあります。
タバコやアルコールといった嗜好品をはじめ、薬やサプリメントも種類によっては注意が必要です。さらに、特定の動物から感染する病気もあるので、以下を参考に、生活習慣を見直してみてください。
アルコールやタバコはやめる・副流煙に注意する
タバコは胎盤の働きに悪影響を与え、早産や低出生体重児などのリスクを高めます。アルコールは胎児の中枢神経障害や胎児性アルコール依存症を引き起こすこともあるので、妊娠がわかった時点ですぐに禁煙・禁酒をしましょう。
他人のタバコによる副流煙(受動喫煙)も、自分が吸ったのと同等の影響があるといわれています。喫煙所には近づず、パートナーにも危険性を伝えて禁煙してもらいましょう。
風邪薬やサプリメントの服用は医師に確認する
妊娠中に飲むことで、胎児の健康に影響を与えてしまう薬もあります。特に自己判断で市販の薬を服用するのは避けてください。医師の処方でも、継続的に飲んでいる薬があれば、妊娠がわかった時点で相談しましょう。
また、サプリメントは薬と違って軽視されがちですが、妊娠中に服用しないように注意書きがある商品もあります。妊娠中にも飲めるサプリメントかどうかを確認し、過度に摂取をしないよう気をつけてください。
風邪やペットからの感染症対策をする
妊娠中は免疫力が低下しやすいので、体を冷やさないこと、睡眠を十分にとることなど、体力が落ちないよう対策をとりましょう。
妊娠16週までに風疹になると、胎児が先天性風疹症候群になる可能性があります。できれば人込みを避け、マスクをするといった予防も徹底してください。
また、猫の糞や鳥類に寄生するトキソプラズマに感染すると、胎児への感染率は低いものの、重症度が高くなりやすく、胎児に水頭症や精神・運動機能障害などが発症するリスクがあります(※3)。
ペットの糞尿の処理は必ず手袋をして、生肉は必ず加熱して食べるようにしましょう。
感染症対策をする
感染症が流行しても、薬を飲めないことがあるので、日頃から手洗い、うがい、マスクの着用をして感染症予防をしましょう。
妊娠初期の行動で気をつけることは?
妊娠初期は、体に負担となる行動は避けてください。体調によっては安静が必要なケースもあるので、医師の指導があれば、必ず守りましょう。
例えば、引っ越しや旅行は、重たい荷物を持ったり、外にいる時間や歩く時間が長くなったり、休みたいときにしっかり休めないこともありますよね。できれば中期頃まで延期し、引っ越しがどうしても必要な場合は、大きな作業はパートナーや家族にお願いするなど事前に対策を練りましょう。
妊娠初期は眠気も強くなりやすいので、車や自転車の運転も注意してください。また、夜遅くまで遊ぶといった生活リズムの乱れも風邪や体力低下の原因になるので、母体と胎児を中心とした、体に優しい生活を心がけてくださいね。
妊娠初期は注意点を守って、母体と胎児の健康を第一に
妊娠初期に気をつけたほうが良いことはたくさんありますが、行動するときは産まれてくるお腹の赤ちゃんと母体の健康を第一に考えて判断してくださいね。
ただし、あまり抑制しすぎてストレスを感じてしまわないように、絶対にしてはいけないこと以外は、適度にすることが大切です。そのバランスを取ることが難しければ、かかりつけの医師に対応策を相談してみてくださいね。
※1 厚生労働省『妊娠中と産後の食事について』
※2 食品安全委員会 食品中のカフェイン
※3 株式会社南江堂 『エビデンスをもとに答える妊産婦・授乳婦の疑問92』
※ 主婦の友社『はじめてママ&パパの妊娠・出産』
※ 成美堂出版『いちばんためになる はじめての妊娠・出産』
妊娠初期ってどんな状態?
妊娠初期とは、妊娠0週0日〜15週6日の16週間、約4ヶ月間を指します。妊娠0〜4週の1ヶ月間は「妊娠超初期」と呼ぶこともあり、妊娠初期に含むこともあれば、分けて表すことも。
厳密に言うと、医学的には、妊娠0日は最終月経の開始日を指すため、妊娠超初期には生理的には妊娠していない時期も含まれます。
妊娠初期は、妊娠したことで体に様々な変化が現れます。妊娠2ヶ月くらいで子宮は卵の倍くらいになり、妊娠3ヶ月くらいで握りこぶしほどの大きさに。触ってわかるほどにお腹が膨らみ、子宮周囲の泌尿器が圧迫されて頻尿や便秘になることもあります。
同時に、妊娠によるホルモンバランスの変化などが原因で、以下のような症状が現れこともあります。
妊娠初期の主なマイナートラブル
つわりがではじめる
妊娠1ヶ月頃に微量の出血がある
体がだるい・眠い・熱い
おりものが変化する
乳房が張る・体に痒みがでる
イライラして気持ちが落ち着かない
便秘、下痢、頻尿になる
大人にきびなど、肌が荒れる
味覚が変わる
妊娠初期の運動で気をつけることは?
妊娠初期は体調が安定していないため、あまり運動はおすすめできません。しかし、体を動かさないとストレスが溜まるという人もいますよね。
妊婦健診で医師に相談しながら、手足を動かすといった軽い運動や、妊娠初期でもできるストレッチなど、気分転換できるものを中心に行いましょう。
妊娠初期を過ぎて妊娠5ヶ月頃になると体調が落ち着いてくるため、マタニティヨガやマタニティスイミングといった有酸素運動を行ってみましょう。妊娠中は無理せず、自分に合った運動を適度に取り入れてみてください。
妊娠初期の食べ物で気をつけることは?
妊娠初期に不足しやすい、鉄分やビタミン、ミネラルを含むバランスの良い食事を心がけましょう。糖分や脂肪分が多いものは、妊娠高血圧症候群につながるので摂り過ぎに注意してください。つわりが重い場合は、無理せず食べられるものだけでも十分です。
普段の食事で過度に気にすることはありませんが、なかには胎児の異常や、流産・早産のリスクを高めてしまう食材もあります。以下の食材や、食材の量を参考にしてみてください(※1,2)。
妊娠中は避けたい主な食べ物
刺身や貝類など、食中毒のおそれがあるもの
殺菌されていない乳製品や生卵など、サルモネラ菌発生の可能性があるもの
生肉や生ハムなど、リステリア食中毒やトキソプラズマに感染しやすいもの
妊娠中は摂取量に気をつけたい主な食べ物
カップラーメンやインスタント食品など、添加物や塩分が多く含まれているもの
まぐろやカジキなど、水銀が含まれているもの
うなぎやレバーなど、動物性のビタミンA(レチノール)が豊富に含まれているもの
コーヒーや紅茶など、カフェイン飲料
ひじきやわかめなど、ヒ素が含まれているもの
妊娠初期の生活習慣で気をつけることは?
妊娠初期は、体に影響を及ぼす可能性のある習慣を見直すことが大切です。いつも当たり前にしていたことが、胎児や母体の健康状態に悪影響となる恐れもあります。
タバコやアルコールといった嗜好品をはじめ、薬やサプリメントも種類によっては注意が必要です。さらに、特定の動物から感染する病気もあるので、以下を参考に、生活習慣を見直してみてください。
アルコールやタバコはやめる・副流煙に注意する
タバコは胎盤の働きに悪影響を与え、早産や低出生体重児などのリスクを高めます。アルコールは胎児の中枢神経障害や胎児性アルコール依存症を引き起こすこともあるので、妊娠がわかった時点ですぐに禁煙・禁酒をしましょう。
他人のタバコによる副流煙(受動喫煙)も、自分が吸ったのと同等の影響があるといわれています。喫煙所には近づず、パートナーにも危険性を伝えて禁煙してもらいましょう。
風邪薬やサプリメントの服用は医師に確認する
妊娠中に飲むことで、胎児の健康に影響を与えてしまう薬もあります。特に自己判断で市販の薬を服用するのは避けてください。医師の処方でも、継続的に飲んでいる薬があれば、妊娠がわかった時点で相談しましょう。
また、サプリメントは薬と違って軽視されがちですが、妊娠中に服用しないように注意書きがある商品もあります。妊娠中にも飲めるサプリメントかどうかを確認し、過度に摂取をしないよう気をつけてください。
風邪やペットからの感染症対策をする
妊娠中は免疫力が低下しやすいので、体を冷やさないこと、睡眠を十分にとることなど、体力が落ちないよう対策をとりましょう。
妊娠16週までに風疹になると、胎児が先天性風疹症候群になる可能性があります。できれば人込みを避け、マスクをするといった予防も徹底してください。
また、猫の糞や鳥類に寄生するトキソプラズマに感染すると、胎児への感染率は低いものの、重症度が高くなりやすく、胎児に水頭症や精神・運動機能障害などが発症するリスクがあります(※3)。
ペットの糞尿の処理は必ず手袋をして、生肉は必ず加熱して食べるようにしましょう。
感染症対策をする
感染症が流行しても、薬を飲めないことがあるので、日頃から手洗い、うがい、マスクの着用をして感染症予防をしましょう。
妊娠初期の行動で気をつけることは?
妊娠初期は、体に負担となる行動は避けてください。体調によっては安静が必要なケースもあるので、医師の指導があれば、必ず守りましょう。
例えば、引っ越しや旅行は、重たい荷物を持ったり、外にいる時間や歩く時間が長くなったり、休みたいときにしっかり休めないこともありますよね。できれば中期頃まで延期し、引っ越しがどうしても必要な場合は、大きな作業はパートナーや家族にお願いするなど事前に対策を練りましょう。
妊娠初期は眠気も強くなりやすいので、車や自転車の運転も注意してください。また、夜遅くまで遊ぶといった生活リズムの乱れも風邪や体力低下の原因になるので、母体と胎児を中心とした、体に優しい生活を心がけてくださいね。
妊娠初期は注意点を守って、母体と胎児の健康を第一に
妊娠初期に気をつけたほうが良いことはたくさんありますが、行動するときは産まれてくるお腹の赤ちゃんと母体の健康を第一に考えて判断してくださいね。
ただし、あまり抑制しすぎてストレスを感じてしまわないように、絶対にしてはいけないこと以外は、適度にすることが大切です。そのバランスを取ることが難しければ、かかりつけの医師に対応策を相談してみてくださいね。
※1 厚生労働省『妊娠中と産後の食事について』
※2 食品安全委員会 食品中のカフェイン
※3 株式会社南江堂 『エビデンスをもとに答える妊産婦・授乳婦の疑問92』
※ 主婦の友社『はじめてママ&パパの妊娠・出産』
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