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2018年07月08日

虫歯を防ぐ食生活や習慣で子どもの口内環境を整えよう♪

子どもの歯を守るために、ママは毎日の歯磨きやおやつ選びに苦労しているのではないでしょうか?甘いものを避けて糖分を控えることはよく実践されていますが、子供の口内環境を整えるためには、日頃の習慣も大きく影響してきます。そこで、子どもの口内環境を整える方法として、虫歯を防ぐ習慣や食生活についてまとめました。



子どもの口内環境が良い状態とは?
子どもの口内環境が良い状態とは、口の中に虫歯の餌となる食べかすが残らず、唾液をしっかりと分泌している状態です。さらに、歯茎や歯列に問題がなく、顎の発達や噛み合わせなどが正常であることも含みます。

そもそも虫歯は、虫歯菌と呼ばれるミュータンス連鎖球菌が引き起こします。虫歯菌は、歯についた食べものや飲みものから糖質を取り込み、プラークを増殖させるときに酸を発します。その酸が、歯のエナメル質を溶かす(脱灰)ことで、虫歯ができます。

常に歯をきれいにしておくことで、プラークの増殖を防ぎ、唾液中に含まれるカルシウムが、溶けた歯の部分に沈着して再石灰化を促すため、虫歯の予防につながります(※1)

また、虫歯を防ぐことは、成長に伴う顎の発達や歯並び、噛み合わせを正常に発達させることにも影響を与えます。



子どもの口内環境を整える方法は?
子どもの口内環境を整えるためには、普段の歯磨きはもちろん、以下のような生活習慣から虫歯ができにくい環境を作ることが重要です。

・毎食後の歯磨きの習慣
・ママやパパが口移しをしない
・食生活を整える
・歯医者で定期健診や虫歯の予防処置をする


「食生活を整える」のなかには「食育」も関わります。食育の目標である「生涯を通しておいしく食べる」ことは、厚生労働省と日本歯科医師会が推進している「8020運動」の「80歳まで20本以上歯を残す」という目的にも添っており、歯科の面から見ても食育は大切なものです(※2,3)。

子どもの健全な発育をサポートするためにも、まずは日常生活の習慣や食生活を見直すことで、ママやパパが口内環境を整えてあげましょう。


子どもの口内環境を整える習慣とは?
子どもの口内環境を整えるためには、歯が生え始めたときからケアを習慣化することが大切です。

以下に、子どもの口内環境を整える主な習慣をご紹介します(※4,5,6)。

歯磨きの習慣をつける
舌の前歯(乳歯)が生え始め、離乳食が進んでいる状態であれば、食後に白湯やお茶で汚れを流しつつ、ガーゼ磨きから始めます。平行して、赤ちゃん用の歯ブラシを与え、慣らしていきましょう。

前歯が上下生え揃ったら、赤ちゃん用の歯ブラシを使って、歯と歯の隙間を重点的に磨きます。1本5秒を基準に、初めは朝と夜の2回、慣れたら毎食後に行います。子ども用のデンタルフロスを使うのもおすすめです。


定期健診へ行く
乳歯の虫歯は永久歯とは異なり、生え際に白斑ができるのが特徴です。黒くならない分、ママやパパが仕上げ磨きをしていても気づかないことも。

また、永久歯が生え始めるときによくあるのが、乳歯列の一番奥に生える「第一大臼歯(6歳臼歯)」の虫歯です。生えきるのに1年程かかり、その間に歯茎や歯の隙間に汚れが溜まりやすいのですが、奥歯なので、初期の虫歯に気づきにくいのです。

自治体や学校などで行っている定期検診や、自主的に歯医者を受診して、早い時期に虫歯やトラブルを発見できるようにしましょう。


虫歯の予防処置をする
普段のケアに加え、歯医者でフッ化物を塗布してもらうなど、虫歯の予防処置も必要です。

フッ化物は体に良くないという説もありますが、誤用などで過剰に摂取した場合に限ります。厚生労働省も、フッ化物を歯の塗布に使うこと自体はからガイドラインも策定されています(※7)。

フッ化物は乳歯・永久歯が生え始めた頃から使うのが効果的。歯医者で塗布してもらうほか、フッ化物を含む歯磨剤を使うのもおすすめ。スプレーやジェルタイプなら、うがいができない時期からでも使うことができます。


口移しをしない
虫歯菌は、ママやパパの唾液から感染することもあります。

軽く口が触れた程度ですぐに感染することはありませんが、ママやパパはもちろん、周囲の人とスプーンや食器の共有、離乳食期の口移しの食事は控えましょう。



子どもの口内環境が整う食生活とは?
子供の口内環境を整える食生活は、顎の発達を促すものをはじめ、歯に健康を維持できる食べもの、食べ方を意識しましょう。

以下に、口内環境を整える食生活についてまとめました(※4,9)。

よく噛んで食べる
噛む回数が多いほど、唾液を分泌するようになります。唾液に含まれるカルシウムによって再石灰化が促されるので、しっかりと噛んで食べる習慣をつけましょう。

また、柔らかいものだけでなく、噛みごたえのあるものも取り入れてください。噛みごたえのあるもので歯の表面についた汚れを取りつつ、顎の発達も促しましょう。

食べる時間を決めてメリハリをつける
離乳食の時期から、食事の時間はある程度決めましょう。いつまでも続けて食べていると、歯に汚れが付着したまま、プラークによって酸が発生し続けて虫歯ができやすい状態になります。

特に、夜中は唾液の量が減少して虫歯になりやすいため、寝る直前の食事や間食は控えるようにしてください。どうしても欲しがるときは、白湯やお茶にして、翌日の夕飯の量を調節するなど工夫しましょう。

おやつは甘味を控える
幼児期は補食として3回食の他におやつを食べることもありますが、ジュースや糖分の多いお菓子ではなく、おにぎりやお芋などの軽食を選ぶのもいいですね。

飴やガムが食べられる年齢であっても、口の中に糖分を含んでいる状態が続くため、控えたほうが良いでしょう。食べるときは、キシリトールが含まれるものがおすすです。

糖アルコールの一種であるキシリトールは、プラークが増殖する際に発する酸を抑制する効果があるといわれています。しかし、食べすぎるとお腹が緩くなることもあるので注意してください。


食後に水分を摂るようにする
食事やおやつを食べるときに水分を一緒に摂ることで、口の中に残った食べものや糖分を洗い流すことができます。

特に、自分で歯磨きができない、歯磨きに慣れていない乳幼児に効果的。水分を与えるときは、食べものを流し込まないよう、口の中のものが食べ終わってからにしてください。

栄養はバランスよく摂る
バランスの良い食事は、歯のエナメル質や象牙質の土台作りに重要です。カルシウムの代謝や歯の石灰化を促す効果もあるので、食事から様々な栄養素を摂るようにしましょう。以下の栄養素は意識的に食事に取り入れてみてください。

● カルシウム…ひじきやチーズ
● リン…米や牛豚肉、卵
● タンパク質…アジや牛乳
● ビタミンA…レバーやほうれんそう
● ビタミンC…みかんやさつまいも
● ビタミンD…バターや牛乳、卵黄




子供の口内環境を整えるには生活習慣が大切
口内環境は一朝一夕で整うわけではなく、日々の生活習慣や食生活によって変わってきます。子どものお世話は、歯以外にも気を配ることがたくさんあって大変ですが、毎日少しずつでもいいので実践していけるといいですね。

また、キシリトールやフッ化物に関しては、歯医者での処置に限らず、食材にも多く含まれています。例えば、キシリトールならイエロープラム、いちご、カリフラワー、ラズベリー ナス、レタス、ほうれん草など。フッ化物なら、煮干し、芝えびなど、殻や骨ごと食べる魚介類、豆類、海藻類、緑茶の葉などです。

日頃から口内環境に良い影響を与える食べものを意識して、楽しく歯のケアを行いましょう。





※1 厚生労働省「むし歯の特徴・原因・進行」
※2 日本小児歯科学会『「食育」推進についての日本小児歯科学会からの提言』
※3 日本歯科医師会 『8020運動』
※4 医歯薬出版『乳幼児の口と歯の健診ガイド 第二版』P,52〜63
※5 ベネッセ・ムック『月齢ごとに「見てわかる!」育児オールガイド』P,104,105
※6 日本小児歯科学会『こどもたちの口と歯の質問箱』
※7 厚生労働省『フッ化物洗口ガイドラインについて』
※8 主婦の友社『はじめてママ&パパの育児』P,161
※9 日本歯科医師会『むし歯の予防』
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