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2020年10月20日

入院中の父 1


 今年の6月に亡くなった父が
 3回目の脳梗塞を患い入院した時の話です




 軽い脳内出血だったとはいえ 3回目と言うこともあり
 先生方は 慎重に治療を進めたいと言う意向だった


 四肢は 何の問題もなく動かせるようになってきたが
 やはり 左手は少々使い辛そうではあった


 歩行障害もほとんどなかったとはいえ 少々認知症が強くなった



 入院中 夜中に2回 弟に呼び出し電話が来たという

 「もう なんともないんだから家に帰る!」

 「誰に許可を得て ここ(ベッド)に縛り付けるんだ!」

 等々 夜中に大騒ぎしたという


 拘束については 
 やむを得ない場合・・・と弟が書面にサインしていた

 なにせ 始めから点滴針を抜こうと画策した父だったので



 弟が行けば 恥ずかしいのか 知らんふりで大人しくなる

 それも 段々諦めがついたのか 大人しく就寝するようになった




 私は仕事帰りに病院に寄って 
 夕食を食べさせながら おしゃべりをしてくるのが日課となった


 仕事の無い日は 母を伴って面会時間一杯くらいに話をして来た

 少しでも脳に刺激を与えて 認知症がこれ以上進まないように
 家族の方は なるべくお話しして行ってくださいとのことだったので



 入院して2週間後くらいからは ほとんど普通食に戻って来た


 誤嚥性肺炎を防ぐための 食事のリハビリも始まり

 作業療法士の方にお迎えに来てもらって 
 車椅子でリハビリ病棟へ通う日が始まった


 自力歩行はできていたが 入院中筋力が落ちてしまい
 そろりそろり〜という感じのスピードでしか歩けなくなっていた


 本人は「食」に関しては なかなかうるさいほうだったので
 食事のリハビリは 真面目に取り組んでいたようだった




 ある仕事帰りの日
 いつものように病室に行くと 何やら父が殺気立っている!

 目がらんらんと輝き こちらを「ギョロッ!」と睨んできた


 そして突然こう言ったのだ

 「誰に聞いてきたんだ? どうして俺がここにいるのがわかったんだ?

  いつから ここに拉致されてきているんだ?」



 はぁ〜???  父の「サスペンス劇場」の始まりだった









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ニャンまま
2011年12月に肺腺ガンの疑いと宣告される。 翌年2月に右肺上葉を切除。2014年に右腎臓摘出。 その間 何度か部位を変えて転移するも現在に至る。 2019年12月にパーキンソン病の確定診断を受ける。
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