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2018年11月16日

やはり転移? 治療は?



 O先生は 画像データを見ながら冷静に続けた


 「アリムタとシスプラチンの併用と
  アリムタ単剤での点滴の差は
  やはり 効きが穏やかになってしまう事です。

  2剤の効果がきちんと行き渡っていたとしたら
  単剤になっても 効果が持続する人もたくさんいます。

  ニャンままさんの場合 その効果が落ちてしまって
  切らずに置いた 左副腎のがん細胞が活発化するという
  影響が出てしまったんですね・・・

  もちろん このままの状態で放っておく事はできません」


 いい意味でも 悪い意味でも 

 ガンが発見された時から残しておいた左副腎が
 薬の効果が下がってしまった事を知らせてくれた

 やはり「炭鉱のカナリア」だった



 「先生 またシスプラチンとの併用に戻せますか?」

 私が言い終わらないうちに

 「年明けから イレッサを飲んで下さい」との言葉が!


 抗がん剤の点滴を始める!と決まった時も ショックだったが
 今回は もっと落ち込んだ


 肺腺ガンを告知されてから ネットでの情報は
 あらゆるものを調べまくっていた

 もちろん 「イレッサ」についても!


 魔法の薬  諸刃の剣  イレッサ薬害訴訟  
 副作用での間質性肺炎による多数の死亡者...etc.

 その他諸々 色々な方面からの情報があった

 そういう薬があるとは知っていたが  
 いざ 自分が飲むという事になると不安でいっぱいになる


 正直 その時には 言いようのない恐怖しかなかった


 「先生 イレッサは私の症状に合うんですか?
  今の状態から 本当にいい方向に向かうんですか?」


 一番最初に飲んだ 経口の抗がん剤が合わなかった事が
 自分の中でいちばんの不安要素だった


 ここで にこやかな表情で先生が言ってくれた

 
 「ニャンままさんは EGFR遺伝子変異型なので
  この薬はとても有効です!

  東洋人・女性・非喫煙者 そして腺がんだという事

  全ての条件に当てはまっているのです!

  隠れていたがん細胞が活発化してきた 
  まさに今の状態で飲み始めて 
  その効果を最大限に活かしましょう!」


 力強い口調に とても励まされ 納得した





   

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ニャンまま
2011年12月に肺腺ガンの疑いと宣告される。 翌年2月に右肺上葉を切除。2014年に右腎臓摘出。 その間 何度か部位を変えて転移するも現在に至る。 2019年12月にパーキンソン病の確定診断を受ける。
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