今日も楽しく笑えてる？　< 肺がんになり10年 >

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　昨日は　久しぶりの脳外科受診日だった

　　
　毎回のことながら　右腎臓がない私は
　造影剤を入れるMRI検査は　
　点滴ラインをキープしながらだ


　中央処置室で　点滴のラインキープをして
　生食を落としながら検査順を待つ


　MRI室に呼ばれる前
　今日は　一台故障しているので
　予約時間からズレるかも、との話があった

　緊急の患者さんさえ入らなければ
　ズレても１０分単位だと思います、と
　　
　半年に一回の検査なので
　どうしても　夏と冬になる
　
　救急搬送されてくる患者さんが多い季節

　少し心配になったが
　幸い１５分ほどの遅れで済んだ


　外来待合は　相変わらず混んでいたが　
　検査後３０分くらいで呼ばれた


　K先生は　変わらない穏やかな笑顔で迎えてくれた

　「画像上では　特に異常は見られませんね
　　以前にも写っていた　治療痕が見えるくらいです

　　いつも感じるんですが　ニャンままさんのように
　　元気な患者さんに会えると　私も嬉しいです

　　もし　気になる事や変わった事があれば　お聞きしますよ」

　　
　そこで　最近気になっている事を聞いてみた
　
　「右腕が　時々震えるんですが？

　　ちょうど　貧乏ゆすりで足が震えるように
　　小刻みに　気がつくと震えているんです。

　　何もない時には　何時間でも普通の状態ですが
　　震えだすと　少し押さえないと止まらないくらいの
　　大きな震えになる時もあるのですが・・・」


　先生は　画像を見ながら　首を傾げている

　「画像で確認できる限りでは　脳内に
　　これといった異常は見受けられませんからね・・・
　
　　それは　神経内科の領域かもしれませんね

　　頚椎の神経等の影響で　
　　そのような症状が出る方もいらっしゃいますし」

　
　首かぁ・・・

　太ったし　運動不足だし　姿勢悪いし

　心当たりがあり過ぎる（笑）


　寒さで肩をすぼめず　少しでも背筋をしゃんとして
　布団の中でも　必要以上に縮こまらず
　自分の姿勢を　都度意識して頑張ってみよう！

　
　来週は　主治医のO先生のところでの診察

　これまた久しぶりの　CT撮影がある

　肺や　元右腎臓があった近辺が　毎回きになる

　どうか　転移再発ありませんように！！！




　　　

　　　　　　　　　　　　　　　

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　家出２日目

　ホテルから出勤なんて　一丁前のビジネスマンみたい（笑）

　自分の日常とは全く違う　とても新鮮な感覚
　こんな朝は　生涯初めて迎えたな・・・

　その時思った！


　病気が進行しないように　
　できればフェイドアウトしてくれるように

　O先生のことを信じて　イレッサを信じて
　とにかく飲み続けていこう！
　
　疑っている時間があるなら　薬効を信じて
　しっかり忘れずに飲み続けていこう！

　そして　実際に今まで経験した事のない
　たくさんの事にチャレンジしていこう！と
　（何度目の決心なのやら　笑）



　仕事を普段通りにこなし　残業もなく帰宅


　夫は　一言「おかえり」だけ


　？？？　何にも聞かないんだぁ・・・

　気を使ったのか　カレーが作ってあった


　食事前に面倒なことはしたくないので
　大人しくいただいた

　自分がリフレッシュしてきたせいか　
　素直に美味しいと思った


　夫は普段通りの感じで　食事後少しテレビを見て
　「お先に・・」と　風呂へ入った


　そこで娘からの報告が！

　「お母さんが出て行ったってわかってから
　　ずっと電話やメールしてたでしょ？

　　私が泊まりだと言ったとたんに　安心しちゃったみたいで
　　なぁーーんだって　言ってたの


　　でも　今日になってからまたそわそわして
　　ずっとスマホいじってたよ」


　はい？

　私のところには　
　ただの一本の電話も　一通のメールもございませんが？


　ちょうど夫は入浴中だ！！！

　早速　ロックなしの甘い夫のスマホを手に取る

　メール画面を開き　適当な文字を入れ予測変換してみる

　
　あ　　愛してる、とでも出てくれば面白かったけど　特に何もなし
　い　　今　今はわからない（お？　なんとなく怪しい）
　う　　うちの奥さん　

　何と　３文字目の「う」でいきなり「うちの奥さん」という
　普段なら予測変換には出てきそうもないものが・・・・


　そのまま「うちの奥さん」と打つと　続けて
　
　”何かしてませんか？ " という予測文が出てきた！！！

　「うちの奥さん　何かしてませんか？」

　おいおい　連絡するな！会うな！って約束したよね？

　連絡先消してほしいと頼んだ時に　承知したくせに



　私が飛び出したので　発作的に彼女のところにでも
　行ったのかと思ったらしい


　彼女と会った事はあるが　住所も自宅の電話番号も
　知らないんですけど！！！

　何を焦りまくっているのやら

　これで　もちろん　この二人は不倫中で　
　彼女のご主人にバレてはいないんだ、と　わかった





　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　

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　家出２日目

　ホテルから出勤なんて　一丁前のビジネスマンみたい（笑）

　自分の日常とは全く違う　とても新鮮な感覚
　こんな朝は　生涯初めて迎えたな・・・

　その時思った！


　病気が進行しないように　
　できればフェイドアウトしてくれるように

　O先生のことを信じて　イレッサを信じて
　とにかく飲み続けていこう！
　
　疑っている時間があるなら　薬効を信じて
　しっかり忘れずに飲み続けていこう！

　そして　実際に今まで経験した事のない
　たくさんの事にチャレンジしていこう！と
　（何度目の決心なのやら　笑）



　仕事を普段通りにこなし　残業もなく帰宅


　夫は　一言「おかえり」だけ


　？？？　何にも聞かないんだぁ・・・

　気を使ったのか　カレーが作ってあった


　食事前に面倒なことはしたくないので
　大人しくいただいた

　自分がリフレッシュしてきたせいか　
　素直に美味しいと思った


　夫は普段通りの感じで　食事後少しテレビを見て
　「お先に・・」と　風呂へ入った


　そこで娘からの報告が！

　「お母さんが出て行ったってわかってから
　　ずっと電話やメールしてたでしょ？

　　私が泊まりだと言ったとたんに　安心しちゃったみたいで
　　なぁーーんだって　言ってたの


　　でも　今日になってからまたそわそわして
　　ずっとスマホいじってたよ」


　はい？

　私のところには　
　ただの一本の電話も　一通のメールもございませんが？


　ちょうど夫は入浴中だ！！！

　早速　ロックなしの甘い夫のスマホを手に取る

　メール画面を開き　適当な文字を入れ予測変換してみる

　
　あ　　愛してる、とでも出てくれば面白かったけど　特に何もなし
　い　　今　今はわからない（お？　なんとなく怪しい）
　う　　うちの奥さん　

　何と　３文字目の「う」でいきなり「うちの奥さん」という
　普段なら予測変換には出てきそうもないものが・・・・


　そのまま「うちの奥さん」と打つと　続けて
　
　”何かしてませんか？ " という予測文が出てきた！！！

　「うちの奥さん　何かしてませんか？」

　おいおい　連絡するな！会うな！って約束したよね？

　連絡先消してほしいと頼んだ時に　承知したくせに



　私が飛び出したので　発作的に彼女のところにでも
　行ったのかと思ったらしい


　彼女と会った事はあるが　住所も自宅の電話番号も
　知らないんですけど！！！

　何を焦りまくっているのやら

　これで　もちろん　この二人は不倫中で　
　彼女のご主人にバレてはいないんだ、と　わかった





　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　

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　ホテルで目覚めた朝

　昨日　運転していた時に続いていた下痢は
　ほとんどおさまっていた


　朝食の後のイレッサを忘れてはいけない！！！

　ホテルは乾燥しているので　喉が心配だったが
　幸いなことにイガイガもせず　気分爽快だった



　さて　今日はどうしよう？
　

　明後日からは仕事なので　特に何もせずのんびりしようかな？

　夫からの連絡はパッタリとやみ　普通の旅行のようだ

　娘からのメールには　普段と変わらない夫の様子と
　予定通り　友人と出かけてると書かれている

　目の前に　余計な人間がいないので
　のんびりゆっくり過ごしているんだろう

　現時点では　直接なんらかの被害があるわけでもなく
　妻が勝手に外出しているだけなんだから（笑）

　今さら　夫のことを考えるのはやめて
　デパート巡りやら　カフェ巡りを楽しもう


　大好きなこの街で　澄んだ冬の空気を感じながら
　早い時間からのお散歩なんて　すごい贅沢♫

　
　1日の大半を外歩きで過ごした


　天気予報が芳しくなかったので　夕方地元に戻る


　地元のホテルをとって　これまたゆったりとした
　お一人様の時間

　うふふ　明日はホテルから出勤かぁ

　　
　のんびりしようと　早めにシャワーを済ませる

　乾燥してきたせいか　少し肌がピリピリするような
　ただの乾燥だよな・・・副作用じゃありませんように


　イレッサを飲み始めてから　まだ１週間ほど　
　気分的なこともあるのか　どうも体調が普段と違う


　年末はどうにかやり過ごせたし
　精神的にはその時の方がダメージが大きく
　人生最悪の状態だったとも言える

　その時に比べれば　諦めも入り　
　自身の体調を　第一に考えてきたので
　気分は軽くなっているはず

　
　しかし　時折襲われる下痢と
　肌の乾燥　それも顔！！！
　そして　指先の痺れのようなものがまた出てきた



　まだ　１週間なのに・・・・
　これからまだ何か　影響が出てくるんだろうか？

　本当に自分にはイレッサがあっているのだろうか？

　バタバタしていて　考えることが疎かになっていたせいで
　改めて　自分自身の治療に関して
　不安やら　覚悟やらを再確認する夜になった



　
　

　　　　　　　　　　　　　　　

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　友人と別れてから
　以前　宿泊したことがある駅近辺のホテルに予約した


　娘に何と言おうかと
　頭の中で　グルグルと
　ずっと思いあぐねていた

　概要だけでもいいから
　嘘をつかずに　きちんと報告することにしよう


　
　午後も３時をまわった頃
　娘に電話をした

　
　「お父さんと仲違いをして　あまりの事に　
　　頭にきて　家を出てきた

　　今夜と明日はホテルに泊まる予定なので
　　心配しないで　
　　貴女は自分の予定通りに連休を過ごしてね」

　
　娘は　東京旅行から帰った後の私の状態が
　あまり普通ではなかったことに気づいていて

　「イレッサのせいだけじゃないな、と思ってたの
　　お母さんの気の済むようにしていいからね」

　と　頼もしいことを言ってくれた


　" 仲違い " の内容もだいたい察しがつくから・・・と



　娘には　病気のこと以外にも
　余計な心配をかけてしまった


　「イレッサの副作用が酷くなったら　すぐに
　　先生に連絡してね

　　何かあったら私にも　すぐに連絡入れてよね！」


　
　ホテルに入ってから　娘にメールした


　「お父さんの様子はどう？」

　「お母さんから連絡とかあったか？って聞かれたから
　　ホテルに２泊するみたい、と言ったら
　　そうなの？って言ったっきりだよ」



　さぞかし　ホッとしているのだろう・・・


　私自身も　解放感に浸っている

　副作用と思われる下痢も　ホテルに入ったら
　少し落ち着いてきたし
　
　とにかく今夜は　しっかりと眠ろう！！！





　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　

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　早いもので　今年も12月を迎えてしまった


　病気になってからと言うもの　時間だけは無駄にしまいと
　頭では考えているものの　なかなか上手くはいかないものだ

　まして　このところの体調には　ほとんど変化はないし！

　根っからの自分の性格通り　病気とは無縁だった頃のように
　何事ものんびりと　気楽に過ごしている



　先月　二人目の孫が産まれ　息子のところに手伝いに来ている

　一人目の孫が産まれた時も感激だったが
　今回はちょくちょく上京して　息子夫婦の家にいる
　
　仕事のシフトを休日中心に入れてもらい　
　平日　息子が仕事でいない時の
　嫁子ちゃんの手伝いと孫たちの世話をしているのだ


　幼い子供と赤ちゃんの生命力に毎日接していると
　疲れる事は勿論だが　それ以上に元気をもらえる


　この何日か書き綴っている　ほんの５〜6年前のことが
　本当にあったことなのだろうか？と思うほどに・・・


　けれど　書きながら思い出していると
　あの頃の気持ちに　完全にフィードバックしてしまう


　普段の自分は　もしかしたら色々な感情を利用して　
　本当の気持ちに蓋をしているのではないだろうか？
　

　いや　心の奥底の隅々まで覗いてみても
　嫌な出来事をなかったことにしようと　
　無理して生活しているわけではない


　同じ「生きている時間」ならば

　後悔・恨み・嫉妬・落胆・・・のような負の精神に
　時間を取られるのがシャクだと思って　
　そちらの方向に気持ちが向かないようにしているだけだ


　今だから　客観的に見られることも多々あるが
　精神的に追い詰められて　体調がガタガタになっていたのも事実


　プチ家出から始まる　自分と夫の「争い」は
　単なる夫婦喧嘩では終わることなく

　子供達にはもちろん　近しい親戚にも色々と
　迷惑をかけていくことになる



　けれど あの頃の自分に　
　自信を持って声をかけてあげたい

　
　「大丈夫！！
　　正直に　悪い事をせず　真面目に生きていたならば
　　絶対　幸せがくるよ！！！
　
　　病気や　人の心を理解しようともしない人に
　　振り回されずに　1日1日を頑張って生きて！！」　と






　　　　　　　　　　　　　　　

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　2013年　1月12日


　朝食を作り　洗濯も全て終わらせた

　夫が起きて　階下に降りてくる気配が！
　
　まさにその時
　玄関から飛び出し　車に飛び乗った！


　多分　夫はそのままトイレにでも入ったのだろう

　しばらく　何も起こらなかった


　少しだけ走って　コーヒーチェーン店で　軽く朝食

　その日はとても気持ちのいい朝で
　冬晴れの澄んだ空気に　パキッとした青空だった


　さぁ　隣の県まででも走ろうかな？

　県境を越えたら　ホテルの予約でもするか・・・・と
　車を走らせた

　気持ちのいい　ひとり旅

　
　ものの5分としないうちに　スマホがブーブー鳴り出した

　もちろん　完全無視！！！

　文字通り　ひっきりなしに鳴りっ放しになった！

　余りのうるささに　コンビニの駐車場で
　電源を落とした！



　8日から　イレッサを飲み始めていたので
　薬だけはしっかり朝食後に飲んでいた

　まだ飲み始めて日は浅いが　副作用らしき下痢が・・・
　
　今　思えば　副作用ではなく
　精神的なものだったのかもしれない


　10キロくらい走った頃　トイレを探さなくてはならなくなった

　コンビニを見つけ　即　停車する


　普通なら１時間かからず隣県に行けるのに
　そんな繰り返しで　１時間半くらいかかってしまった


　隣県に入って　スマホの電源を入れると
　着信やら　メールやら　留守電やら
　ものすごい勢いで入っていた


　ほとんど　夫からのものだったが　もちろん無視


　何でも話していた友人に　今の状況だけ
　直接　電話で話した

　彼女は　イレッサを飲み始めた事も知っていたので
　副作用の心配をしてくれて

　「下痢は？過呼吸は？　力入ってる？」等々
　とても気遣ってくれた

　その上で　
　追いかけていくから　ランチ一緒にしよう！とまで
　言ってくれた


　正直　ホッとした

　ハンドルを握るのに　時々脱力するような感覚があったし
　勢いだけで走ってきたけど　やっぱり疲れてたから


　もう　先を急ぐ事もないなと
　のんびり走る事にした


　その頃には　不思議な事に　
　これまで感じた事のない　
　とてつもない解放感に包まれていた！


　夫の事はもちろんだが　
　病気や薬に対して　必要以上に構えてたのかも？

　そんな風に　頭の中が軽くなるような思いも出てきた


　実際　このところ毎日　身体中に力が入っていたのかもしれない



　友人と合流して　ランチする頃には
　家出してきた事など　すっかり忘れて
　普通に　遊びに出かけてきた感覚だった

　
　追いかけてきてくれた友人は　
　治療をしていく上でも　一人で抱え込まないで
　そろそろ　娘にもきちんと事情を話した方がいいと
　助言してくれた


　そうだな・・・
　娘にだけは　伝えておかなくちゃな

　一緒に住んでいるのに　いきなり母親が
　何も言わずにプチ家出なんて　シャレにならない

　何て言おう？？？


　ホテルの予約画面を見ながら　思い悩んでいた




　　　　　　　　　　　　　　　

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　夫と彼女が　昼休みに人目もはばからず
　仲睦まじく散歩をしている・・・・

　
　実は　以前からそんな風な話は聞こえてきていた

　結婚前　同じ職場にいたので
　私達は共通の友人も多く

　ちょっとしたタイミングで　それとなく
　夫の素行を知らせてくれたりと言う事があったのだ


　今までは・・・
　また　始まった！　
　でも　どうせまた異動になれば　離れてくれるだろう

　そんな感覚だった

　もちろん　それまでの夫の浮気も許せるはずもなかったが
　目の前の子供達の事を最優先に考えて
　私が我慢すれば　家庭内は平和なままだと
　自分に言い聞かせてきた


　けれど　今回は全く違う

　「奥さん」が家にいて安定しているところでの
　遊び感覚の浮気と一緒にされてはたまったものではない！


　こっちは　「肺腺がん」に向き合って
　手術後　治療しながら　毎日を懸命に生きているのだ！！！


　これから　どのくらい生きられるのだろう？

　いつまでこのいい状態を保っていけるんだろう？

　子供達の将来を　いつまで見ていけるんだろう？

　
　病気そのもの　そして治療や薬に対して
　
　怯え　恐れ　不安にかられ
　言葉では言い尽くせない様々な思いを持って

　毎日を自分なりに必死で生きている


　
　それなのに・・・　
　
　こちらに寄り添ってくれるどころか
　「我関せず」とばかりの行動

　表面上は気を遣っているように見せて
　真に心配しているわけではない！

　一体　どうしたものだろう？



　思いきって　夫に聞いた

　「まだ　彼女と二人だけで会ってるの？」

　「え？　そんな事してないし！」

　「教えてくれた人がいて・・　昼休みに散歩してたって」


　すると夫は怒り出した

　「他人の言う事を信じるのか？
　　私は嘘などついていないのに！！！」



　このしらばっくれた態度に　私もキレた！


　その週末　連休だった事もあり
　夫がのんびり朝寝している間に　家を出た！　




　　　　　　　　　　　　　　　

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　O先生との話が終わり　院内紹介で
　皮膚科の先生とも　面談してきた


　「イレッサでの副作用の一つに　皮膚炎があります
　　
　　O先生からもお聞きになっていると思いますが
　　その程度は　個人差がとても大きく
　　皮膚科としても　重症化しないように
　　患者さん達の特性を見極め　きちんと対応しています

　　皮膚炎は　比較的早期の段階で現れることも多いので
　　どんな小さなことでも　気になる事があれば
　　何でも　すぐに相談してくださいね

　　できる限り　快適な治療生活を送れるように
　　こちら側としても　しっかり協力させていただきます」

　
　O先生とも共通する　力強いお話で　心底ホッとした



　予定の面談を全て済ませてから　薬局へ

　そこで初めて
　処方されたイレッサを実際に手に取った

　やっぱり大きいな・・・また不安になる


　夫は何事もなかったように
　「体質に合う薬なら良かった！
　　あまり神経質にならずに　きちんと飲んで行こうね」

　全く　どの口が言うんだか！！！（怒）


　ついさっきの決意表明で
　自分の中で　夫としっかりと対峙する心構えができていた


　子供達の為にも　まずは自分自身の体調を元気なまま保つ事

　今の自分には　それが第一の生きる基本！
　
　それを脅かすような事があれば　どんな事であっても
　その時々にしっかりと問題解決していく！


　今までの生涯で　１番になるくらいの勢いで自分を大切に　
　そして全身状態を良いコンディションに置かないと
　せっかくの「魔法の薬」となるものが　台無しになってしまう


　この時は　自分にそう言い聞かせて奮起した！！





　わずか　その２日後

　友人から　とんでもない話を聞いた

　夫と例の彼女が　仲睦まじく　
　二人だけで　昼休みに散歩していたと！！！



　はぁ？　　全く　理解の度を超えている

　夫と彼女には　私の言った日本語が通じていなかったのだろうか？


　全身から　すぅーーーーっと　力が抜けた


　そして　しばらくすると　
　怒りの感情で　身体中が波打つような感覚に覆われた





　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　

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　2013年　1月8日


　年末年始　何度か過呼吸を起こしながらも
　どうにかやり過ごした


　子供達にだけは　これ以上心配かけまいと
　自分ながら　よく頑張ったと思う

　息子達が　東京に帰ってしまい　
　苦しい仕事始めが過ぎ　娘の大学も始まった



　いよいよO先生と面談の日だ


　同行した夫に向かって　先生は静かに説明してくださった
　

　「ニャンままさんはとても頑張って来ましたが
　　やはり　アリムタ単剤では効果が落ちてしまいました。

　　すぐに左副腎に症状が出てしまったのには驚きましたが
　　それで　次の治療に移行する方針を固める事ができました。

　　ご本人には伝えましたが　
　　イレッサ服用に適した体質であり　
　　今のところ全身状態がいいので　
　　この機会に　イレッサの服用を始めたいと思います。


　　期間は特に設けず　
　　副作用が劇症化することなく　耐性がつかない限り
　　体調を見ながら　なるべく長く服用できればと考えています」


　
　そして　先生が　改めて夫に向けて
　イレッサの説明冊子を開いてくれた

　
　私が先にもらってきてはいたが　
　夫は開きもしなかったから　
　この時　初めて内容を確認したのだった

　
　夫はイレッサの写真を見て　一言だけ言った

　「大きい・・・」


　私も第一印象がそうだった

　これって　お年寄りは飲み込むのが大変そうだな、と

　色も　エンジ色に近い赤系で　意外に大きな錠剤なのだ




　あぁ・・・これから毎日飲むのか・・・・


　私の憂鬱そうな表情を見て　先生が続けた

　
　「ニャンままさん　大丈夫ですよ！
　　まだまだ　元気いっぱいで体力もありますから　
　　副作用も　それほどではないと思いますよ

　　油断はできませんが　必要以上に怖がる事はありません

　　副作用が出て来たとしても　いろいろな対症療法がありますし
　　いつでも　どんな小さな事でも相談に乗りますからね

　　ニャンままさんは　日記をつけているようですから
　　毎日の体調の変化を　小さな事でもいいので
　　記録してみてはいかがですか？

　　客観的に体調管理できると　病気に対して
　　気持ちの上でもずいぶんと感じ方は違ってきますよ」



　それまでも　少し記録めいた事は書いていたが
　O先生に　そんな風に諭してもらうと　ほっとする


　そうだ！　まだまだ弱音は吐けない！

　自分の命を粗末にしないで　可能性がある限り
　どんな治療にも挑戦しなくては！！！




　その帰り道　夫に言った

　「彼女と一緒の職場だから " 話すな "と言っても
　　あなたは聞いてくれないでしょう

　　でも　私の病気や治療の事を言い訳にして
　　心配するような振りで　二人で会ったり　
　　話したりする事は絶対にしないで！！！

　　約束を破ったら　私にも考えがあるから！」



　帰宅してからイレッサを飲み始めるこの日

　自分なりの　「決意表明」　だった







　　　　　　　　　　　　　　　

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