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2017年09月02日

北朝鮮リスクで長期金利がマイナス圏へ

1日、債券市場で長期金利の指標となる、新発10年物国債の利回りが一時、マイナス0.005%を付けました。
マイナス金利を付けたのは2016年11月16日以来となります。
北朝鮮が日本上空を通過するミサイルを発射したことからリスク回避の動きが一段と高まり、安全資産とされる国債に資金が流れ、4カ月ぶりにゼロ%まで下げていました。

日銀はこの日、残存3年超5年以下の国債買い入れオペを前回から300億円少ない3000億円に減額し、7月12日に3000億円から3300億円へ増額する前の水準に戻しました。
同ゾーンでの減額は5月1日以来。一方、同時に通知された残存1年超3年以下は2800億円、5年超10年以下は4100億円と、それぞれ前回から据え置かれました。
来週は財務省が5日に10年利付国債入札を実施予定で、発行予定額は2兆3000億円程度、7日には30年債の入札が控えています。

債券市場では国債の品不足が顕在化しています。
これは日銀の金融緩和政策の、大規模な国債買い入れが原因です。
流通している国債の、およそ4割は日銀が保有しているといわれています。
債券市場で国債が不足すればするほど、債券価格は上昇し、金利は低下することになります。
そしてこれは、日銀の誘導目標である「ゼロ%程度」水準への軌道修正を迫られ、翻って円高要因になりかねません。

朝鮮半島情勢は一向に先が見えないのですが、安全資産である日本の円、国債にマーケットの資金が集まるのは簡単に予測できます。
円高が進めば日本経済にとってほぼメリットはなく、対応が迫られます。
ここで国債を増発すれば、これへの対応策となります。
特に一部で議論されている、教育国債の新規発行を求めたいところですが、実現は簡単ではないようです。
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