我が往くは恩讐の彼方

楽天モバイルは5月31日、IP電話サービス「SMARTalk」の提供を2025年2月28日で終了すると発表しました。
終了の理由は「通信サービス市場の変化のため」と説明しています。

サービス終了後も25年5月31日までは、マイページを利用可能。楽天モバイルは代替えサービスとしてモバイルプラン「Rakuten 最強プラン」などを検討してほしいとしています。

SMARTalkは「050」で始まる電話番号を利用できるIP電話サービスで、13年から提供しており、サービス開始当初は楽天コミュニケーションズ（旧社名：フュージョン・コミュニケーションズ）が提供していたが、19年7月に楽天モバイルへ事業譲渡、その後20年10月には新規申し込みを無期限停止していました。

インターネット黎明期より注目を集めていた「050」IP電話サービスが、終焉を迎えようとしています。
今回のSMARTalkは3年以上前に、既に新規申し込みを停止していましたが、同業他社も同様で、NTTコミュニケーションズの050plusは、2023年6月26日をもって、新規申し込みを終了しまています。
マイネオを運営するオプテージの「LaLa Call」は、新規申し込みこそできるものの、実質的にマイネオ利用者に限定しているため、もはや事業拡大は見込んではいないと思われます。

これは「050」IP電話サービスが、市場からの撤退を宣告されているに等しいです。
電話通信サービスは多様化し、通話料金を完全無料とするサービスすら珍しくない昨今において、その役目を終えたとみるべきなのでしょう。
言ってみれば古い技術であり、もはや利益を生み出すステージに無いということなのです。

とはいえ、「050」IP電話サービスは新しく050番号が付与され、宅配便の受け取り等、携帯電話番号を秘匿したいようなケースで有効であり、必ずしも楽天が言うモバイルプラン「Rakuten 最強プラン」への代替が当てはまるとは限らないように思います。

サービス終了まで半年以上あるわけですから、再考の余地がなくはないはずなのですが、モバイル事業で慢性的な赤字に苦しむ楽天には難しいでしょうか。