朝鮮王朝ゆかりの「朝鮮王朝儀軌(ぎき)」などの図書
菅首相は14日午前、韓国の李明博大統領と横浜市のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議会場で約40分間会談し、日本政府が保管する朝鮮王朝ゆかりの「朝鮮王朝儀軌(ぎき)」などの図書1205冊を韓国側に引き渡すことで正式に合意した。
朝鮮王朝儀軌は朝鮮王朝の行事や作法などを記録した文書で、政府は8月に発表した日韓併合100年の首相談話で引き渡す方針を発表していた。
会談で菅首相は「未来志向の日韓関係を強化する重要な基調を構築できた」と述べ、李大統領は「本年は韓日関係の画期的な変化のきっかけになっている」と歓迎した。
両首脳は北朝鮮の核開発を巡る6か国協議について、「形式的な対話の再開には意味がない。北朝鮮が非核化を進展させる真剣な意志を具体的な行動で示す必要がある」との認識で一致。
菅首相は拉致問題について「北朝鮮は解決に向けてしっかり応える必要がある」と述べた。
2004年から中断している日韓経済連携協定(EPA)の交渉再開についても意見交換し、首相は早期の交渉再開を求めた。
李大統領は「必要性は同意する。今後も努力したい」と応じた。
会談には、仙谷官房長官、前原外相らも同席。
会談後、前原外相と韓国の金星煥(キムソンファン)外交通商相が図書引き渡しのための日韓図書協定に署名した。
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